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詩ことばの森(71)「冬の駅舎」

冬の駅舎

冬の町に
小さな駅舎が
明かりを灯す夕べ

薄暗い改札口から
懐かしい姿で
降りてくる人びと

それらの出会い
そして別れが
目に染みるのだ

人の生きるという姿が
故郷の小さな駅舎で
心をとらえて離さない

一晩中   灯されつづける
古い電灯の光は
さみしい   ぼくの心だ

プラットホームで線路を
浮びあがらせる電灯は
まるで   かろうじて生きている
影をうつしているみたいだ

                                    森雪拾

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