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詩ことばの森⑯「明け方の窓辺には」

一日の始まりは これから起きるであろう
一日の物語のはじまりを思わせます

期待と不安の入り混じった意識のなかで
雲間からのぞいた朝の光をながめていると
物語の結末を予感させるような気になります

目を覚ました鳥たちのさえずりが聞こえると、
人間だけではなく 動物や草木など
すべての生物にとっても 新しい一日がはじまるのだ
と実感したりします

明け方の窓辺には

 
明け方の窓辺には
まだ微かに灯がゆれています

幻をみているような眼差しで
だれかが何かを伝えようとしています

わたしは言葉をのみこみます
咀嚼するには淡くて小さく
それでいて あふれてやまない言葉を

夢ともうつつともわからない
靄のうちに沈んでいる町を
ながめています


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