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ビールは胸を開く飲み物である。

ビールが日本国内で飲まれるようになるのは、開国後。
海外からの舶来品のなかに混じってました。最初は海外からやってきた外国人向けに販売されていました。

そんな中、日本人でビールを口にし始めた人たち。
それは海外に留学をしていった人たちです。初めて口にするこの金色の飲み物の感想が多く残されているのですが、その中で僕が好きなのが福沢諭吉のこちらです。

「ビィール」と云ふ酒あり。是は麦酒にて、其味至て苦けれど、胸膈を開く為に妙なり。亦人々の性分に由り、其苦き味を賞翫して飲む人も多し。
(「西洋衣食住」/『福澤諭吉全集』所収)
「胸膈を開く」とは「胸の内を明かす」の意で、つまり諭吉は、ビールが談論風発にふさわしい酒だと考えていたようだ。晩年の彼の自宅には常にビールが用意されており、知人が来ると大びんのビールが出されたという。ビールを片手に、議論に花を咲かせたのだろう。
ビール片手の「ノミニケーション」を愛した近代思想の鉄人・福澤諭吉

当時、士農工商が撤廃されたとは言え、どこかであった差。だけどビールがある場ではその差が無くなる。そんな風に考えたのかなと僕は思いました。でそんな風に考えた人たちは他にも居て、進むと大森に居たあの人に繋がる。そんな話はまた今度したいと思います。

とは言え、僕が作るビールもそんな境界線をなくすものでありたい、だからビールを提供するだけでなく、そんな境界線をなくすような仕掛けを入れていきたいと思うものです。

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