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【あなたの転職、教えてください!】転職先が倒産した人は、理想の生活に辿り着いた素直な人だった

「転職先が倒産したので良いネタになると思います。」

えええ⁉⁉
そんな貴重なお話、聞いていいんですか?
ありがとうございます!

そんなメッセージを添えて、ご応募くださった転職インタビューのご依頼2人目は、
内藤雷太さん!

【内藤雷太さんの経歴】
制御機器メーカー 財務部 13年
運輸業 経理担当⇒役員 18年、のち退職

役員までされた方...一介の平社員で会社を辞めた私からすると、どんなお話が聞けるのかワクワク...

それでは、どうぞ!!


転職したいと思ったきっかけは、評価されていないと感じたこと

はるまよ:内藤さんの経歴について教えてください。

内藤雷太:私の最初の就職先は、大学を卒業した1991年に、今東証プライムに上場している制御機器メーカーに就職したんですけどね。

工場なんかでラインに例えば不良品が流れたときに、感知するセンサーを作ってる、割と大きな会社に就職して、その後に2004年に今度は運輸会社に転職したんですけどね。その後は去年の末に退職してます。

はるまよ:制御機器メーカーに就職されたときは、職種でいうと、どういった仕事をしていたんですか?

内藤雷太:財務ですね。経理とはまたちょっと違って、経理っていうと、本当に計算、決算書を作る、そういう作業だと思うんですけども。財務っていうと、会社のお金を管理する、そういう部門ですね。逆に運輸会社の方は経理で、会社の決算まとめたり、子会社の決算をまとめたりとかそういうことをしてましたね。

はるまよ: 現職を選んだ理由は何ですか?

内藤雷太:最初に入った制御機器メーカーの時、韓国に駐在してた時期があったんですけども、その時にあんまり自分が評価されてないなって思うようになってから、転職を考え始めて、転職できたのはエージェントとかにも登録してたんですけども、自分の経歴書をオープンしたのを、たまたま2社目のOBがやっていた人材派遣会社が見つけてくれて紹介してくれて、就職したって感じですね。

はるまよ: 転職をしたいなって思ったきっかけは何ですか?

内藤雷太:やっぱり天狗になってたってこともあると思うんですけども、非常に口では私、韓国の駐在員でしかもバックオフィス全般を見る人間で派遣されたのって初めてだったんですね。経理課長として行って、口々に評価はしてくれるんですけど、実際のその昇格のスピードが遅くて、あんまり評価されてないんだなって思い始めたのが、転職しようかなって思ったきっかけですね。

実際不文律だと思うんですけど、大体私その当時は大卒から10年ぐらいたっていって、最初の役職の主任という種の職種に就いていたんですね。頑張った人は2年で係長なれて、並の人が3年で係長なるんですけども、私は別にみんなが褒めてくれるんで、2年で係長なるのかなと思ってたらやっぱり3年かかったんで。

内藤雷太:苦労したほど評価されてないんじゃないか、口々に言われるほど評価されてないんだなって思ったんですよね。

はるまよ: 転職活動を探していて、ここだと決断した瞬間はありますか?

内藤雷太:まだ34歳だったときは、それこそ本当電話帳みたいなレジュメが送られてきて、すごいなって思ってたんですけど、35歳になった途端に、月1枚ぐらいしか送られてこなくなっちゃって。そんな中で、本当にこの会社に入りたいなって思った会社は、今から思い返すと2社ぐらいしかないんですね。

やっぱし、実際、製薬会社を1社紹介してもらったときに、そこは本当に入りたくて、ずいぶん、自分としてはきちんと準備して臨んだつもりだったんですけども落選してしまって、紹介者曰く、もっと自分よりも強烈なライバルがいたっていうことを言われましてですね。

はるまよ: 転職の基準とかってどんなものでしたか?

内藤雷太:給料と待遇、あとは伸びそうな業界かどうかですね。最初に就職した制御機器メーカーは、私経営学科の出身なんですけども、そういう人は多分、工場の原価部門のケース経験を大抵はされてると思うんですけども、私はそういう経験がなかったんですね。やっぱり経理の担当っていうと自分がまたその後転職活動をするんですけど、やっぱり原価計算したことないっていうだけで、もう結構はじかれちゃうんですねそれは。

転職活動を辞めて社内異動をしようと思った矢先、転職が決まった

はるまよ: 転職するときに直面した一番の困難は何でしたか?

