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控除額3万2459円が現実。

2022年10月30日。


私の所持金は、240円だった。
百円玉が2枚、10円玉が3枚、5円玉が1枚、そして、1円玉が5枚。
そのお金で、その日の晩御飯のおかずを買った。
コロッケ2個入りで119円。
次の日は給料日なので、自分へのご褒美にカール(うすあじ、これ大事)も買った。でも、カールはその日は食べられなかった。
カルピスソーダが買えなくて。
カールは116円。合計235円。
何度も、財布の中を見て、計算した。
税込みで計算して、何度も何度も足りているか、計算した。
恥をかきたくなかったから。
レジでお金が足りなくて、買う物を戻す行為なんて恥でしかない。
お金が足りなくて買えないという、恥をかきたくなかった。
次の日は、給料日。
時給1100円。1日8時間働いて、19日間。
総支給額は、16万7200円。これに交通費が加算されるから、17万は超えると思っていた。
そこから、保険や年金が引かれるから、手取り15万ぐらいだと思っていた。
私は、知らなかったのだ。
社会保険で、1万円近く取られると。
国民健康保険(国保)の時は、7000円程度だった。社会保険はそれよりも低いと思っていた。
私は、知らなかったのだ。
厚生年金で、1万8300円も取られるなんて。
国民年金の時は、約1万
厚生年金は、会社が半分持ってくれるから、その半分だと思っていた。
だから、8000円ぐらいだろうと。
国民年金と厚生年金がこんなに額が違うとは知らなかった。
それまで、まともに働いたことがなかったから。
給料明細を見ることが出来なかった。
アクセスできなかったから。
それにもイラついていたが、次の日は、更にイラついた。
一番最初に思ったことは、ふざけんな! また計算間違っている!だった。
9月に、その会社に入った。
入ったのは、15日。その会社の締め日は20日。
5日間働いて、4万4000円はあるはずなのに。
入っていたのは、4万2000円。
しかも交通費込みで。
計算をしてみると、計算が合わない。
1日目は、7時から16時で、8800円。
次の日から、8時から17時で、8800円。
でも、実際は、8時から16時の計算で、7700円だったのだ。
4日間、8時間働いているのにも関わらず、7時間労働で計算されていた。
私は、このことを会社には言っていない。
なぜか?
私に力がないからである。
でも、次もまた計算が間違っていたら、言ってやる!と思っていた。
そして、10月31日に見た手取りは、14万1938円。
手取り15万は確実にあると思っていた私は、腹が立った。
また、計算間違いされていると。
怒りを抑えて、やっと繋がった給料明細を見ると、私は愕然とした。
なんじゃ、こりゃあ!!
総支給額17万4397円、控除額3万2459円。手取り14万1938円。
すぐにネットで調べた。
社会保険の計算方法を。
総支給額に対し、18.3%を掛けた額を差し引いた額が手取りとなる。
多少前後はある。
ショックだった。
お金がないことに。
自分は低下層にいるんだと思った。
今までは、実家暮らしで、家賃の心配がなかったから、手取り14万から家賃を引かれると、もう、貯金はできない。
実家にいたときは、ドラマを見ながら、月14万円もあるのなら、充分やんと思っていた。(そのドラマは、TBSのMIU404第4話「ミリオンダラー・ガール」である。)
現実を知らないただのバカだった。
これが、今なお続く現実である。

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