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物を書いて人の心を動かしたい人

好きなおつまみはタコワサビ。おいしいですよね。なんか、ちょっと甘味ありませんか、タコワサビって。あれはお家で作れるのですかね。教えてほしいです。
そうですね、実は私qbcはお料理、わりとするんですよ。得意料理はむーしゅーろーです。木須肉です。豚肉ときくらげの卵炒め
それでですね、そこに最近はトマトをいれる、トマト木須肉がマイブームですね。
なんというんでしょう。トマトと卵の相性の良さですね。色目も、黄と赤で映えますし、味もね、酸味とそれを包みこむ半熟卵の濃厚さが飽きさせないんですよね。
さて、ということで今日は子供にWindowsを(ついに!)渡しました。
妻のPCがけっこう余るんですよね。で、その余ったPCを子供用にセッティングしました。Microsoft ファミリー セーフティというアプリがあってですね、これを導入すれば、いわゆるインターネットでこのサイトにはアクセスさせないとか、指定したアプリしか入れられないとか、使える時間は8時から21時までですよとか、そういう管理設定ができるんですねえ。
ブックマークにはChatGPTとScratchを入れました!!!!!
ということで無名人インタビューgo!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは せた さんです!


現在:全然違いますね。でも、根源は同じなのかもしれないです。結局、自分のウェルビーイングを追求してるっていうところでは一緒かもしれないです。やっぱり自分の人生だから、極力自分のやりたいようにやりたいっていうところは、ものすごく強いものがありますね。

qbc:今、何をしている人でしょうか?

せた:広告代理店で、ライター兼エディターとして働いてます。

qbc:具体的なお仕事内容は?

せた:いわゆる取材執筆ですとか、あとはその進行管理みたいなことですね。取材の調整とかも含めて、編集全般の仕事をしています。プラスで自分が書くところに関しては、取材執筆をやる、という感じです。

qbc:媒体や業界はどんな感じなんでしょうか?

せた:基本会社に言われたことをやるんで、何でもありです。今は、紙とWebで半々くらいです。Webが増えてきてますね。

qbc:何年ぐらいやられているんですか?

せた:17年目ですね。

qbc:ちなみにその前は、何か別の仕事をされていたんですか?

せた:大学を出てから4年間、塾の非常勤講師をやってまして。
その後、東京に出てきて編集プロダクションに入って、そのときはまだその取材執筆とかはしてなかったんですけど。その後この業界で今3社、16年半。そんな感じです。

qbc:お仕事されてるときの気持ちは、どんな感じですか?

せた:日によります。日というか、物によりますね。でも、外に出て、人に話を聞いてるのが一番好きですかね。

qbc:どんな部分が好きですか?

せた:「こんなことしたい」っていう夢や目標を持って頑張って生きてる人のお話を聞くと、刺激を受けるっていうのがあって。大体は取材ですけど。
やっぱりどうしても、客先に行って打ち合わせするだけだとビジネスが間に入ってくるので……。そういう損得勘定なしに「私はこれやりたいんです」っていうのを聞くのが好きですね。

qbc:好きなのは、なぜですか?

せた:自分が理想主義者だから、っていうところに尽きると思うんですよね。
やっぱり、自分は金儲けより大切なことがあると思っていて。でもそういうのって、株式会社の本質と矛盾するんですよね。
株式会社って結局、上場してれば当然、株主からお金をもらってナンボだし。儲けるためにできたのが株式会社なので。
ちょっとそこら辺の個人の志向とは、どうしても根源的に相反するところがあるのかなと。そういう気がしてますね。

qbc:なるほど。記憶に残ってる仕事とかありますか?

せた:それはもうちょっと……数えきれないほどありますね。やっぱり、一つ一つがすごく刺激的なので。
こんな人もいるんだ、みたいな、一回一回すごいなとか思って。

qbc:記憶に残りやすいことの傾向って、ありますか?

せた:ここ数年は、研究者とかそういう人の取材が多くて。どうしても今、ちょっと「選択と集中」をされたところとされてないところと、格差みたいなところはあるんですけど。でも、やっぱりされてないところで、自分で何とかやりくりして一生懸命やってるっていう先生も結構いらっしゃって。私よりも若いような先生が「こんなこんな世の中つくりたい」みたいな感じで結構頑張ってるんで。
そういうのがすごく刺激的ですね。

qbc:どういう部分で、刺激的なんですか?