内藤雷太:やっぱり引き留められたことですね。上司2人に引き止められて、馬鹿正直なんで、転職活動本当に転職先が決まるまで黙ってればよかったのに、ある程度決まってこれはもう決まりそうだなって思った時点で僕転職しますって言っちゃったんですね。そしたらもう引き留められて、その時受けている会社で転職活動を最後にしようと思ってたら決まっちゃったんですね。

はるまよ: もうこの会社で決まらなかったらやめないで続けようということですか?

内藤雷太:そう思いましたねそのときはね。
相当私の事を思ってくれてるんだなっていうのが伝わってきましたし、転職しようかなって思ってるような昇格のスピードが遅かったっていうのと、あとは対人関係で悩んでたっていうのもあるんですけどだったらの願い出せばいいんだなっていうのは改めて気づいたんですが、決まってしまったんですよね。

グループ7000人ほどいる大きな会社だったんで、そんなに対人関係で悩んでるんだったら、社内異動という方法もありましたし、何も早まる必要もなかったかなっていうのは若干後悔がありますよね。

はるまよ: 今となってはってところですかね

内藤雷太:そうですね、まさか転職先が倒産すると思ってなかったので。

期待した待遇は得られたが、倒産の苦労を考えると割に合わない

はるまよ: 転職した前と後で、仕事や生活にどんな変化がありましたか。

内藤雷太:2社目は、後先考えないバクチ商売がたまたま当たっただけなんですけども、もうすごい待遇が良くて、臨時のボーナスをバンバン出すんですよね。

それは後先考えてない、経営計画を立ててそれに基づいて、たまたま儲かってたってだけなんですが、お金があるから経営陣もバンバン支給しちゃったんでしょうけども。振り返ると、それも潰れる原因の一つじゃないかって言われてるぐらいで。だから、そういった事情を知らない人からすれば、本当に良い会社に就職できたなって思っちゃいましたね。

はるまよ: なるほど。入社前に期待していた待遇は自体は得られたと。

内藤雷太:そうですね、こんなにもらえるとは思ってなかったっていう感じですね。

はるまよ: 仕事内容としてはどうですか?

内藤雷太:仕事内容的にもよかったです。上司というか同僚は年下だったんですけども私のことを立ててくれて、未経験のことが多かったんですけども、手とり足取り教えてくれて、我慢強く見守っててくれてとても人間関係は良かったです。あの上司に恵まれたって思ってますね。

はるまよ: 倒産されたとき会社はどのような様子でしたか。

内藤雷太:私もその会社の経営計画とかやってましたんで、やっぱどんどん減っていくのはもうわかるんです。
お金が減っていったんでもう商売道具を売らざるを得ないんですね。それでお金を何とか調達して、という感じでした。
業界の構造、マーケットの特性上、景気によってほぼ売り上げが決まってしまう中で、景気の良い時のやり方のまま進めてしまったがゆえに、という感じですね。

はるまよ: なるほど。お話が戻るのですが、一番最初に就職された職種は希望されたんですか?

内藤雷太:いえ、全然希望してなかったので、最初財務部に配属されるって言ったときに何をやる部署か知らなくって、人事部に聞きにいきましたよ。

はるまよ: 財務の仕事をされていてどうですか?

内藤雷太:最初にいた会社は財務部に限って言えば、移動が非常に少ない部署で、私同じ事を何年かやったんだろう。8年間全く同じ仕事やってますよね。

内藤雷太:それで飽きてしまって何かそういうのを醸し出してたらしくて、ちょっと海外に行って来いよって言われたとき、もう一つ二つ返事で行ってきますって言っちゃったんですね。で、韓国に駐在しました。

はるまよ: なるほどなるほど。韓国ではどんな仕事をされていたんですか。

内藤雷太:経理がメインなんですけどバックオフィス全部任されてましたね。だから採用もやってましたし、総務とかもやってましたし、とにかくその営業以外のことは何でもやってましたね。

はるまよ: 内藤さんにとって財務・経理の仕事はどんなものですか。自分に合っていたと思われますか。

内藤雷太:そうですね。あんまり報われる職種じゃないんですけど、適性はあったと思います。

内藤雷太:滅多に褒められる職場じゃないんですね、出来て当たり前みたいなところがあるんで。やりがいって意味では、多分上司がねよく褒めてくれるような人だったらやりがいもあるんでしょうけど。上司が褒めない人だと、やりがいっていうのはあんまり感じないですよね。

はるまよ:反省点や後悔など、転職で学んだことはありますか。

内藤雷太:はい、ありますね。前の会社を去ったことについては、そんなに後悔しないですね。ただ、倒産するような会社に転職しなくてもよかったんじゃないかなって気がしますね。

