Masanobu Usami

政治・経済・社会から哲学・思想まで。元国会議員政策秘書。行政書士試験・社労士試験合格。…

Masanobu Usami

政治・経済・社会から哲学・思想まで。元国会議員政策秘書。行政書士試験・社労士試験合格。日商簿記2級、東商ビジネス実務法務検定2級。

マガジン

  • 女性支援団体叩き(暇空茜問題)まとめ

    いわゆる「暇空茜問題」として続いている女性支援団体叩き(Colabo、bondプロジェクト、ぱっぷす、若草プロジェクトなどが標的)について、バックラッシュという全体状況を含め論じているツイートをまとめています。ただいま過去ツイを随時収録中です。

  • AV・セックスワークや性表現を巡る議論

    対立的な構図になり議論・対話が成り立ちにくいAVやセックスワーク、性(的)表現についての考えていきます。

  • 性暴力、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

    性暴力やリプロに関わる論考をまとめました。

  • 共同親権問題

    法制審家族法制部会で検討が進む共同親権問題について。だいたいパブコメに書いてます。

  • ジェンダー平等に関わる課題

    ジェンダーギャップ指数、女性と政治を含めジェンダー平等に関わる課題について論じています。

最近の記事

加害者文化の根強さと、被害者が声を上げることについて

DV・虐待加害者は自らの加害性、暴力性を否認し、加害、暴力と言われることを嫌い反射的に激怒する。加害性、暴力性を相手に投影し自分こそ被害者であると信じ込み強硬に主張する。あるいは「可哀そうな被害者」を演じる(演じている自覚はない)。DV・虐待の知識がないと騙される。 DV・虐待加害者の弁明や被害主張は一見真に迫るし辻褄が合うように聞こえる。しかし、都合の悪い事実が落ちていたり、都合のいい解釈で述べられたりしていることに気づくのは実は容易い。それだけ定型化しているとすら言える

    • 「表現の自由」主張の欺瞞

      「表現を燃やされた」「表現規制だ」「検閲だ」「お気持ちだ」「道徳の押しつけだ」等々と反射的に喚くのではなく、なぜ批判されるのか、どんな意識や認知が問題とされているのか、その表現の効果として何が懸念されているのかといったことをまず考え、自分が自明視していることを省みてはどうか。 こういう時に求められていることは規制でも検閲でもない。安易に飛躍するな。また、批判を「お気持ち」と貶めるのではなく、また批判者の信用を貶めるのではなく、言論として言論で対抗するのが原則。そして「お気持

      • アウトリーチのリアルと暇空問題で損なわれたもの

        暇空問題のために生命や心身の健康がどれだけ損なわれたのか、回復の機会がどれだけ失われたのか、それを知ることはできないが、スタッフたちの体感としてその損失、逸失はとても大きい。総和としてだけでなく、会えなかったあるいは会えなくなった一人ひとりのことを想像したい。胸が締め付けられる。 女性支援団体への妨害や嫌がらせは様々な形で続いている。オンラインでも現実空間でも。そのために支援につながれなかった人、離れてしまった人もいる。あの時会えていたら、あの時言葉を交わせていたらの「もし

        • 「妄想の奴隷」暇空らの暴走(4月27日追記)

          超どうでもいいんだが、暇空のダブスタ例だと思うよ。「井川は日本保守党の幹部なのか?」って話は「避難所は暇アノンの幹部だったのか?」という話よりはるかに分かりやすいよ。都合のいいとこはつなげ、都合が悪いところは切り離す、無視する。いつもの暇空。 大体さ、「井川は日本保守党の幹部なのか?」って暇空との罵り合いに何の関係もないんだよね。これも暇空の毎度のパターン。相手・対象をとにかく叩こうと論点がどんどんずれ、拡散し、元々何が問題だったのかがわからなくなる。全部そうだよ。 ほ

        加害者文化の根強さと、被害者が声を上げることについて

        マガジン

        • ジェンダー平等に関わる課題
          10本
        • 共同親権問題
          6本
        • 性暴力、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
          18本
        • AV・セックスワークや性表現を巡る議論
          34本
        • 女性支援団体叩き(暇空茜問題)まとめ
          65本
        • 哲学的あるいは社会学的
          37本

        記事

          暇空らによるセーフティネット攻撃をケアの視点で考える

          このセーフティネットの機能はまずはケアなんだよね。世話・援助ということだけでなく、それ以前に配慮・気遣い、何より注意を向けること。ケアされるべき家族から暴力、虐待を受けるなど、ケアを受ける場・機会を失った、奪われた人たちをケアするのがセーフティネットを構成する様々な主体。 このようなケアは公的責任において提供されるべきだが、制度の狭間に落ちる人が少なくないし、知らない、アクセスがない、アクセスが拒まれる/妨げられることもある。また、行政の画一性や柔軟性欠如が妨げともなるし、

          暇空らによるセーフティネット攻撃をケアの視点で考える

          ケアニーズを満たせない社会に向かわないために

          現在、家族ケアラーへの現金給付と言うと「日本型福祉社会」論的で新自由主義+性別役割分業として捉えられる。だが、少子高齢化とともにケアワーカーの不足が深刻化する文脈では違う意味を持ってくる。 つまり、家族や近隣コミュニティで一定のケアワークを担わなければ持たなくなる事態は予測可能だ。そこで十分なケアが提供されない、あるいは必要以上に機械(ロボット)で代替するとなると要ケア者の生活の質が大きく低下する。 そうした場合に、ケアをする家族や近隣住民などに現金給付をするとか、みなし