せた:自分も「こういう社会ができたらいいな」っていうのがあるんで。そのあたりに共鳴するところがあるんですかね。
ある先生が言ってたことで、すごく印象に残ってることがあるんですけど。
自分の研究内容を、一般の方々に伝えるために大切なのが「自分の価値観とか行動をアップデートしてもらうこと」っていうような言い方をされてまして。
要するに、変容っていう意味じゃないんですよね。変容っていうと、しっかり変えてしまう、みたいな部分があると思うんですけれど。
「アップデートする」だから、頭の固い人でも、今の要素を取り入れることによって、お互い歩み寄りができるんじゃないかみたいな。
自分もやっぱり、そういうことができるような人間でありたいなと。

qbc:なるほど。お仕事以外は、どんなことをされてますか?

せた:趣味と、家族と、ですね。あとは、プライベートでも月に3万字ぐらいは書いてるので。そのあたりですかね。

qbc:趣味は何ですか?

せた:大学時代に将棋部やってまして。今は、ガチで大会に出ることはないですけど、ネットでさしたりとか。
あとは麻雀を打ったり、競馬も好きですね。
国内旅行も好きで何十年もやってますし、スポーツ観戦も好きだし、趣味は多い方ですね。

qbc:3万字は、どれくらいのペースで書いているんですか?

せた:まず、noteの記事を1日1本書いてるので、それが大体平均で700字ぐらい。そこでもう2万字いきますよね。これプラス、参加してる文筆サークルがあって、そこで1000字を8、9本とか書いてるので。それでトータル3万字ですね。

qbc:仕事以外で、1日に書く時間ってどれぐらいあるんですか?

せた:日によりますけど、1、2時間ってとこですかね。

qbc:書くのは、ほぼ毎日ですか?

せた:100%毎日、帰りの電車では、noteの原稿書いてます。

qbc:ちなみに書くツールは?

せた:キーボードタイプのタブレットで打ち込んでますね。

qbc:将棋・麻雀・競馬などの趣味と「書くこと」は、ご自身の中で何か繋がってる部分ってありますか?

せた:繋がってないですね。
でもやっぱり、どっちも好きでしたね。将棋雑誌とか読んでいても、技術的なところよりも読み物が好きだったので。そういうようなところは、若い頃からありましたね。

qbc:将棋・麻雀・競馬は、どういうところが好きですか?

せた:何でしょうね。勝ったときの快感ですかね。

qbc:ご自身が?

せた:はい。やっぱり、勝って嬉しくなりたいんでしょうね、きっと。

qbc:それは、目標に向かって頑張ってる方の取材とは違う喜びですか?

せた:全然違いますね。でも、根源は同じなのかもしれないです。結局、自分のウェルビーイングを追求してるっていうところでは一緒かもしれないです。
やっぱり自分の人生だから、極力自分のやりたいようにやりたいっていうところは、ものすごく強いものがありますね。

qbc:周りの方からは、どんな性格だと言われますか?

せた:これは書けるかどうかわからないんですけど。せたさんはマジキチだけど良い人って、会社の若手からよく言われまして。
良い奴だけど変わってる、っていうようなところですかね。ちょっと頑固で、職人気質みたいな。
結構そういう意味では、昭和の男だと思います。

qbc:自分自身では、どういうふうに思われていますか?

せた:それはもう、頑固で気難しいです。

qbc:そこは、一致してるということですね?

せた:それはもう、間違いないですね(笑)

qbc:身近なご家族や、近しい友人・パートナーの方からはどんなふうに言われますか?

せた:文筆サークルの仲間が「全力中年」っていうキャッチコピーをつけてくれて。
スキマスイッチの曲のパロディーですけどね。
いつも全力で突っ走ってる中年だっていう。まぁ、そういうところはあるのかなと思いますね。

qbc:なるほど。ちなみに今までのインタビューだと、マジキチ加減はあまり感じなかったのですが、何かエピソードはありますか?

