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ちゃっかり、卒業する。

昨日はJSちゃっかりの卒業式だった。

朝6時に起き、ちゃっかりの袴の着付けの予約をしている美容院に連れて行く準備をしなければならず、その合間に朝ご飯を食べさせ、夫スナフキンの礼服一式を出し、終業式に登校しなければならないJKドカ弁を叩き起こす。

そんな中鏡に映る我が姿を見て愕然とする。

髪はボサボサ、顔だけはメイク済み、トレーナーにジャージ姿という何ともバランスの悪い田舎のヤンキーみたいになっている。

「あー‼︎もうしゃーない‼︎とにかく、全員自分のすべきことを自分でやって‼︎」

ノソノソ動く家族に喝を入れ、ちゃっかりを車に乗せて美容院に向かう。

美容院の先生は、きちんとちゃっかりのリクエスト通りの着付けと髪のセットをしてくださり、ちゃっかりは大満足である。

さぁさぁ、仕上がったらちゃっちゃと帰るで‼︎

そう思っている私に先生は言ったのだ。

「uniさん…uniさんの髪のセットはどうするの…?」

「いや、家に帰ったら何とかしようと思ってるから!」

半笑いするしかないではないか。
娘をピカピカにしようとすると自分は後回しになってしまう。

そんな私を見かねた先生は、業務用のクルクルドライヤーを貸してくださり、今ここで髪をブローしなさいと言う。

「えー!なんかやり方もよくわからんし。」

「とかすだけで簡単にできるから!ざっと出来たら、仕上げは私がやったげる!」

有無を言わせない先生の言葉に仕方なくクルクルドライヤーで髪を直していく。

ある程度まとまったところで、先生がカールをつけてブローの仕上げをしてくださり、ようやく顔だけフルメイクの田舎ヤンキー風から、朝早くから小綺麗にしてるママに変身することができたのであった。

家族全員が正装すること。

普段よりちょっとかしこまって、背筋を伸ばすハレの日は、人生の様々な場面で歴史の1ページを埋めていくように感じる。

私の両親も着物や礼服を着て、私や妹の人生の様々な節目に彩りを添えてくれた。

子どもが一つ一つ節目を迎えるたびに、親は歳をとり、子は強く逞しくなっていくのだろう。

それは寂しくも嬉しいことであり、子どもたちの時代になっていくことは自然なことなのだと思っている。

我が母校に娘2人も通うことになるとは思ってもいなかったが、縁あって再び母校の門を親子でくぐったのは10年前。

4歳違いの姉妹が通算10年お世話になった小学校に自分が卒業した日からちょうど30年経った今、再びさようならを言った気分である。

懐かしい校歌を3番まで大きな声で歌うちゃっかりたち卒業生と、後輩の5年生たちに合わせて私も校歌を歌った。

感無量な卒業式を美しく終えることができたことを幸せに思う春の別れである。

#エッセイ #子育て #卒業


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