男性育休が当たり前になる最初の世代として考えること
先日、
同期の山内くん(仮名)とランチをしたら、
「全社イベントでこの前とった1ヶ月半育休の経験話してって言われたんだけど、
俺その日また分割2回目の1ヶ月半育休に入るから無理って断ったんだよねぇ」と、
いつものゆる〜いテンションで言っており、
『あっぱれ』と思わず笑ったと同時に、
あぁ山内くん的な人と結婚すれば良かったと
若干後悔した妊娠5ヶ月目のわたくしです。
うちの会社は政府が最近改良を重ねている男性育休制度とは別途90日間有給で男女共に育休が取得出来るので、かなり進んでるとはいえ、
他社でも男性育休1ヶ月半強制や、
自主的に1年間育休をとる男性など、
私の界隈は特にここ最近男性育休全く取らないはさすがに聞いたことないレベルで、
一方、
会社のネゴシエーショントレーニングで学んだスキルをフルに活用しても2週間しか育休を取得出来ないドイツ赴任中のハズバンド対しては、一度は納得したものの、未だにふとした瞬間イラつきの感情が沸き起こります。
(妊娠中一回も会ってないからなおさら)
それはさておき、会社にはよるものの、
明らかに我々世代は男性育休当たり前第1期生なので、今日は思いの丈を書こうと思いました。
肩身が狭いであろう今の上司世代
さて、山内くんが出る予定だった全社イベントの男性育休セッションには、
3ヶ月育休をとったパイセンと、
山内くんの上司が代打で登壇しました。
きっと自分たちの時は無理だったことが実現して嬉しいのであろう、今より過酷な世界で上り詰めた女性リーダー陣が鼻息荒くセッションを仕切る中、
パイセンが
「別にずっと取ろうと思ってたので特別なことをしたつもりはないです」と言ったのが
逆にクールでナイスな空気感を醸しだし、
上司との調整が大変だったと聞いていただけに、腹黒usagitailはドヤ顔で登壇する山内くんの上司をナマアタタカイ目で見守っておりまして。
特に山内くん上司の、
「彼が業務の波が低いところを狙ってとってくれたので良かった」という発言は、
業務が少ないところでないと取ってはいけないというメッセージにも捉えられるのでよろしくないと、突っ込んでやろうかと思っていたところ、
女性リーダーの1人が違う角度から、
上司の私たちが取りやすい空気感を出すことが一番大事ですね、と諭し、
最終的に山内くんの上司が詰められて謝罪するという事態になりました。
◇
しかしながらよく考えると、
今ちょうど部下を持つくらいの男性リーダーたちは可哀想な世代だとも思うのです。
モヤっと発言をした山内くんの上司もきっと
悪気はなく(普通にめちゃ良い人)、
シンプルに感謝を述べただけなのでしょうし、
彼らの妻が出産していたころはほぼ男性育休なんてとっていた人がいなかったわけで、
新しい価値観や制度を頭では分かっていても
実際体験していないゆえ、
心から共感することは難しいんだと思います。
にも関わらず、
その制度を推進しなければならず、
少なくとも分かっている『ふり』
をしなければならない。
そう考えると、ある一定世代以上の方が
首を傾げてしまうような不明発言をしても
しょうがないなーという気持ちになってきます。
男性が育休を取りやすい世界とは
男性育休をより取りやすくするためには以下2点に取り組む必要があると思います。
バックアップ体制
女性育休では当たり前に仕事が引き継がれていく中で男性育休は1-3ヶ月という、
微妙に短期の休暇が多いため、
バックアップを立てずに「シンプルな休み」
扱いになるのが問題だそう。
そうすると、自ら相当調整をするか、
周りが歯を食いしばって一時的にカバーする
展開になりがちで、残念ながら実情としては山内くんも建前上は働いてなくっても上司と折り合いがつかなかった部分では育休中も働いてるらしいです。
それじゃ意味なくね?と思うのですが、
なんと、
国の制度上も「男性育休は家で働くのOK」
と書いてあるので、今のところはそういうものなようです。
これをどう上手く解決するかが制度を利用しやすい会社とそうでない会社の分かれ道かと思います。
しばらくは男性育休の取得率をリーダーたちの目標に加える
そんなことをしなくて良いのが一番ですが、
残念ながら強制的に世の中を変えるにはこれしかないかと思います。
男性育休が進みつつある会社と全くそうではないハズバンドの会社との違いはおそらく
リーダー達の目標に入っているかどうかです。
うちの会社ではここ最近、
『胡散臭いほどの男性育休推進&自分女性にも理解ありますキャラ』が突如出現しており、
意地の悪い私は、
(育休取ったことないくせに…評価のためだろ)
とか心の中で思ってしまうのですが、
実際どう思っているかはさておき、
こういう人はいた方が進むので、なんでも良いから是非頑張って欲しいと思います。
ずるい私たち
と、男性たちを軽くディスりがちなことも書いてしまいましたが、
男性育休第1期世代の我々女性陣のずるさについても書いてバランスとります。
ごちゃごちゃ言いつつ、正直、
今の30代がもっと恋愛市場でアクティブだったころは、良い人で家庭に協力的そうだけど仕事などまぁそんなにガツガツしてないよねっていう山内くんタイプは「良い人だけどね…」と、モテる感じでもなかったと思います。
先見の明のあった女性もいましたが、
どちらかと言うと、
仕事をバリバリ頑張り、稼ぎの良さそうな男の方が結婚相手として好条件と言われていた時代。
そして、そんな男性と無事結婚した女性らが今となってはワーキングマザーとなり、
夫にキレるという。まぁ、都合の良い話です。
1つは若かりし頃の想像力の欠如。
もう1つはそれだけのスピードで時代が変わってきて、ある意味女性が仕事でも
それなりに活躍出来ているということです。
自分の子が大人になった時は
「家庭的な女」ならぬ「家庭的な男」
(逆に問題になりそう)
が理想の結婚相手だったりして、
とか考えながら、
次の世代のために何ができるかなぁと
思いを馳せております。
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