せた:何でしょう、大人げないって言うんですかね。ちょっとしたことで怒り出すことがあったりとか、社長と喧嘩したりとか。
人の目を気にせず自分のやりたいことをやってるところが、マジキチっぽく見えたのかもしれないです。どうしても、新卒で入った営業マンとは毛色が違ってるので。
今の会社も、私は38歳で入ったんですけど、おそらく入社年齢としては社内史上最高年齢だったと思うんですよね。ほとんど新卒なんで。

qbc:仕事の部分で、マジキチだと感じられたんですかね?

せた:性格的にもそういうとこあるんですよね。やっぱり浮世離れしたところがあるというか。
やっぱ若い人にとっては、ずっと子育てしながらギャンブルしてるみたいなのは、なかなかリアリティがないかもしれないですよね。

qbc:明確に、自分のここは人と違うなと思うポイントってありますか?

せた:何でしょうね、利害関係なく生きてるところですかね。
関係なくって言ったらちょっと語弊があるし、もちろん自分なりの利害があるっちゃあるんですけど。要するに株式会社の一員として収益を得るっていうところ以外の価値観で動いていて、自分はライターとして生きるために、この会社にいる。
だから儲けることを第一とするか、自分の能力を活かして働くことを最優先するか、みたいな。
要は、どうしても新卒主体の会社ってメンバーシップ型で、会社に言われた仕事をこなしながら、気づいたら40歳になってる、みたいなところがあると思うんですけど。でもこっちは就職氷河期世代で、エディター・ライターやりたくて、編プロに転がり込んだので。

ジョブとしてのたたき上げみたいなところがあるので、新卒で20年やってる営業マンとバックグラウンドが全然違うんですよね。
そういう意味で自分は、悪く言えば浮いてるかなというのは思います。
そもそも、浮くことを恐れないっていうところがマジキチなのかもしれないですけど(笑)

qbc:無名人インタビューに応募いただいた理由は?

せた:やっぱりどうしても、ビジネスが介在してると、有能だけど扱いにくいみたいな、そういうオーラを感じるんですよね。新卒の同年代の営業マンとかで話してると。

でも、そういうのを抜きにして、プライスレスなところでお話したときに、私のどんなところに関心を持って、どんなところを深掘りして……っていうのに興味があったんです。
あとはやっぱり、これから自分が生きていく上で、セルフブランディングというかパーソナルブランディングはしていかないといけないなというのがすごくあって。
自分を紹介してもらうと同時に、自分を見つめ直すことで、今後の人生に役立つんじゃないかなと思って応募しましたね。

qbc:好きな食べ物って何ですか?

せた:納豆と馬肉以外は何でも食べる、って言ってるんですけど。
餃子が好きですね、子どもの頃から。餃子好きは、多分40年だと思います。

qbc:馬肉はポリシーですか?

せた:ポリシーです。競馬ファンとして、ちょっと食べづらいです。納豆は本当に駄目ですね。

過去:そこから「やっていけるかな」じゃなくて「やっていかないといけない」みたいな。そんな感じになりましたね。

qbc:子どもの頃は、どんなお子さんでしたか?

せた:すごい弱かったんですよ。男ばかりの4人兄弟で、私が一番上なんですけど。
親が何を思ったか、私の1年1ヶ月後に2番目が生まれて、さらに1年1ヶ月後に3番目が生まれて。
3人年子で同じように育てられたんですけど、なぜか、スポーツできなくて、喧嘩も弱くてね。だからもう、物心ついたときには弟に泣かされてました。
だからなんか、それが当たり前だったんですよね。今考えたらちょっと、過酷な環境だったのかもしれないですけど。

qbc:何して遊んでましたか?

せた:読書は好きでしたね。父が教員だったので、本をたくさん買ってくれましたし、兄弟3人で仲良く、取り合いもせず読んでました。
あとは、遊んだ時間として一番長いのはレゴですね。これもやっぱり、兄弟3人でいろいろやってましたね。

qbc:兄弟は4人ですよね?

せた:4人兄弟なんですけど、一番下はちょっと離れてて。私より8歳下なので。

qbc:好きな本は何でしたか?

せた:ちょっと大きくなってからなんですけど、何と言っても、三国志ですね。

qbc:三国志って、バージョンいっぱいありますよね?

