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幼なじみという呪い。⑤【そしてメンヘラへ……】

※実体験を元にしたフィクションです。元ネタはこちら

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2話目

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結局、最後の再会となった2回目

恐らく、ヤマピーの就職が決まってから勤め始めるまでの間だったと思う。彼の実家は九州にあったからそのついでに福岡に寄ってくれて会うことになった。私はそのとき彼氏未満のセフレみたいな人がいて、ヤマピーはちょうど恋人がいない期間だったと記憶している。街中の商業施設キャナルシティで一緒にランチを食べて、そのあと当たり前のようにラブホテルに向かった。

その時の様子で一番覚えているのは、キャナルシティの外を歩いてた時に「身長伸びたねー、何センチ?」って聞いたことだ。お互い、背が高い方ではあったんだけどヤマピーは大学1年から更に伸びたみたいだ。183cmくらい、というと167cmの私から見てもかなり大きくて改めてヤマピーの顔を見上げた。横に並ぶと理想的な身長でお似合いカップルになれる。腕を組んで歩きたいくらいだったけど恥ずかしくてできなかった。横から見上げることができただけで十分だった。私は今でもこれくらいの身長の男性が一番好きである。

若かった私はぼんやりと、ヤマピーとの子供が欲しいな……と考えていて、飲んでいた低用量ピルを飲み止めていた。今考えるとありえないけど、若いというのは「子供欲しい!→生中出しや!」という思考にすぐになっちゃうのが恐ろしいやら羨ましいやら。お互い経験を重ねてきたので、以前のようなぎこちなさはない。セックスはスポーツだ、というような考えも基本的に同じだったし楽しく過ごした。このまま、会う度にスポーツ楽しめる間柄になれたら良かったんだけどな。



思いがけずの結婚報告

まだまだ遊び盛りの23歳。ヤマピーから結婚することを聞いた。まだ就職して1年ちょっとくらいだ。それまで彼女ができた時も報告受けていたし、私は私で彼氏ができて報告したりセフレのことで悩んでたら相談したりしてた。特別な友達として付き合っていたつもりだったけど、私はいつかヤマピーと結婚するものだと思っていた。2人共、真面目な付き合いには縁がないと思ってたからだ。2度目の再会のあと、「40歳までお互い独身だったら結婚しよう」っていつか言おうと、ずっと妄想していた。それは30歳が近づいた頃くらいに言うもんだと思っていた。

学級委員長タイプで国立大学に通って優秀だったヤマピーは、そこそこお堅い仕事に就いた。私とはまるで縁がないような立派な職業。結婚相手は同じ職場の人とのことだった。それも更に私を落胆させた。……結局、近くにいるやつがいいのか……

結婚する、と言ってるのに私はまだ実感が湧かず、へーそうなんだ良かったね~とか当たり障りのない受け答えをした。諦めた、という言葉も近いように思うけどその時はそう思ってなかったんじゃないかな。そうは言っても、ほんとは結婚しないんじゃないか。すぐに離婚するんじゃないか。混乱しながらついにここでも、自分の気持ちを伝えることができなかった。



長文メールを送り付けるメンヘラ

ヤマピーが結婚してから少し後、私は2年くらい続いた彼氏と別れた。ヤマピーの結婚と直接は関係ない。ただ、相手がいないことでヤマピーへの思いが募ることになる。またこの時、鬱状態が酷くて落ちる時はかなりヘビーな落ち方をしていた。リスカ三昧お薬がぶがぶ過食などなど……

例えば、薬を摂取してリスカもキメてボーッとしているとき。その頭おかしい状態で、ヤマピーへの気持ちを自分のケータイに綴る。そのまんま綴る。初めから、私の方が先にヤマピー好きだったのに~なんで結婚すんの?その女なんなの?とかなんとか打って送ってたと思う。ずっと言わずに言えずに取っておいたことを、いとも簡単にそんな状態で送ってしまってた。

それでもヤマピーは優しく返事をくれた。真面目に返事をくれた。それがまた癪に障った。そして直視したくなかった。私はただの幼なじみで同級生で友達で、大事な妹みたいには思うけどそういう対象としては見れないよ、とかそんなことを読んだ気がする。直視したくなかったから、ほんとに全部は読んでいない。私もどんどんエスカレートしていくのでついには、いい加減にしてくれ、って返ってきたこともある。それも直視してはいない。

それからずっと、辛い時期が続いた。
彼氏も出来なかったし、セフレでさえ作るのは困難になった。歳も取ったし過食のため太ってどんどん醜くなったからだ。



余談・占い講座の先生に救われた

メンヘラ長文メールよりも少しあと、メンヘラが幾らか軽くなった頃にタロット占いの教室に通い始めた。そこでリーディング練習として自分のことを占ったりするんだけど、私は毎回毎回ヤマピーのことを占った。本当は間隔空けずに占うのはよくないんだけど、病的なほどに占う私に先生は優しく教えてくれた。自分のことを占うのはまだ難しく、先生の解釈で教えてくれるのはどんな内容であれ救われた。実際に会うことは叶わずメールでやり取りをするだけ、返事が来ることも少ない。そんな状態で占うのは不健全でもある。でもあの時の私にはそれしか出来なかった。

先生がひとつアドバイスをくれて、写真欲しいから1枚だけ送って、って言ってみたら?きっと普通に送ってくれると思いますよ~。と、実行してみたらほんとにヤマピーは写真を送ってくれた。その写真はまだ今でも、移動して移動して私の今使ってるスマホに入っています。少しだけ、心の支え。

また、前世が見えるという人に会ったこともある。写真があれば他人の前世もわかります、と言われてそのヤマピーの写真を見せたところ……前世で何回も親子として過ごしている、関係性がとても強い。こう言われて、その時の私はそれをそのまま信じるしかなく、今でも無理矢理に信じています。きっと、来世で何らかの形で一緒になるんだ。だから今じゃなくてもいいや、という思考にはなるんだけども。これもこの時は救いだったのです。




次回はついに、私も結婚します。この状態からどうやってそんなことになったんでしょうか?また、どんな人と結婚したんでしょうか?お楽しみに。

続き→ 幼なじみという呪い。⑥【私の結婚話】

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