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AV・セックスワークや性表現を巡る議論

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対立的な構図になり議論・対話が成り立ちにくいAVやセックスワーク、性(的)表現についての考えていきます。
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記事一覧

加害者文化の根強さと、被害者が声を上げることについて

DV・虐待加害者は自らの加害性、暴力性を否認し、加害、暴力と言われることを嫌い反射的に激怒…

Masanobu Usami
2週間前
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「表現の自由」主張の欺瞞

「表現を燃やされた」「表現規制だ」「検閲だ」「お気持ちだ」「道徳の押しつけだ」等々と反射…

Masanobu Usami
3週間前
9

「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズムを問う

以下は私の修士論文「「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズ…

Masanobu Usami
1か月前
6

「表現の自由」主張とモノ化

素朴な疑問。「表現規制反対派」の連中って「公共の福祉」と「公の秩序」(自民党改憲草案)の…

Masanobu Usami
1か月前
4

性表現をどの位置から、どの位置について論じるか――一緒くたに「表現の自由」の問題…

性表現において、 ①見ること-見られること、対象化すること-対象化されること、描写するこ…

Masanobu Usami
1か月前
4

「表現の自由」対「性道徳」という構図で論じることの欺瞞

刑法175条が守る「善良な性風俗」がフェミニスト否女性にとって「善良」である訳ではない。あ…

Masanobu Usami
2か月前
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「性の商品化」とケア(試論的に)

岡野八代『ケアの倫理』を読んでいるところだが、AV・ポルノ、性風俗、売春など性の商品化で考えるとどうなるかとふと思った。 性の商品化では買う側が男性で売る側が女性という場合が圧倒的に多く、まずここに明確な非対称性があるが、これは女性が男性の欲望(性欲、支配欲、権力欲…)を「ケア」している/させられていると言い換えることができる。直接接触ではないAVでも視聴者が興奮するよう慮る=ケアする。 女性は「主婦」的存在と「娼婦」的存在に分割、分断されてきた。「主婦」的存在は母・妻と

「AV新法」署名運動のレトリック、論点すり替え(3月15日追記)

そもそもAV問題をどう論じるか? 「このままでは、AVはなくなる。」と煽る前に、「AVに何を…

Masanobu Usami
2か月前
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「論理」「法」と「感情」の二項対立で性(的)表現問題は論じられない(3月17日追記…

水着撮影会の話題をきっかけに、性(的)表現に係る批判がすぐに「お気持ち」と言われることな…

Masanobu Usami
3か月前
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暇空問題に乗じたAV――フェミニスト叩きのマネタイズ(適宜追記中)

確信犯でひどいなこれ。批判されるの込みで、それもまた都合よく利用するという魂胆も見え見え…

Masanobu Usami
7か月前
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持続化給付金訴訟高裁判決を受けて――セックスワーク争点化の誤り

性風俗業を一律に排除する一方で、持続化給付金でも他の給付金等でもスピード感を優先した結果…

Masanobu Usami
7か月前
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山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』(追記あり=キャンセルカルチャー論・…

山口智美・斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』。宗教右派が独立に蠢いている訳ではないので…

Masanobu Usami
7か月前
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言語表現の問題からポルノの問題へ――「規制」の前の批判的視点

以下、6年前、2017年11月に別アカで数日にわたって連投していたものであるけど、ここでかなり…

Masanobu Usami
7か月前
6

「買う」ことを問題化することと話がすり替わることと

やん、月島さくら、中山美里、ほむら…他にもいたけど、ほんと自分に都合よく読んで我田引水で主張してるよね。問題にされているのは男の側の言動、視線、認知、認識なのだけど、そこから焦点を外して論点をすり替える。男が性的商品として少女を眼差し、買う。「買う」というのは買春だけじゃないし。 問題は、男たちが少女に性的幻想を投影し応えさせる、それが可能になったこと。外形的には性的な行為でなくても、男はそこに性的な意味を付与する。メイドやアイドルがそのような意識を持ってなくても(性的な視