せた:私が読んでたのは、岩波少年文庫ですね。

qbc:何歳ぐらいのときですか?

せた:小学校4年生から5年生ぐらいだと思います。

qbc:読み始めたときは、何かきっかけがあったんですか?

せた:元々、歴史漫画が好きだったんですよね。日本の歴史シリーズとか。
これは中国の歴史だということをどこかで仕入れたのか、親に聞いたのか、ちょっとその辺りは覚えてないんですけど、2年生ぐらいから歴史漫画をよく読んでいて、その延長ですね。

qbc:小中高は、どんなお子さんでしたか?

せた:6年生のときに転校しまして。そのまま中学に突っ込んだもんだから、もう中学がすごいきつくて。全然友達がいなかったかっていうと、そうでもないんでしょうけど。
スポーツができなくて勉強だけできたから、そこら辺もちょっと周りの目が気になるみたいな。だから中学はちょっと、良い思い出がないですね。
高校に関しては、進学校に入ったから、周りがある程度似たようなものも増えてきて、みたいな。
あとは、将棋は元々好きだったんですけど、その頃から大会にも出るようになって、それなりに結果が出て。よその学校に友達ができるようになったので、そういう意味ではすごく改善されましたね。

qbc:生まれ育ったところって、どんなところですか?

せた:転校する前の11歳までいた、岡山県の津山市ですね。
M−1で優勝したウエストランドの出身地なんですけど。

qbc:風景とかそういう描写で言うと、どんなところでしたか?

せた:田舎の住宅街というか。父親が教員で、勤務先の官舎みたいなところだったんですね。なので、周りが学校の先生ばっかりで、それなりに高教養というか。でも学校に行ったら、田舎の農家の息子とかもいて。結構雑多な世界だった気がしますね。

qbc:転校先はどんなところでしたか?

せた:奈良県の大和郡山市。金魚の町なんですけど。
ここも、6年生のときはすぐ友達もできてすごく楽しかったんですけど。ただ、ちょうど校区割りで自分がマイノリティの方になってしまって。

だから、6年生のとき仲の良かった友達がほぼみんな別の中学校に行ったんですよね。
そういうのもあって、中学は馴染めなかったですね。
このときも、津山よりは幾分都会ですけど、ちょっと片田舎の住宅街みたいなのはそんなに変わらなかったかもしれないです。

qbc:高校の後の進学は?

せた:大学に行きました。神戸大学の文学部で東洋史。だから、そこがもう三国志の延長なんですよね。
実際何してたかっていうと、本当に将棋と麻雀に明けくれてたんですけど(笑)
中学・高校と将棋部がなかったもんだから、将棋部があるのが嬉しくてしょうがなくて。
だから本当に、将棋部の活動ばかりでしたね。

将棋って、相手の持ち駒も見えてるという意味では、完全情報公開制じゃないですか。
そうするともう、全く言い訳できないんですよね。要は、ヘマした方が負けるっていう。
ところが麻雀になると不確定要素があるので、初心者から入った子も、将棋で負けてばっかりでも、麻雀で一矢報いることができる、みたいな。
だから麻雀も有効なコミュニケーションツールでしたね。

qbc:雀荘に行ったり、家で卓を囲んだりって感じですか?

せた:両方ありましたね。バイトが終わったら、後輩から留守電が入ってるんですよ。今日は誰それのところでやってますので来てくださいって。それでよく行きましたね。
他の大学にも知り合いがいっぱいいたので、雀荘で打ったりとかそういうこともありましたけど、基本は手積みでしたね。

qbc:大学時代は、どうでしたか?

せた:いやもう楽しかったです。高校デビューとかいう言葉が昔ありましたけど、私の場合は完全に大学デビューですね。
大学になってようやく、人生の楽しさを知ったという感じですね。

qbc:なるほど。

せた:あとは、弟たちから解放されたっていうのもあったんですよね。
やっぱり、特に上の3人はお互いがついて回ってたんで。だから高校も3人バラバラで行ったんですよ、違うところに。もう本当に、みんな嫌で嫌でたまらなかったので。
それで、うちの両親の方針で、大学入ったときに全員一人暮らしをしたんです。
一人暮らしをして解放されたっていうのが、もう楽しくてたまらなかったんですよね。
要は、朝まで麻雀打ってても誰も何も言わないし、晩飯いらないとかも言わなくていいんで。
なので、それは楽しかったですね。

qbc:その後、就職は?

