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日記 秋の日2 蕎麦と鶏団子鍋


今回は目眩もないし、じっと家にいるよりはと思って朝の散歩がてら出勤することにした。

これでは普段より元気なくらいだ。

10月から願いが叶って週二出社、三日在宅という、わたしの中ではベストな勤務形態となった。

出社の時は息子を保育園へ送るのが毎朝慌ただしく、いつもは必死に自転車を漕ぐ。

なんでわざわざ散歩したかというと、今日は夫の休みで息子を保育園に送ることをお任せできたから。

普段より30分早く出て近所の大きな公園を通って会社へ向かった。
人工的に造り出された緑だとしても、木は堂々とそこに根を張り、生きている。かなり癒される。

夫が休みの日は散歩をするのもいいかもな、と思った。

秋の朝は空気が澄んでいてどの季節の散歩よりも気持ちがいい。
春の花粉症はあっても、今のところ秋は症状がないのも有難い。

お昼ご飯は会社近くのお蕎麦屋さんへテイクアウトに行った。

そこは普通のチェーン店なのだけど、テイクアウト窓口のおばあちゃんが最高に上品で優しい。

注文は、あたたかい天ぷら蕎麦にした。
受け渡しの時、明日まで海老天が安いのでまた来てくださいね、と彼女は微笑んだ。

明日は在宅なので来れないけれど、にこりと笑って会釈した。

お蕎麦でお腹が満たされ、おばあちゃんの笑顔に癒される。
彼女はどことなく、わたしの祖母に似ている。

どんなに美味しいお店も、好きなお店も、コンビニでさえ、感じの悪い店員さんがいるともう行かないことにしている。

そのくらい、お店の人の感じの良さはわたしにとって大切だ。

ただ日常の些細な場面で、そして大切なお金を使う場所で、心を削られたく無いのだと思う。

会社を出ると、なんと人生で初めてnoteでサポートをいただいていた。
とても嬉しくて、飛び跳ねるように帰った。お金をもらえたことよりも、わたしの文章を読んで感想を書いてくださったこと、その気持ちの表現としてサポートまでしてくださったことが本当に嬉しかった。
(サポートいただいた方、もし読まれていたらここでもお礼を言わせてください。ありがとうございました。)

そしてここまで読んでくださる方々がいなければ、noteを続けていなかったと思う。
今更だけれど、いつも読んでくださる方、スキをくださる方、ありがとうございます。

夜は鶏団子と水菜の鍋を食べた。

冬に食べる鍋は五臓六腑に染み渡る。
くたくたに煮た野菜を食べているだけで身体にいい感じがするし、美味しい。

そんなわたしを横目に、息子は電子レンジでチンしただけのカボチャをひたすら食べていた。

まあいいんだけどね。
君が美味しいと思うものを食べれば…。
鶏団子…せっかく作ったのになぁ。

子育てをしていると、せっかく〇〇したのになぁ。が多い。

でもそんなのはこちらの勝手で息子には関係のないことなわけで、怒っても仕方がないし、けれどがっかりはするので一応口にだけ出す。

「かあか、頑張って鶏団子作ったから食べて欲しかったなぁ。かぼちゃは電子レンジでチンしただけだから…。まあ、いいんだけどさぁ」

こうして文章で書いてみると我ながら大人気ない。

キョトンとした顔をした息子は、「でんしれんじでちん…」の部分だけ何故かおうむ返ししてくれた。

美味しい?と聞くと満面の笑みで頷く。

「どれが美味しい?」

「かぼちゃ!!(満面の笑み)」

まあ人生なんてこんなもんだ。
張り切ってやったことより、適当にやったもののほうが評価が高いことがある。

それはそれで喜ばしいことだ。
冷蔵庫に入ってたからって理由でただ彩りにチンしたくらいのものが、こんなに息子を笑顔にしたのだから。

この頃息子は本当に一日中よく喋っている。

昨日迎えに行くと、おもちゃを投げた息子が先生に叱られていた。

家でおもちゃを投げるのは、大抵構って欲しい時だけだ。
たとえ叱られるとしても目的(構ってもらう)は達成しているので、息子はニコニコしている。

その時もそうだった。
先生に叱られながら、息子はニコニコしていた。

「息子くん、注意するときもニコニコしているんです!」と言われて、その真意を考えるわたしは何故かすいませんとも言えず、曖昧に笑ってぺこぺこしてしまった。

それが先生をイラつかせたりしていないといいなぁと思った。

わたしは息子に甘いのかもしれない。
ニコニコされると、おもちゃは投げちゃダメだよ。寂しいと思ったり、お母さんに抱っこして欲しいと思うならかぁかって呼びに来て。
と言うと、大抵かぁか!と言ってだきつかれるので、そのままヨシヨシして終わってしまう。

この頃は、「ごめんなさい」を覚えた。
何か気に入らないことや眠たい時になんかわたしをバシッと叩いてくることがある。

その時も、お母さん痛いよ。悲しいよ。とずっと伝え続けていたけれど、バツが悪そうに抱きついてくるだけだった。

それがこの頃、「お母さんかなし…」くらいで、食い気味に「ごめんね」と言ってくる。
眉毛をハの字にして、おくちをキュッと結び、それはそれは可愛いお顔で言ってくる。

うん、もうしないでね。と伝えると、はい!とめちゃくちゃいい返事までしてくれる。

こういうのはいつどこで覚えるのかなぁ。

保育園に行っている間の息子を見てみたいと思うことがある。

どんな風に先生やお友達に接しているんだろう。

今夜も布団の中でリサイタルが始まった。
最近のお気に入りは「鬼のパンツ」で、ずーーーーーっと歌っている。

昔は怖がっていた曲だったのに。

息子の声を聴きながらうとうとしていた。

あと何年、こうして一緒に眠れるかなぁ。
息子は忘れてしまうであろうこの夜のリサイタルを、わたしだけは死ぬまで忘れないんだろう。

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