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KYという言葉が洋書に出てきて感動した[The culture map①]

高校時代、友人が
今の時代、『KY』と『KYR』と『わら』だけで会話成り立つよね〜」と言っていた。



JKとは恐ろしい。

その発言に対して、私含めて周りにいた全員大きく頷いていたので、どうやら当時の自分および友人らは『KY=空気読めない』と『KYR=空気読める』と『わら=(笑)』だけで会話を乗り切っていたようだ(震撼

そして、そんな我々の会話の30%以上を占めていたらしい今となっては死語のKYというワードを、

最近久しぶりに目にしたのが、なんと、
The culture map』(邦題: 異文化理解力)
という洋書だった。

一言で言うと、
色んな国の文化の違い理解しようぜ!わら!
みたいな本なのだが、

年間読書数0.5冊、
活字アレルギー、
本を最後まで読みきれない病、

の私が久しぶりに、これは読みきりたいと思えた奇跡の一冊なので、

noteに書くという自分へのプレッシャーをかけて、これからちょこちょこ、
リモート外資系本社勤務の小話を交えつつ、
ゆるく紹介しようと思っている。

空気を読む(Listening to the air -communicating across culture)

さて、冒頭のしょうもない私の思い出話に出てきたKYを早速タイトルに使ってもらえている第1章。

英訳すると尚更シュール。

ここでは、日本にはKYという言葉がどうやらあるらしい、と著者Erinの体験談が述べられている。

空気読むとか日本人意味不明なんですけどーまじうけるー

っていう話では決してなく、多かれ少なかれ空気読みがちな国と読まないがちな国がある、という話。

そして、こんな感じでなんとも便利な
空気読みがち国スケールを載せてくれている
(ざっくり言うと)

※著作権的にダメな気がしたので略図にしてます。ひどい絵でごめんない...ほんとはもっとたくさん国名書いてあります。

【詳細解説】
Low context (低文脈): 言葉のまま受け取る文化。
High context (高文脈): 言葉以外の部分を察して読み取る文化。

右に行くほど空気読みながらコミュニケーションしがち、左に行くほど空気読まずはっきりした直接モノを言うコミュニケーションしがち、ということになる。

日本右端でUS左端はなんとなく感覚的にそれくらい知ってる٩( ᐛ )وって感じだったが、この本ではその背景まできちんと解説されているのが目からウロコボロボロポイント

理由1: 言語自体の問題
英語を使うアングロサクソンは図でいうところの1番左の丸にあたるのだが、

彼らの言語と比べて、2番目の丸のラテン系、3番目の丸のアジア系の言語は、1つの言葉で複数の意味を持ったりと、

そもそも話す言語で空気読んで解釈せざるおえない、という部分もあるそうだ。

理由2: 歴史的背景
多民族が入り混じった国なのかそうでないかというのは大きなファクターとのこと。

例えば同じアジア系の中でもシンガポールが一番左にあるのは多民族国家・宗教や価値観の違う人たちの集合である比較的新しい国であるため、お互い何が言いたいか言葉で明確に言わないと伝わらないから。

一方、日本が一番右にあるのは長く鎖国もあり、ほとんど宗教感や教育もろもろ同じで、長年の夫婦のように、あうんの呼吸。皆同じ価値観でずっと過ごしてきたというのが大きいらしい。

そうなるとアングロサクソンの丸でUSが左端UKが右端なのも納得出来る。

実例: US vs 日本、スーパーミスコミュニケーション事件簿

では、ここで実例からの問題。

USと日本のメンバーで構成されたプロジェクトに関わっていた際、

USのプロジェクトリーダーが、日本の進めていた件について「なんでこんなことをやっているのか?!」とブチギレる事件が起きた。

しかし日本サイドも黙っていない。

日「いやいや、あなたたちがくれた過去プロジェクトの資料に書いてあったし、計画書レビュー&サインしましたよね?」と主張。

US「過去の資料に書いてあったかもしれないが、私はそんなことを言っていない!」

日「じゃあ資料はなんだったの!?」

(地獄の空気)


さて、これはどっちが悪いでしょう?

(°▽°)


どっちが悪いとかないですね。

ないけれども、完全に絵に描いたようなコミュニケーション方法の違いによるすれ違い事例で、

面白過ぎて私はニヤニヤしそうでした←仲裁しろ

Erin曰くUSではSay what you mean and mean what you sayと教育されるように、とにかく「言ったことが全て」という価値観がある。

なのでUSのプロジェクトリーダーとしては「私は、やれと一言も言ってないのになんでこの日本人らは勝手にやってるんじゃい」と思う。

一方で、おもんぱかり文化の日本人としては、「はい、これと同じ感じでプロジェクト進めるからね★」と書類渡されたからには、真面目に書類に記載されていることを汲み取ってやった。

そして、リーダーがサインしたからそれはオールokなのだと捉えたのだ。サインしたからには隅々まで読んで確認しているだろうという期待もあったので、なんで覆すねん!見てないのが悪いだろう!と怒り爆発となってしまったのだ。

多国籍チームではどうすればいいのか

では、上記の例ではどうすれば良かったのか。

残念ながら、

日本のおもんぱかりを見習えい!とは言えないのが現実。

何故ならば、Erin曰く最も危険な組み合わせは「High context×High context (空気読める国出身同士)」。

空気をいくら読める者同士だとしても、出身国が違えば残念ながら価値観を完全に一致させることは不可能。

お互い明後日の方向の空気の読み合いをしてしまい、どんどんボタンの掛け違いが進んでしまうのだ。

ということで、多国籍チームではLow contextに合わせるのが鉄則。

日本人の場合、
自分以外は究極のKYだと思って、確認に確認を重ねるスタイルでコミュニケーションする
のが得策かもしれない。

他の国の人々は相対的に相手がスケールのどこに位置するか考えなければならないが、

日本人は右端なのである意味分かりやすくてラッキーなのかなーと思いましたとさ。


以上、第1章でした。ご参考までに。

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