せた:これが逆にもう、黒歴史ですね。
ちょうど氷河期ってこともあって、癖のきつい奴が敬遠されたみたいなところがあったんでしょうね。
そもそもちょっと自分が甘く見てたこともあって、自分の能力と情熱ならどっか受かるやろ、みたいな。
でも、完全になんかもう、やられましたね。完膚無きまでに。

qbc:決まらなかったという意味ですか?

せた:そうですね。
文学部で何をやりましたかって聞かれて、中国の歴史を研究してましたって言っても、民間企業で役に立つもんようなもんじゃないっていう。
文学部で東洋史の同期の男が10人ぐらいいたんですけど、ストレートで決まったのは一人だけでしたね。

そいつはもう日本酒が大好きで、とあるお酒の有名メーカーの営業職で決まったんですけど。そいつだけですね。他はみんな、留年したり就職浪人したり、公務員の勉強したりとか。そんな有り様でした。

qbc:せたさんはどういう道に?

せた:1年休学してもう1回やり直したんですけど、やっぱ駄目で。
でもそこはもう卒業しないとということで、地元の奈良の塾で非常勤で働きながら、時々仕事を探すみたいな。探すというか、エントリーを常時しながら、って感じで。
それを4年やって、4年目の夏ぐらいに、東京のとある編集プロダクションから来るかって言われて。

qbc:はい。

せた:その年、ちょうど中学受験をする子たちを教えてたんですけど、中学受験が終わったタイミングで上京しました。

qbc:探していたお仕事の職種は?

せた:編集系ですね。

qbc:編集系で東京に移られて、どうでしたか?

せた:やっぱりきつかったですね。まだそのときは働き方改革とかもないので、年間で休日が50日ぐらいでしたかね。深夜になるのは当たり前でしたし。

qbc:2007年ですか?

せた:そうですね。27歳のときです。

qbc:そこは、どれぐらい続けられたんですか?

せた:7年いましたね。

qbc:タフですね。

せた:いや、なんかでも、そこで自分って意外と根性あるなっていうことに気づいたようなところありますね。
転職活動はちょこちょこやってたんですけど、でもやっぱり片手間で受かるようなとこはなくて。結果的に、そこの7年で基本的なスキルが身に付いたっていうのはすごいあるんで。
体が覚えたような感じですけどね。
今、あれやれって言われても無理ですけど(笑)
なんか意外と、根性があったみたいです。

qbc:この7年は、どんな7年間でしたか?

せた:4年目で結婚したんですよ。だから、その前と後ろでも全然違いますね。

qbc:どんな感じで違ったんですか?

せた:最初の3年は先が見えないというか、俺これほんまにやっていけるのかなみたいな。
これ40歳で潰れるやろな、みたいな感じがあったんですよね。

qbc:はい。

せた:婚活を始めたのも、それがきっかけなんですよね。
それで結婚して、すぐに上の子ができて。今子どもが2人いるんですけど。
そこから「やっていけるかな」じゃなくて「やっていかないといけない」みたいな。そんな感じになりましたね。

qbc:今のところ、これから最後の転職をされるってことですよね。

せた:27歳から34歳までそこにいて、34歳から38歳まで次の会社で、38歳から今までで5年半ぐらい、今の会社にいます。

qbc:今の転職は、すごく大きな理由のある転職だったんですか?

せた:そうですね。話せば長くなるんですけど、34歳のときは休日を増やしたかったんです。元が隔週週休2日だったんですよ。

あと、クライアントの業績がちょっと良くなくて。ほぼ一社オンリーでやってたんですけど、給料の伸びも止まって。7年いた編プロは、新人が全然続かないもんだから、半年いたら基本給が1万上がるっていうシステムで、伸び率がすごい良かったんですよね。だから、5年いたら基本給が10万上がるんですよ。

qbc:はい。

せた:そうすると最初、手取りが多分17万から18万ぐらいだったけど、26万くらいにはなるんですよね。
それがやっぱり続いた一つの要因かもしれないですね。それでもちょっと伸びが止まったもんだから、ちょっと考えないとな、と。

で、次も制作系の会社だったんですけど、そこはもう完全週休2日で。でも環境としては五十歩百歩でしたよね。タクシーで帰ったこともありますし。

qbc:今の会社は、どういう理由で転職されたんですか?