転職する人には本当にその会社のことをよく勉強した上で、転職することをおすすめしたいですね。特に日本では主に会社更生法とかあるんですけども、アメリカではチャプターイレブンって言っていたようなものがあるんですが、それを申請すると、もう膿を出したっていうふうに投資家が考えてくれるんですね。

ところが日本の場合は経営陣が残っちゃってたりするとまた同じ体質が残る場合があるので、本当、転職を考えてる人はその会社の履歴をよく勉強してほしいですね。

はるまよ: 素朴な疑問なのですが、転職されたときって待遇は良かったわけじゃないですか。それでもやっぱりその倒産するような会社に1回行かなきゃよかった、行かなければよかったなっていうふうに思われるのって、どういう理由ですか。

内藤雷太:そうですね、やっぱり倒産する前に臨時ボーナスバンバン出たと言っても、本当にリーマンショック前の3回だけなんですよ。会社を潰しちゃうんだったら更生計画も何もなくって、もうみんなクビにして後は清算事業だけをやっていけばいいんでしょうけども、はい。更生を目指していたので、東京地方裁判所に更正計画を出さなきゃいけないんですね。これがものすごい大変な作業なんですよ。
東京地裁に計画を出しますよって決まったときから3ヶ月間休みなしですよ。土日も下手すっと、4日間ぐらい家に帰れないとかですね。会社の床に寝るとか。そういうことを経験しちゃうと、その後に私は役員だったので給料も上がったんですけどもしかしたら、もう損益トントンだったんじゃないかなって気がしますけどね。

はるまよ: 自分の苦労と比べると、割に合わないような感じだったんですね。

内藤雷太:コロナの頃はよく土日潰れましたね。経理だけじゃなくなっちゃって総務とかまで見るようになったので。そういうこともあってうつ病になっちゃったんですけどね。

はるまよ: なるほど。それはいつ頃のことですか。

内藤雷太:2020年の12月頃に上司と電話会議してるときに突然投げ出しちゃったんですね。おかしいよって言われて、地元のクリニック行ったら、鬱状態ですって言われて。

薬を飲んだんですけど今度は去年脳梗塞で倒れちゃって、総合病院へ担ぎ込まれたんで、精神科の方も転院して、総合病院の精神科にかかったときはもううつ病ですって言われまして。なので今よくよく考えると転職後っていうのは、お金で割り切れないというトータルで考えると、マイナスだったんじゃないかって思います。体壊しちゃ意味ないじゃないですか。
コロナの時、原則在宅勤務になったんですけどねそうすると下手すると自分の仕事部屋作っちゃって、そこに12時間こもりっきりで誰とも話さないとかですね、そういうことをしてたらおかしくなっちゃった。

内藤さんにとっての仕事と結婚

はるまよ:ちょっと大きい話になるんですけど、内藤さんにとって、仕事ってどんなものですか。

内藤雷太:今考えると、今無職なわけなんですけど、子供がまだ中学生なんで親が無職っていうのはあんまり子供にはいいことじゃないかなって気がするんですよね。ていうのは例えば面接があるような高校で、面接の時に親が無職というのは不利になったりしないかという不安はありますね。

そうすると、何らかしら職に就いてた方がいいかなと思って、今自営を目指そうとしているんですけどね。そういう意味では、仕事は今の私にとっては世間体ですよね。もうそれ以外の何物でもないです。決してお金に困ってるわけじゃないですし。

はるまよ: 働いていた時の実感も含めて、仕事ってどういうものっていうのって何かありますか。

内藤雷太:そうですね、営業みたいに何か仕事を取ってくるとかそういう仕事ではなかったので、自分としても成果は見えにくいですし、そうだなやっぱ成果が見えない仕事、職務っていうのは、どれでも何か喜びを感じる人というか、すごいですよ、すごいポジティブな人だと思いますね。

仕事をしていて、難しい宿題が終わったときは多少充実感を感じることとかありましたけど、毎日充実感を得られる事なく会社に行ってましたけどね。当たり前のことを当たり前にやる、という感じでした。

はるまよ: 話は変わりますが、中学生のお子さんがいらっしゃるということで、ご結婚は職歴の中でいうとどのタイミングだったんですか。

内藤雷太:転職してすぐ結婚しましたね。

はるまよ: お相手とはどちらで出会ったんですか。

内藤雷太:結婚紹介所ですね。私がもうほぼほぼ38歳のときに出会いました。

はるまよ: 結婚相談所に登録されたきっかけはありますか。

内藤雷太:親が寒川神社に良縁祈願に行ったときに、結婚相談所からうちに電話かかってきたって言うんですよね。これは神社のおかげだみたいなこと言って、まだお見合いとか雰囲気がなかったんですけど母親が熱心に言うもんですから、相談所に登録しました。でも、うちの弟は4つ違いで独身ですけどね。彼は彼なりに人生楽しんでるし、私は私は結婚して子供できてよかったなって思ってますけど、既婚未婚に関わらず、何らかしら楽しみがあればいいんじゃないですかね。

