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#価値観「ビックバンにビックリやん‼︎」

「言葉にすると、

 微妙なニュアンスが、

 削ぎ落とされてしまうから」。

就職したての頃、

同じ部署で働いていた先輩が、

仰っていた言葉だ。

私はこのフレーズに衝撃を受けた。

言葉を頼りに生きてきた私にとって、

「ビックバン」と言える出来事だった。


先輩は芸術大学の出身だったが、

就職は介護の世界を選ばれた。

独特の雰囲気のある先輩は、

アートの才能など皆無な私を、

後輩として可愛がってくださった。

休みの日には、

美術館や地域の空き家を利用した、

芸術祭などに連れて行ってくださった。


美術の成績が2であった私が、

なぜかアートに触れることを、

楽しいと思い始めた。

アート作品を1つ1つ観るときに、

その作品の横に飾ってある、

作者の紹介文や、作品の説明書きを頼りに、

ふむふむと自分なりに味わいながら、

調子に乗って、

作品を楽しむことが好きになった。


ある時、

先輩に聴いた。

「先輩は作品を観る時って、

 どんなことを考えてるんですか?」

先輩は答えた。

「まず私は、紹介文とか

 説明文とかは、

 一切見ないんだよ」。

私は驚いた。

「まず作品を自分の目で観て、

 体で感じて、楽しむんだ。

 本来、作者が表現したかった

 微妙なニュアンスとかが、

 文字に集約することで、

 削ぎ落とされてしまうんだ」。

「例えは『生まれ故郷』とか、

 文字で見てしまうと、

 その絵がそれ以上、

 広がらなくなってしまうんだ。

 違う景色にも見えるかもしれ

 ないし、捉え方は自由で、

 もっと個人の感性を大切に

 しながら、アートを鑑賞する

 方がいいと思うんだよ。

 うりも君も、

 言葉ばかりに頼らず、

 もっと自分で感じないとねっ!」。


 きゃーーーーーっ。

 先輩、カッコいいーーっ。

 なんでも言葉にしたい自分とって、

 雷が落ちるほどの衝撃だったことを覚えている。

 私にとっての、

 ビックバンだった。


その後、

先輩に初めての彼女ができた途端に、

私と一緒にアート鑑賞をしてくれなくなったが、

しばらくして、再び私に連絡をくれた。

「うりも君、相談にのってくれないか?」。

久しぶりに先輩の家に遊びに行った。

そこで先輩と一緒にコーヒーを飲みながら、

先輩の話を聴いた。

「うりも君、僕はわからないんだよ」。

続けて聴くと、

「彼女ができたけど、

 彼女が僕のことを本当に好きなのか、

 どうなのかわからなくて不安なんだ」。

明らかに、声に元気がない。

心配になり、

さらに続けて聴く。

「僕はとても彼女が好きだし、

 会うたびに好きと伝えている。

 でもね、

 彼女は全く好きという言葉を

 発してくれないんだ。

 好きと言葉で伝えてくれないと、

 やっぱり不安で仕方ないんだ。

 好きという言葉、

 好きという言葉を、

 伝えてほしいんだよ‥ 」。


せ、せんぱいっ‥、

「めっちゃ言葉に頼ってるやんっ」。


恋は盲目。


私にとって、

ビックリやんっ‼

な出来事︎でもあった。


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