せた:前の会社とちょっとうまくいかなくて、ですね。
元々就活のときから、いわゆる抑うつみたいなのはちょこちょこ発症してて。
だから、人生で初めて精神科医にかかったのが22歳か23歳くらいのときなんですけど、その後も何度かあって。上の子が生まれた直後に、またちょっと調子悪い時期があって、その後、騙し騙しでやっていたんですけど、ついに潰れてしまいまして。
それで、休職して仕事探したらどうだろうっていうことになって、結局退職することになったんですけど、少し活動したら今の会社は受かりまして、今に至るって感じです。

qbc:過去のことで、話し漏らしたことはありますか?

せた:東京出てきてすぐ、半年か1年ぐらい経ってから婚活を始めたんですよね。
結局、出会うまで2年ぐらいかかって、2010年の11月に結婚したんですけど。
せたさんが結婚できるかできないか、賭けをする奴も出てくる始末で(笑)
なかなか、いろいろありました。結婚したい、婚活するっていうのを友達の間でも宣言してやってたんで、結構ネタにされましたけど。逆に、大方の予想を裏切る形になってすごい良かったです(笑)

qbc:インタビュアーから見えてるせたさんは、賭けになるような感じは受けなかったんですけど、どんなところがそう思われるんでしょうか?

せた:本当にもう何でしょう、女っ気がなかったんですよね。友達の知ってる自分って。
将棋部にいたということもあり、仲間の98%くらいは男なんですよね。
せたさんみたいなギャンブルしかしてないような奴が、みたいな(笑)

でも、今の会社で出会った人には、婚活じゃなくて普通に相手がいたもんだと思ってましたよ、と言われたこともあります。
だからそこら辺は、若い頃に比べると丸くなったのかなという気もしますし。
逆に、丸くなろうとしてたからちょっと精神的にきつかったのかな、っていうのもあるかもしれないです。その辺はわからないですけど。

未来:やっぱり、物を書いて人の心を動かしたいですね。取材先にチェック依頼したときに、感動しましたって言ってもらえることもあって、すごく嬉しいんですよね。病みつきになるというか。自分の好きなことをやって人に喜んでもらったり、発信に役立ったりして、人のためになることが、自分のウェルビーイングになると思ったので。

qbc:5年、10年、30年……最後、死ぬっていうところまでイメージしたとき、どういう未来を思い描いていますか?

せた:子どもが高校まで行ったら好きなことしたいと思ってるんですよね。
具体的に言うと、取材執筆をするフリーライターをやりたい。それまでに、ネームバリューをつけたいです。
今の仕事って、執筆するときに個人名が全然載らない仕事なので。いずれフリーでやってくことを考えたら、名前の残る仕事をしたいなっていうのはありますね。やっぱり、有名になりたい。せたさんが書くっていうだけで箔が付く、みたいな。それぐらいになれたら一番いいですね。そしたら、リタイアしてもどんどん仕事もくるでしょうし。

qbc:タイムリミットというか、カウントダウンはあと何年くらいなんですか?

せた:下の子は高校まで行くのが、あと10年半ですね。なので、10年半で綺麗さっぱり、会社勤めを辞めるのが目標ですね。妻が結構、現実主義の安定志向なので、快くお疲れさんって言ってもらえるように、頑張らないとですね。

qbc:今、具体的なロードマップというか、こういうことをするぞっていうアイデアはあるんでしょうか?

せた:本質的には、俺は東京より地方の方が向いてるなっていうのがあって。
どうしてもスペシャリストには敵わないなっていうところがあるんですよね。ノンジャンルでいろんな業界やってるっていう話はさっきしたと思うんですけど。例えば研究者だと、本当に難しい内容になったら、サイエンスライターには敵わない。土木業界だったら、土木学科にいったライターには敵わない。なので結構、器用貧乏みたいになっちゃうところがあるんですよね。
そうすると地方の方が、発信を課題にしてる人が多いのかなと。

qbc:はい。

せた:恐らくこういうクリエイティブの仕事って、一般的には東京に一極集中してると思うので。だから、いずれは奈良に帰るとかも考えてます。本当は全国、どこでもいいですけどね。実際に行ってますから。

qbc:旅行とかでですか?

