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映画【個人的発掘良品】『アラクノフォビア』

ARACHNOPHOBIA
1990年 アメリカ
監督:フランク・マーシャル
製作:キャスリーン・ケネディ/リチャード・ヴェイン/ウィリアム・S・ビースリー
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ/フランク・マーシャル/ロバート・W・コート/テッド・フィールド
脚本:ドン・ジャコビー/ウェズリー・ストリック
原案:ドン・ジャコビー/アル・ウィリアムズ
撮影:ミカエル・サロモン
編集:マイケル・カーン
美術:クリストファー・ブリアン・モア/ジム・ビッセル
衣装:ジェニファー・L・パーソンズ
セット:ジャッキー・カー
メイクアップ:デヴィッド・クアシュニック/ジェームズ・リー・マッコイ
特殊効果:クリット・キレン/ミシェル・ライマン/マット・スウィーニー
視覚効果:ILM/アリソン・サヴィッチ/デヴィッド・ソサラ
クリーチャー・エフェクト:クリス・ウェイラス/ポール・セレン
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
音響編集:トーマス・A・カールソン/ポール・ハルム/スティーヴ・ジョーンズ
助監督:ブルース・コーエン/デヴィッド・ドヴィディオ
第二班監督:スティーヴン・スピルバーグ
キャスティング:マイク・フェントン/ヴァロリエ・マサラス/ジュディ・テイラー
スタントコーディネーター:チャック・ウォーターズ
出演:ジェフ・ダニエルズ/ハーレイ・ジェーン・コザック/ジュリアン・サンズ/ジョン・グッドマン/スチュアート・パンキン/ブライアン・マクナマラ/マーク・L・テイラー/ヘンリー・ジョーンズ/ピーター・ジェイソン/ジェームズ・ハンディ/ロイ・ブロックスミス/キャシー・キニー/メアリー・カーヴァー/ギャレット・パトリック・ラトレフ/マリーン・カッツ

 タイトルは"クモ恐怖症"で、ジェフ・ダニエルズ演じる主人公のことです。田舎町に引っ越してきたこのお医者さんはクモが怖くて嫌いで仕方ない。運の無いことに、この田舎町で事件が起こる。新種の毒グモが町にひっそりやってきて、わらわら繁殖して、住民を襲って、ひとり、またひとり死なせていく。気の毒なことに、亡くなったお婆さんは、新任のお医者さんの診察を受けたばかりだった。それで医療ミスを言われたり、解剖に反対されたりで、幸先が悪すぎる。先生はションボリしながらも、段々と、この町で恐ろしいことが起きている、自分が一番嫌いな存在がとんでもない悪さをしていることに気付いていきます。ゾクゾクとパニックとサスペンスが高まってくる。この主人公のお医者人生はどうなってしまうのか。

 この映画、ジェフ・ダニエルズの新任ドクターが、気の毒なんです。関わった人が連続して死んでしまって、保安官から睨まれて、皆から陰口を言われて、犯人は自分の恐るべき天敵という始末。このようにツイてない先生ドクターを、ジェフ・ダニエルズが好演しております。こう不幸いっぱいながらも、軽口を返したり、医師として努力を重ねていく直向きさを見せたり、クモを見つけて絶叫したり、こういうのもなんですが面白くて目が離せないんですよね。この映画を観てから、すっかりこの俳優のファンになりました。いかにもアメリカンな面持ちで、舞台で活躍してから、話題作映画へ連続して出演していき、『グランドツアー』に主演したり、『スピード』でキアヌ・リーヴスの相棒を演じていました。コメディやドラマへの出演が多いですが、この映画では男らしさも柔弱さも演じて見せるのが最高。

 監督のフランク・マーシャルはスピルバーグはじめ数多くの娯楽大作を製作してきた映画の名人。だから俳優の演技の見せ方、画面の効果、音の入れ方なんか、スリルと可笑しさが合わさって、大勢が楽しめるような作りに仕上げているのは流石ですね。グロテスクな巨大グモの造型は、『グレムリン』や『ザ・フライ』などのクリエーターとして辣腕を振るったクリス・ウェイラス。冷や汗だらだらの対決クライマックスを盛り上げて見せます。そういったハリウッドの一流スタッフによる、田舎町騒動の一作なんですね。怖いけど、面白い。気持ち悪いけど、可笑しい。ただクモ嫌いの人にはあまり薦められませんね。

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