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買春してきた人を政治家にしてはいけないと言える勇気を持てたのは、仁藤夢乃さんの『当たり前の日常を手に入れるために』を読んだからです

買春をしていた人は、どんなに中身が人として素晴らしくても、政治家にしてはいけないのではないだろうかと思わされています。

こちらを読んで考えさせられています。

http://www.kageshobo.com/main/books/atarimaenonitijoul.htm

女性を買う。人を買う。

そういう政治家または候補を応援している政党、議員さん方、団体さん方、市民の方は一度、この本を読んで考えてほしいです。

実は、私の地元の代議士もかつて買春をしていました。それで一度政治職を降りています。その方を地元の政党や議員さん方が普通に、というか熱烈に応援していて、その方は今、再び政治職に就いておられます。

そのことに対して疑問を口にすると、女性の方からも沢山「可哀想だったのよ。罠に嵌められたんでしょ?今は反省してるからいいんじゃない」と言われます。仲の良い人や、尊敬している先輩からもこう言われ続けてきました。

もちろん、私は誰のことも人として責めてはいません。責められません。だって私こそ間違いだらけの人生です。

ただ、買春をしてきた人を政治家にすることは、傷つく人もいるのではとずっと思ってきました。でも、多くの人から「別にそれくらいいいじゃない」と言われると、私が変なのかな?考え過ぎなのかな?と自分の考えを封じてしまっていました。でも、この本を読んで、そんな私を考え過ぎじゃないと、やっと思えました。

買われた彼女達の声と、共に生きる大人達の声が詰まっています。

長岡市立図書館にリクエストさせてもらったら、すぐに買ってもらえて、私のすぐ後にもう予約が入っているようです。多くの人に読んでもらいたいです。自分事として思える人が一人でも増えてほしいです。ちょっと高い本だけど、私の店でも購入を考えています。クライアントさん方にもお読み頂きたいです。

ここまでお読み頂いた方の中には「売る子が悪いんでしょ?快楽やお金のためなんでしょ?本人も楽しんでるんじゃない?」と思われている方もおられるかもしれないですね。

本書の中にもあるのですが、大学生に「売春する中高生のイメージ」を聞いたら、上記のような感じだったそうです。

でも、実際はそんな人はいません。
買われずにに済むのなら買われないのです。

買われる人に特殊な人なんておらず、私は今までたまたま運が良かっただけなんだな、ほんのちょっとのタイミングで分からなかったな、ということがよく分かりました。

安心して日常を過ごせる場があるか無いか。その場があれば買われなくても生きていられます。

「家庭、学校、福祉からこぼれた子どもたちがおかれている現状」が今の日本にあるということです。

作者の仁藤夢乃さんの言葉です。

「一時的な『支援』ではなく『日常的な暮らし』を一緒につくっていく」

それくらい、安心して眠れる場所が持てない子ども達がいるのだと悲しくなりました。

安心して眠るという当たり前で日常的な暮らしが送れるのであれば、誰も自分を買わせたりしないのです。

「買って助けてあげてるんだろ」と思う方もおられるかもですが、買う買われるの関係が人として対等なはずはありません。だから、買っていた人が国民の代弁者をするというのは人権の観点から見ても無理があると私は思います。

政治家とは、むしろ救済に回るべく存在です。買っていた人を政治家にしてしまうことは、私にはどうしても、彼女達を切り捨てる行為に思えてしまうのです。そして、自分自身を貶める行為にも思えてしまうのです。

私も会って話すでもなしに、この投稿一つで説得できると思っていませんが、ここまで読まれてピンとこない方、ムッとされた方は、ご自分は【買春してきた人が政治家になることに抵抗がないんだな】とご自身の理解に繋げていただければと思います。

最後に女の子達の言葉から。

ー女の子たちを買う男に伝えたいことは?

「頭のネジがおかしいのかなって。(中略) 学校の先生とかも来るけど、自分の地位を自分で傷つけていることがわからないんだろうな。無駄なことしてることがわからないのかなって」

「デリヘルで強要レイプ。警官はこっちが悪い、働いていたのが悪いって女の刑事にも言われた。だから性犯罪も性搾取もなくならない」

「上から物事を言わないでほしい」

「勝手に決めつけないでほしい」

「買う男がいなくなってほしい」


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