せた:旅行もあるし、地方取材もあります。
実際に地域に密着して、活動されてる方に話を聞いたりとか、そんなこともあるので。
かと言って今は、さいたま市で子育てしてる状況なんで。埼玉県は公立高校も充実してるし、下の子が18歳になるまでは埼玉県にいようかな、というところですかね。

qbc:地域で取材するタイプか、または拠点を一つに絞って転々とするタイプになるのか、どういうイメージをお持ちなんですか?

せた:地域と地域を繋いでいければいいと思うんですよね。
地方で良い活動をされてる人でも、SNSが開店休業になってたりとかって、結構あるんですよ。リサーチしてから取材に行くんですけど。
せっかくSNSのアカウントを持ってるのに、使い切れていない、みたいな。
でもそういうのって、書き慣れてる人間がちゃちゃっとやれば、毎日1時間で700字をポンっと書けるから、運用しやすいはずなんですよ。
そういうのを複数のエリアでまたがってやるとか、そのなかで親和性のある人を繋いでいくとかができれば良いと思っていて。
どうしても今だと、やっぱり会社という組織のしがらみがあって、ビジネスになるのかっていうことになっちゃうんで。

なので、そういうことはいずれ、個人事業主になったらやってみたいですね。今実際、あちこちの地方の大学の先生とか、地方の会社の社長さんとか、そういう名刺もいっぱい持ってるので、そういうようなことができたらいいなと思ってます。

qbc:教える方はいかがですか?

せた:それもいいと思うんですけどね。実際教えるのは好きですし。でもどうせなら、やっぱり感謝してもらえる仕事をしたいですよね。それは取材して発信するっていうのもそうだし、教えるってのもそうですね。それはすごく、最初に言った「自分のウェルビーイング」に繋がるんじゃないかと思ってます。

qbc:もしも、就職氷河期がなかったら、どういう人生を歩んでいたと思いますか?

せた:そうですね……でも、どっかでコケてたんじゃないかなっていう気がするんですよね。順風満帆に行ってても、うちの兄弟4人は、必ずどっかでコケてるんですよ。あと、父親も大学行き直してるんで。
結婚したときに思ったんですが「いろいろ苦労したけどこれでリセットでいいんかな」って。遠回りして苦労してきたからこそ、生涯の伴侶に出会えたわけですからね。
そういう意味では、これはこれで一つの人生で、逆に結婚できなかったら、遠回りしたことの顔が立たなかったんですよね。

qbc:なるほど。

せた:その意味でやっぱり、東京に行ってしんどかった3年っていうのは、そういう意識もあったかもしれないです。

qbc:今、何かが終わって新しく始まったりとか、新しい未来が見えてたりとか、何かそういうイメージって持っていますか?

せた:そうですね……あんまりないかな。でも何でしょう、今も言ったように、名乗る仕事ができてないっていうのと、書く仕事が頭打ちになっているところがあるので。
どうしてもやっぱり今、動画とかそういう方向に押され気味で。どうしても営業って、儲かる方向にいっちゃうので、社内の営業マンとの志向のミスマッチみたいなところを最近感じるんですよね。だから54歳までこの会社にいるっていう想定は、あんまりない。

qbc:なるほど。

せた:なので、エディター・ライターとして、フリーになるための布石になるようなことをしたいと思っていて。
逆算して、より自分のためになる会社があればと考えているので、いわゆるエージェントとかに登録して細々と、みたいな感じなんですけどね。
無理はしないけれども、良い話があればちょっと飛びつきたいみたいな、みたいな、そんな状況ですね。なのでもしかすると、来年ぐらいに劇的な変化があるかもしれないですし。
そんなところです。

qbc:一番自分がやりたいことって、何ですか?

