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マーダーミステリー『双子島神楽歌』

双子島神楽歌を遊びました。このゲームはリアル脱出ゲームと人狼を組み合わせたようなゲームで、マーダーミステリーというジャンルです。

とある島で置きた殺人事件を舞台に、プレイヤは登場人物となって事件の真相を探ります。人狼のようにプレイヤごとに知っている情報と勝利条件が違うので、村人になれば事件の解決を目指しますが、犯人になれば捜査の妨害をします。登場人物としてロールプレイする部分はTRPGにも近いかもしれません。

初めて遊ぶタイプのゲームだったので、このゲームを中心にマーダーミステリーというジャンル自体を考察します。もちろんネタバレは含まれないのでどなたでも読めます。

嘘をつく村人

人狼のように、村人陣営は犯人を探す・犯人陣営はバレないように隠れるがメインの勝利条件になりますが、それとは別で登場人物ごとにサブミッションがあり、ゲーム終了時に条件を満たしていると追加で点が入ります。例えば特定のアイテムを持ち帰る、隠された事件の真相を追う、などです

これが面白いのは、全員が村利のために動けばいいわけではなく、個々人の利益を最大化しようとする点です。そのため、明らかに白なのに不審な動きをする、特定の話題ではなぜか黙るなど、村人なのに嘘をついたり非協力的な態度を取るプレイヤが出てきます。

これは当然犯人の付け入る隙になり、嘘が重ねられ駆け引きを奥深くします。

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自由度の高いシナリオデザイン

シナリオは基本的に事件の犯人を当てる・隠すという流れになりますが、先に上げたサブミッションもあり必ずしも結末が一つになるとは限りません。犯人を当てれはしたものの不幸な結果に終わってしまったり、もしかしたら全員負けというエンディングもあるかもしれません。ちょうどアドベンチャーゲームのマルチエンディングに近いですね。

また物語の結末だけでなく、プレイ中のギミックも多様性があります。双子島神楽歌は殺人事件だったので他プレイヤと会話する、殺人現場を調べてヒントを集めるというアクションがありましたが、他のシナリオでは例えばモンスターと戦闘するやつなんかもあるそうです。

重要なのは、シナリオごとにエンディングやギミックをデザインできる幅があるという点です。人狼の結末が勝ち負けだけなのに対し、マーダーミステリーにはリアル脱出ゲームらしい自由度があります。

遊びにくさの問題

デメリットや問題点もありました。まず大きな点として
・1回遊ぶともう遊べない
・ネタバレに弱い
という、リアル脱出ゲームが持っているデメリットはそのまま持っています。人狼などの正体隠匿系ゲームは、村人で遊んだ人が「次は人狼で遊びたい!」と逆サイドも遊んでみたいと感じるのが一般的です。推理小説という都合上、話を知ってしまうと二度と遊べないので、たまたま引いた役がそのシナリオでの最初で最後の体験になってしまいます。

加えてマーダーミステリーならではの問題で
・回転率が悪い
・ドタキャンに弱い
というのが目立ちました。開催するには、未プレイの参加者が人数分(多くて少なくてもダメ)とGMと場所が2時間以上拘束されます。そもそも遊ぶのが難しい上に、物語の登場人物が欠けるわけにもいかないので、1人いなくなるだけで最悪開催自体が無くなります。構造上しかたのないことですが、結果として料金も高めに設定されているのではと思います。

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筆者が参加したセッションでも1人ドタキャンがありました。双子島神楽歌は最悪1人いなくても成り立つようデザインされていましたが、本来の体験でなかったのは少し残念でした。

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双子島神楽歌を遊んでみての感想でした。噂には聞いていたマーダーミステリーというジャンルを体験できてとても良かったです。

現状は殺人事件をテーマにしたものが多いようですが、リアル脱出ゲームのような自由度の高さがあるので、今後色んなシナリオが公開されていくと良いなと思います。次回のゲムマでも頒布するサークルがいくつかあるようで、ジャンルの伸びを感じました。


今回紹介したゲームは新宿のRabbitholeというマーダーミステリーを遊ぶための施設で体験できます。

現状は予約が一杯だと思いますが、ドタキャン情報などがtwitterでも告知されているらしいので、早く遊びたい方はそっちから行くと双方幸せなのではと思います。

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