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パーソンズ美術大学留学記シーズン4 Week12 #295

今週のニューヨークは30度越えの日もありました。4月にして真夏日を記録するとは。今学期も残り約一か月と佳境を迎えるので、忙しくなる前に散髪を済ませておきました。

フィードバックをする時に意識していること

今学期の授業は卒業制作の進捗報告とそれに対するフィードバックというスタイルで進んでいます。今週はDiscussantというフィードバックの方向性をリードする役目で、どんなフィードバックをしようかと考えていました。留学してからフィードバックや批評をする(&される)機会が多く、ノウハウが実践的に身についてきたので言語化してみます。

1. どのように理解したかを伝える。

まずは、相手の内容を自分なりに要約したものを伝え、相手の作品・発表の伝わり方を知らせるようにしています。たとえば、「あなたはこのようなことをしていて、このようなメッセージを伝えたいと思っていると解釈しました」などと伝えます。この要約や解釈が相手の想定と同じかどうかを確認するのがフィードバックの意義だと思っています。

2. 良し悪しの評価はしない。

相手の作品や発表が面白いとかつまらない等の主観的な判断はできるだけ含めないように気をつけています。自分にとって興味のある話かどうかではなく、伝わっているかどうかを確認するのがフィードバックだからです。ただし、個人的なお気に入りポイントを伝えることはあります。なぜなら、ウケるポイントを伝えることはキャッチーな伝え方を考える上で参考になる場合があるからです。

3. 参考になりそうな情報を伝える。

ただ単に自分の思ったことや感じたことを言うのではなく、参考文献として使えそうな情報を共有するようにしています。「〇〇という似たような作品がある」とか「〇〇を引用すれば説得力が増しそう」などと情報源を明確にすることで、相手は客観的かつ信頼性のある情報に基づいて作品・発表を改善していくことができます。

4. 自分のアイデアは伝えない。

自分のアイデアを伝えるのは、相手が行き詰まっていて突破口を求めている時だけにしています。「こうした方がいい」と無闇に口出しされるのは嬉しいものではないからです。「この先どうすればいいのかわからない」という助けを求められた時だけ「私だったらこうするかも」と伝えます。

5. 口頭では端的に。文章では網羅的に。

口頭でのフィードバックであれこれ言われると混乱してしまうので、要点だけを伝えるようにしています。その他の些細な情報などは文章として共有し、相手が必要ならば参照できるようにしておきます。ちなみに、こちらの伝えたいことは自分でメモして手渡す方が、相手はメモを取らずに聞くことに専念できるので助かるはずです。

以上が、今の私がフィードバックをする時に意識している5つのことでした。参考になれば幸いです。

まとめ

Transdisciplinary Designは多様なテーマを扱っているので、他の人の卒業制作を聞くだけで知的好奇心が満たされます。それに対してフィードバックを考えるのも楽しいです。コンサルティングファームや広告代理店などはこんな感じで多様なクライアントと仕事をしているのかなぁと想像してみたり。

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