晴耕雨読、理想の生活の今

はるまよ: なるほど。話すごい変わりますけど、趣味とかはありますか。

内藤雷太:趣味ですか。今は体重もすごい増えちゃったんでダイエットがてらジムに行ってることかな。あとは本当はバイクが趣味だったんですけど脳梗塞2回もやってるんでもうもう家族が諦めてんですけど、私は密かに諦めてないんで。

はるまよ: 今、仕事をしてないっていう状態って、内藤さんの体感的にはいかがですか。

内藤雷太:理想の生活をしてると思いますね。叔父から結構な広さの畑を無料で借りてて、かっこよく言うと晴耕雨読の日々なんですね。それは前からそういう生活をしたいと思ってたんで、自分としては満足してますけどね。

はるまよ: それを踏まえて、今後についてはどう思われていますか。

内藤雷太:毎日そういう生活ができてるわけじゃないんですけども、午前中は資格取るために勉強して、午後は畑仕事をしたり、スポーツクラブ行ってるんですね。私、FPを目指してるんですけども、何らかしら名刺にちゃんとファイナンシャルプランナーやってますって書けるようなぐらいの資格は取りたいなと思ってるんですね。

お金は二の次で、別にお客がついてくれなくても構わないんですけど、資格は取っておきたいなと思ってんですけどね。

はるまよ: 純粋な疑問なんですけど今まで会社に勤められてきて、会社に戻ろうと思わない理由はなんですか。

内藤雷太:俺はある意味気が短いところがあって、何でも自分でやっちゃうんですね。それに、やっぱ甘えちゃう人もいるんですよね。もう潰れる前は単なる課長だったんですけど、いきなり役員なっちゃったもんですから、大きい昇進をしちゃったんですね。そうすると、自分の部下で、元上司だったとか元先輩だった人がいるわけです。そういう人の取り扱いってすごい難しいですよ。こっちを立ててくれる人もいますし、もう完全にやる気を失ってる人もいます。

経験や知識は私なんかでも全然あるんだけど、そういう人の扱いってのは本当に困るからもうそうだな、大組織には加わろうとは思わないですね。

はるまよ: どっちかっていうとマネジメントはもうちょっとやりたくないって感じでしょうか。

内藤雷太:そうですね。元上司だった人で私の部下になった人は、ある意味気合入ってて、取締役の言う事も聞きませんし、私はそこまで割り切れない人間なんで、そういう人と組まれちゃうと、こっちが困っちゃうんですよね。こっちがやんないと進まない。
とりあえず商業的な人と一緒に働きたいと思わないですね。

はるまよ: 一緒に働く人を選びたいみたいな感じですかね。

内藤雷太:一緒に同じぐらいの知識で同じぐらいのやる気ある人だったら例えばFPも法人格とか持ってるとこありますから、そういうところで、一緒に働こうって気はありますけど、前の会社に戻って同じような立場で働きたいとは思わないですね。

はるまよ: なるほどなるほど。一緒に働く人選びたいっていうのもあるし、でもまず1人でやれる方が気楽だしという感じですね。

はるまよ: 転職を考えてる人へのアドバイスはありますか。

内藤雷太:まずですね、さっき申し上げたように、会社の前歴をよく調べた方がいいってことですね。そこに1回倒産したような会社はもう絶対やめた方がいいと思います。転職を考えてるんだったら、いきなり社外に出るんじゃなくって、まず社内で異動を考える。自分を受け入れてくれる人を探した方が、良いと思います。今自分が34歳だったらそうしますね。

はるまよ:なるほど!貴重なお話をありがとうございました!

【はるまよの声】

やっぱり倒産って事業を畳むにも立て直しするにも、次の仕事も探さないといけないし、さぞかし大変だったんだろうと思っていたのですが、今はすごい理想の生活だっておっしゃっていたのがすごく印象的でした。単純に思うんですね、何十年も働いてこられた上で、仕事をしていない今すごく幸せっていうのって、とても興味深いなと思うんです。
時代はあったと思うんですけど、会社ですごく長く働かれて、役員まで勤められて。結婚についても、勧められたからやってみるかっていうふうになんかとりあえずやってみるみたいなところも含めてすごく素直で、真面目な方だなってお話していて感じました。

内藤さん、改めて、インタビューのご参加、ありがとうございました!!

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