高校2年生になる時、クラス替えがあった。
その新しいクラスに、1年生の時のみっちゃんと同じクラスだった｢ちょっと変わった田中君｣がいた。

1年生の時は、みっちゃんの教室で見かけるだけだったけれど、同じクラスになってみると、田中君はすごく“ひょうきんな子”だった。休み時間にお笑い芸人のモノマネをしたり、いつも人を笑わせようと、ふざけた事を言ったりしていた。
みっちゃんの言うように、確かに｢ちょっと変わった子｣かもしれない、とそう思った。

2年生のクラスは他にも面白い子が多く、それなりに楽しかった。
ただ、私はそれでも｢なぜ勉強するのか｣とか｢なぜ生きるのか｣、｢どうやって生きていくのか｣、｢男とは｣、｢女とは｣……と果てしなく考えていた。
本も沢山読んでいたけれど、答えは見つからなかった。

仲のいい友達に色々話してみても、なかなか理解してもらえず……
｢めぐの言うことは難しくてよく分からんわ｣
と言われていた。
そんな中、
｢田中君もめぐみたいに、なんか難しいこと言ってやるわ。本もよう読んでるみたい。１回、話してみたら？｣
と勧められた。

｢あのひょうきんな田中君が？意外……｣
と思ったけれど、本好きというのも気になり、学校の帰りに田中君と喫茶店で話すことにした。

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