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#生き方「ダブルの人生」

「それでもカッコよかったよ!」

私ではなく、

隣にいた男の子にかけられた言葉だ。

保育園時代。

年長だった私は、

劇の発表会で、

浦島太郎役に抜擢された。

まだこの頃は、

他の友達よりも走るのが速く、

自分でいうのもなんだが、

少し目立った存在だった。

(小学校から転落していくのだが)

2、3回、

劇の練習を終えた後、

「次から、K君も浦島太郎になります」。

と先生から告げられた。

理由も知らされぬまま、

その日から、

浦島太郎のW主演スタイルとなった。

K君は、

イケメンとして、

周りから一目置かれる存在だった。

自分の中に、

何かモヤモヤした気持ちがあったが、

幼心には理解しきれず、

とにかく任された役に集中することにした。

先に練習を始めていたので

パイセン浦島太郎として、

笑顔でK君とタイミングを合わせながら、

当日まで

協力し合った。


当日、

緊張しながらも、

練習通りのパフォーマンスを発揮できた。

太郎2人の息も合っていた。

ただ最後の

玉手箱をあけて、

おじいちゃん太郎になる時に、

草むらの中に隠れて、

綿に両面テープを付けて作られた髭を、

まゆと、鼻の下、

そして輪ゴムのついた髭を両耳にかけ、

顎髭を蓄えた姿で、

再び舞台に立つシーン。

K君は焦ったのか、

ちゃんと髭をくっつけられず、

片耳にぶらんとかかった髭のみで、

全ての髭がその場で落ちてしまったのだ。

会場から一瞬、

「あ〜あっ‥」

という声が漏れたが、

最後のセリフを言って、

拍手喝采のもと、

無事に幕が降りた。


K君は、

幕が降りた後すぐに、

その場で落ちたヒゲたちを、

まるで無かったことにするかのように、

悔しそうに何度も蹴って、

床に散らかした。

そしてみんなのいる座席へ

ゆっくりと歩き出した。

どう声をかけていいか分からず、

とにかく私も足早に席へ向かった。

浦島太郎のお帰りだ。


私が席に座ると、

周りの男友達の1人が、

「よかったよ」

と声をかけてくれた。

嬉しかった。

次にK君がゆっくり歩いて、

席に座った。

「K君、よく頑張ったよ、

 カッコよかったよ!」

と、

たくさんの女子たちが、

K君に近寄り、

励ましの言葉をかけ出した。

それはまるで、

ヒーローのような扱いだった。


Wの人生。

1人で輝くのは難しい。

でも、

誰かと一緒なら、

輝くことができるかもしれない。

最高の2番手を目指しても

いいじゃないか。

私は今日も、

他力本願で、

人生を歩んでいる。


<スタエフライブの告知です>

最終回!

3月30日(土)12時〜。

「我が家の場合」

さぼてん主婦さんのチャンネルで、

家族をテーマにお喋りする番組。

今回で最終回となります。

さぼてん主婦さんの

Kindle本2冊目出版

についての話を聴かせて頂きます。


<4月からのスタエフライブ>

行事を大切にしたい!

堂々と嘘をついていい、

唯一の日である、

4月1日。

21時30分より、

うりもの笑ってチャンネルにて、

えいぷりーるふーるライブを

行います!

当日4月1日(月)に

つきたてホヤホヤの嘘や、

今までのエイプリールフールで、

こんな嘘をつきました!

こんな嘘をつかれました!等、

集まった皆さんと

お喋りして楽しみたいと思います。

そもそも、

このライブが行われるのか、

行われないのか‥笑。

是非、確認しに来てください!。

新番組ライブ

4月3日(水)21時30〜。

月1回、

新しく始めるスタエフライブ。

「他力本願寺ライブ」。

さっそく、

エセ住職として活動します笑。

他力本願寺への、

お喋りネタのお布施を

いただくライブとなります。

お金は一切要らないのですが、

お喋りのネタを、

ご提供頂きたいという、

他力本願な、

住職からのお願いでございます。

お喋りネタを持って、

当日の来寺を

お待ちしております。

(うりもの笑ってチャンネルにて)




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