デザインしないデザイン "Undesign Design" #119

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「オデッサの階段」というフジテレビ系列で放送されていた番組をご存知でしょうか。10年近く経った今でも忘れられないくらいお気に入りの番組です。登場するゲスト、紹介される知識、番組の雰囲気や構成などの全てが大好きでした。今もYouTubeに番組の一部が残っていて観ることができます。


久しぶりに観返すと、「不射の射」を説明する動画が目に留まりました。

春秋戦国時代、中国に紀昌(きしょう)という青年がいた。彼の夢は、天下、第一の弓の名手になること。技を磨くため、山の頂きに住む甘蠅(かんよう)という名人を訪ねる。そこにいたのは、ゆうに100歳を越えていそうな、よぼよぼのお爺さんだった。紀昌はさっそく、自分の技を見てもらいたい、と頼む。老名人「おぬしは、いまだ不射の射を知らぬとみえるな」不射の射とは、一体、何のことなのか?疑問に思う紀昌の前で、名人は石の上に立ち、おもむろに空を見上げる。そして、弓を持たずして、鳥を射とめてしまうのだった。これぞまさに弓道の深淵。真の行いはなすことなく、真の言葉は言うことなく、真の弓は射ることなし。

この考え方は、デザインにおいても同じ事が言えるのではないかと思いました。真のデザインはデザインすることなく、と。

デザイン初心者は、問題を解決できるデザインができない。
熟練デザイナーは、問題を解決できるデザインができる。
真のデザイナーは、デザインすることなく問題を解決する。

まぁ、そんな私はデザインの「デ」の字も知らない初心者なんですけどね。まだまだこの領域を語る資格は私にはありません。


ちなみに、25分弱の完全版も見つけました。

不射の射の出典は、「列子」やそれを基にして中島敦が書いた「名人伝」という短編小説だそうです。

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