せた:やっぱり、物を書いて人の心を動かしたいですね。
取材先にチェック依頼したときに、感動しましたって言ってもらえることもあって、すごく嬉しいんですよね。病みつきになるというか。
自分の好きなことをやって人に喜んでもらったり、発信に役立ったりして、人のためになることが、自分のウェルビーイングになると思ったので。
資本主義社会なので、株式会社という組織が大半を占めてますから、お金が関わるビジネスってのは避けて通れないんですけど。
それだけが価値じゃないんだよっていうことを発信していけたらっていうような気がしますね。

qbc:その考え方になったのは、何かきっかけがあったんですか?

せた:そこはすごく、就活がトラウマになってると思います。
元々父親が教員で、浮世離れしたとこがあったんですけど。父親は企業に勤めたことがないし、母親もいわゆる昔のOLで、5年ぐらいで辞めてるので。そういう意味で、ガチで株式会社でガンガンやったっていうのはないんですよね。
だから自分が就活で苦労したときも、両親は戸惑ってたようなところがあって。
もちろん不満なこともいっぱいあったんですけど(笑)、でもしっかり育ててもらったし、やっぱりそういう意味でビジネスだけじゃないっていう価値観を両親から植え付けられてて。

それがさらに就職氷河期で、どんどん全身に染み渡っていきましたね。
だから今でも、新卒一括採用に反発はありますね。20歳やそこらで人生60歳まで決めてしまうんだ……みたいな。昔はそれが当たり前だったわけですけど。

qbc:最後の質問ですが、言い残したことはありますか?自分の独り言でもいいし、読んでくれてる人へのメッセージでも大丈夫です。

せた:なんでしょうね。
みんなもっと、自由に生きたらいいんじゃないかっていうのがあるんですね。
もちろん、公序良俗に反することはしないっていうのが大前提ですけど。取引先の顔色をうかがって、嫌われたらいけないから個性を発揮するのはミニマムにする、みたいな日本の同調圧力があるので。それが自分自身も中学校で馴染めなかったり、株式会社にいまいち馴染めなかったり、みたいなところにあるんじゃないかって思ってるんですよね。
そういえばうち、ファミコン世代なんですけど、家にファミコンがなかったんですよ。両親が免許を持ってなかったから車もなかったし、エアコンもなかった。
だから、みんなが持ってるものが家にはなかったことの影響もすごくあるかなと思うんですよね。

無理に人に合わせなくても良いっていうのが、染み付いていたんですね。自由に生きたいと言いつつ、もしかすると両親に縛られてるのかもしれないんですけど。
でも、もっといろんな価値観があって、干渉しない範囲で仲良くやっていけたらなっていうのがあります。最初に感銘を受けたことで話した「価値観を変容するんじゃなくてアップデートする」っていうのも。そういうところなんですよね。
そこら辺はやっぱり通じてるところあるのかな、と思います。

qbc:ありがとうございます!

せた:こちらこそ、ありがとうございます。

あとがき

「ウェルビーイング」
数年前から耳にするようになった言葉ですが、この記事を読んでくださった皆さんはご存知でしたか?また、どんなふうに受け取っていましたか?

Google先生によると、Well-beingとはこんな意味だそうです。
・・・well(よい)とbeing(状態)が組み合わさった言葉で「よく在る」「よく居る」状態、心身ともに満たされた状態を表す概念。

ふむふむ。抽象的な概念ですが、そのぶん柔軟性が高い単語のように思います。

SNSやAIが発達し、時代の変化が早い現代。
世間体を気にしながら、社会のしがらみのなかで生き抜いていかねばならない現代人には、非常に重要な概念だな、と改めて感じました。

家庭環境や就活、結婚など、人生のターニングポイントを乗り越え、ご自身のウェルビーイングを追求するせたさん。

自分の好きなこと・やりがい・生きがいは何か向き合い、感じ、求めることの大切さを学ばせていただきました!

自分の現在・そして過去を振り返り、自分自身のウェルビーイングは何か、一度しっかり考える時間を作れたのならば、
その瞬間はまさに「ウェルビーイング」ですよね!

目まぐるしく過ぎていく日々ですが、自分のウェルビーイングを考えたいと思います。
せたさん、ご参加くださりありがとうございました!
【インタビュー:qbc】

【編集・あとがき:misato】

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #編集 #ライター #就職氷河期

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