見出し画像

11月 開炉

爽やかな秋晴れが続いています🌸
秋の行楽シーズンですね。だんだんと東京も葉が色づいてきています。
二十四節気では立冬(11月8日頃~)に入りました。
まさに冬のはじまりです。今年はまだあたたかな小春日和が続いていますが、気付いたらすぐそこまで冬が迫ってきています。
記事のUpが少し遅れてしまいましたが、とうとう開炉の月がやってきました!お茶の世界のお正月です。まずは七十二候から。

七十二候では、次の3つの候に分かれます。
11月8~12日頃 山茶始開つばきはじめてひらく
同じツバキ科でもここでは冬に先駆けて花開くサザンカのことをさします。サザンカといえば「たき火」の歌詞。思わず口ずさんでしまう懐かしいメロディと冬の情景が密接につながっていますよね。

11月13~17日頃 地始凍ちはじめてこおる
こちらは大地が初めて凍る、という意ですが、このころは晴天と寒気が繰り返されて紅葉が進んでいく時期でもあります。新暦ではまだ凍るまではいきませんが、衣替えをしたり寝具を変えたりと冬支度が必要になってくる季節です。

11月18~22日頃 金箋香きんせんかさく
「きんせんか」というのはこの場合冬の花でも香高いことで人気の水仙をさします。この別称の由来は中国からで、水仙の花の黄色い部分を金の盃に、白い部分を銀の台に見立てた呼び方からきているそうですよ。
昨年から狙っている水仙柄の塩瀬の染帯・・・まだ売っていたので今年こそ貯金してGETしたいです(;'∀')

【開炉、炉開き】
5月上旬(八十八夜)から6月に摘み取られた新茶を茶壷におさめて半年間熟成させたものが抹茶用の茶葉となります。茶壷の封を切る行事を「口切りの茶事」といいます。茶事では、茶壷の封を切って、新茶を取り出し石臼で挽いたものでお客様をもてなします。
イメージするにはこちらの動画をぜひ!
「MOA美術館 千宗屋キュレーション茶の湯の美 口切の茶事」
https://www.youtube.com/watch?v=YWUZcMJ7J7U
え、ちょっとまって、国宝の色絵藤花文茶壷!!!!!????
国宝好きとしては、かなりの萌えでございます。え、国宝って素手でもっていい人いるの!??
文体も壊れかけてます。

画像3

11月のお稽古では先生がお善哉を振る舞ってくださいました。はぁ~ありがたや、先生の美味しいお善哉に感謝感激です。
なぜ開炉でお善哉が振る舞われるようになったかは、諸説あるようです。
例えば
・猪子餅同様、亥の月、亥の日が陰であるのに対して、小豆 つまり陽のものを頂き、陰陽の和合を図っている(赤いものは古来より邪気を
祓う色とみなされていた)
・餅にかぶった小豆の姿が亥の子供(ウリ坊)の背中に似ているから。
・亥の子餅のお流れをぜんざいにしたから
・一休宗純禅師がぜんざいを最初に食べて、「よきかな(善哉)、よきかな(善哉)」と絶賛され『善哉(ぜんざい)』と呼ばれるようになったから
などなど。どの説が一番信ぴょう性があるのか考えるだけでも楽しいですね。

【炉のお稽古】
半年たってすっかり抜けきってしまった炉のお稽古。。。
まずは配置と自分の位置取りからですね。また半年間、気持ちも新たにお稽古精進致します。わざわざ図にあらわすまでもないような位置取りですが・・・初心にかえるのは大事ですからね、、

画像1

茶花はツバキと照葉でした。
お軸はかん ~南北東西活路通なんぼくとうざいかつろをつうず
”関”とは関所の意で、入り口や玄関、関門といった意味合いで使われています。関門を乗り越えたら、そこには東西南北へと通ずる路が開けているよ、というすがすがしいスタートを彷彿とさせる禅語です。炉開きをする11月は茶の湯でのお正月にあたりますので、気分も新たに気を引き締めていこう、という気持ちが込められて11月に掛けられることが多いようです。
いくつになってもすがすがしいスタートをきれると思うと、気持ちがしゃんとしますね。

画像2