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2024年4月24日 映画「ゆるキャン△」感想

Amazonプライムで映画を見ようと思って、また映画の第二弾です。
今回の感想は、映画「ゆるキャン△」です。

アニメ「ゆるきゃん△」シリーズは、少しばかり思い入れがあります。
仕事で多忙な日々で、帰宅してからABEMA TVをぼんやり見るのにハマっていた頃、休みの日に第1話を見たのだと思います。
えらくゆったりとしたアニメだなぁと思いました。
ストーリーに加えて、作中の音楽もよかったのです。
その後は、一挙放送をやっていた時に、繰り返し見ていました。
集中して見るというよりは、何か作業をしながら、もしくは、何かしなくてはいけないけどなかなか取りかかれない時につけておく、そういうアニメでした。
話の筋は、「キャラクターたちがキャンプをする」と決まっています。
少し、気がそれても、話がわからなくなることはありませんし、何度も繰り返し放送していたので、見逃したところを確認することもできました。
よく考えると、「仕事で忙しくしているだけでの生活でいいのだろうか」と思い始めた頃、見ていたアニメかもしれません。



映画「ゆるキャン△」は未来の話



これまでのシーズンは、高校生である志摩リン・各務原なでしこたちが、野くる(野外活動サークル)や個人でキャンプをする…という話でした。
調べたところ、現在やっているシーズン3も高校生としてのキャンプであるようです。
一方、映画「ゆるキャン△」はもう少し先、未来が舞台となっています。
出てくる野くるのメンバーは皆、社会人になっており、仕事をしています。
犬山あおいが、小学校の教師になっているので、少なくとも高校卒業後、四年生の大学に進学、一発で教員採用試験に通ったと考えると、ファーストシーズンから、6年以上は経過した世界ということでしょうか。
調べてみると高校を卒業してから10年経った設定だそうです。
今回これを書くために調べるまで、あおいと大垣は、志摩リンと各務原なでしこよりひとつ年上だと思い込んでおりました。
Wikipediaの記載を信じるならば、皆、同じ学年であるようでした!
志摩リンは、ショートカットになって大きなバイクに乗っています。(ジーノではない)

それぞれの仕事


高校を卒業してから10年ということは28歳位ということでしょうか。
それぞれついている仕事が、意外なようであり、予想通りなようであり、なかなか面白かったです。
意外だったのは、志摩リンと犬山あおいのお仕事です。しかし、よくよく考えてみれば、犬山あおいは高校生の頃から、世話焼きだったし、ほんわりしているように見えて、きちんとしていたので、さほど以外ではないかもしれません、
志摩リンが雑誌記者というか、取材するライター(どうやら営業職も経験しているらしい)というのが1番意外でした。
「リンちゃん、想像以上に、ひとと関わる仕事を選んでる!」と思ってしまいました。
よりマイペースで、活動できる仕事を選ぶのかと思いきや…。この職業選択の背景には、野クルでの体験も影響しているのだろう…と思わずにはいられません。
大垣はあの仕事、とてもあっていると思います。

大人になる現実


「またこのメンバーでキャンプしようね」と言いながら、数年できていない野クルのメンバー。
これは、わりと現実的だなぁと思って驚きました。
熱心なファンは野クルのメンバー、中でも、リンとなでしこにはずっと仲良しでいてほしい、と思っていたはずです。
それを、裏切るというか、現実を突きつける設定です。
「ゆるキャン△、いいな」と思っていた人たちは、多分、否、絶対ほとんどが高校生ではなく、疲れた社会人、成人なのではないかと思います。
自分たちができなかった青春、もしくは、今の現実から離れるための理想郷として「ゆるキャン△」を楽しんでいた気がするのです。
以前見ている時から、「ゆるキャン△な世界は異常に治安がいいんだな」とか「ゆるキャン△の世界には悪人がいない」、「ゆるキャン△の世界にはハラスメントがないんだ」というのはとても不思議に思っていました。
「失われた青春」「理想郷」であるなら、しかし、それは当然かもしれません。
しかし、今回、映画版では「現実」がやってきます。
ちくわは歳をとり体力が衰えているし、それぞれ忙しくてすれ違うこともあるし、何かをしようと思ったら企画書を出さないといけないし、本業とのバランスも取らないといけません。
そして、過疎化が進んでいる描写があります。
高校を卒業して10年。
今の世の中では、28歳は若いと言える世代ですが、高校生の無邪気さとは、すでになくなり、現実を受け止めているのです。
案外、1番、大人になっているのは、なでしこかもしれません。
妙に達観した雰囲気で、りんを勇気づけるシーンでは、「なでしこ、大人になったね…」と親戚のおばさんな気持ちになりました。

それでも敵はいない

時が流れ、現実がにじりよってきていても、
これは「ゆるキャン△」ですから、
悪人や敵は出てきません。
セクハラや男女差別をするおじさんや同僚はいませんし、
はやく結婚するようにせかす家族も、
くってかかるクレーマーもいないのです。
これで、どうやってストーリーの起伏を作るのだろう…と思っていたので、
中盤以降、「そう来たか…」と驚かされました。
誰も悪くないし、誰もひどい被害に遭わないけれど、キャンプ場作りが頓挫するイベントをよく考えついたものです。
これなら、ファンも地域にゆかりのある人も、
納得できます。
と言うわけで、
敵はいないわけですが、
りんやなでしこたちが相対するものがあるとすれば、
それは、
「時の流れ」「変化」と言えるかもしれないと感じました。
「時の流れ」や「変化」は圧倒的です。

自分自身、ファーストシーズンをぼんやり流して見していた頃と今の暮らしはかなり変化しました。
アニメの中だけでなく、
自分の中でも時は流れたのです。

ゆるっと見ながら、気づくと、
自分の「時の流れ」や「変化」を考えてしまう、よいアニメ映画でした。

気になる点

・変わらず料理は美味しそうだったけれど、もっと料理シーンが欲しかった…。サーモンのスープは作って見ようと思う。
・あのキャンプ場の電話は大垣がとることになるのだろうか。いつもキャンプ場につめるのかしら。あの辺りの家を借りて、住んでいそうな気もする。田舎では多分喜ばれるタイプのキャラクター。
・野クルのメンバーの雇用形態。教師の犬山あおには、正規雇用だろうけれど、他のメンバーは?非正規雇用なのでは…。
・リンのおじいちゃん、70歳こえてそう。達者だなぁ。
・やはり、山奥の温泉に女性2人は無茶苦茶危険だと思う。なでしこ、危機感薄すぎだから、気をつけて!!


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