          ケアニーズを満たせない社会に向かわないために

          エネルギー政策論議に中国の影???――原発推進、再エネ叩きの罠(4月21日追記)

          これね、資料のチェックということ。余計な誤解を招かないために、もっと言えばバカが騒がないためにということ。こんなことのために意味ある資料が取り下げになったり、委員の信用性が不当に貶められることになったりすることこそ損失。 叩いてる方はだーれも資料の中身の話をしてなくて、せいぜい再エネ推進が気に食わんというレベルのことしか言ってなくて、中国企業との接点がどうだとか、誰とつながっているかとか、毎度のレッテル貼って信用を貶めてだし、原発の邪魔になる再エネを叩いて抑えたいというだけ

          エネルギー政策論議に中国の影???――原発推進、再エネ叩きの罠(4月21日追記)

          歴史のポリフォニーと和解

          この光景からふと考えた。知ることへの、相互理解への、和解への開け。そのための痕跡としての碑。ただ記録する、記憶するためのものではない。あるいはそれは「異物」だ。レヴィナスの「顔」と重ねてもいい。過去から迫る他者の顔。碑が撤去されてもその痕跡を消さない花束。これも「異物」「顔」だ。 田中美津の「取り乱し」と重ねてもいい。異物があり違和感があること、それをゴロゴロと自分の中で転がすところから立ち上がるもの。追悼碑はある種の者たちにとって目障りで邪魔なものだった。だから破壊した。

          歴史のポリフォニーと和解

          SNS・エコチェン時代の行政への「抗議」「要求」への対応について

          歴史認識に関わる問題での保守派の「抗議」が効果を持つパターン。行政が受け身に対応→「騒ぎ」になったことへの対処を攻撃されている側に求める→攻撃側の主張に沿った姿勢、論理に変える。これはヘイトスピーチや、ジェンダー関連や性教育への攻撃でも繰り返されてきた。 群馬の森の朝鮮人追悼碑の件でもそうだが、行政が積極的、肯定的に進めてきた施策でこそこういう屈服、転換が起こる。行政事務への支障の回避、責任追及の回避、そういう防衛心理に付け込まれるし、行政トップなどに思い入れがなかったり攻

          SNS・エコチェン時代の行政への「抗議」「要求」への対応について

          「裏金」反映後の政治資金収支報告書は特別監査すべき

          国会議員関係政治団体に義務付けられている政治資金監査では、支出の妥当性の判断は行わないし、領収証やそれに代わる書類がなくてもその旨が監査報告書に記載されるのみ。また、残高・繰越額の確認もないし、そもそも収入は監査対象外。かつ収支報告書の訂正について監査は推奨されるが義務ではない。 だから、裏金が不記載だった収支報告書を訂正したと言っても、その訂正が妥当なものであるか、本当に適正に使われたのか、雑所得に当たらないのかは、政治資金に係る制度上はチェックされない。税務署が目を付け

          「裏金」反映後の政治資金収支報告書は特別監査すべき

          「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズムを問う

          以下は私の修士論文「「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズムを問う」からの抜粋である。全文は各大見出しの下にPDFを置いた。 性の商品化と自己決定奴隷化と身体への自己決定 性の商品化とは、他者の性、そして身体をモノとして一時所有/使用する/しようとするものであると言うことができる。それは、加藤のいう意味での奴隷化する行為である。これに対して、モノとされているのは他者の身体であって、他者の存在そのものではない。その他者がその身体の使用に同意して

          「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズムを問う

          「表現の自由」主張とモノ化

          素朴な疑問。「表現規制反対派」の連中って「公共の福祉」と「公の秩序」(自民党改憲草案)の違いを理解しているのだろうか?そもそも、公共の福祉が権利間の調整原理だと理解できているのかも怪しいのだが。 「燃やす」「キャンセル」というレトリックを用いて、批判、意見を封殺しよう、議論・対話を阻害・拒絶しようという連中には、相手の権利を認めた上で調整を図るという発想はないのだろうがね。予め自分たちの権利が絶対かのように上に置くから、公共の福祉の出番はないのだろう。 そうだよな、相手の

          「表現の自由」主張とモノ化

          エコチェンに抗して、支持的な空間、議論・対話が成り立つ空間を広げ厚みを増していくこと

          ジェンダー関連のイシューではしばしばあることだが、意見を表明したり誰かへの支持を表明したりするとワッと攻撃される。業務にも支障が出る。それで、議員や研究者含む個人はなかなか表立って物を言えなくなる。裏で「同じ意見だ」「応援してる」等と言われても、「表で言って下さい」とは返せない。 こういうことはSNS以前、ネット普及以前からあったけど、今は晒されたのが広がる速さも攻撃の集中度合いも全然違うし、何より晒すのが本当に簡単。本人の発信など公開情報をポンと攻撃側の文脈に乗せるだけ。

          エコチェンに抗して、支持的な空間、議論・対話が成り立つ空間を広げ厚みを増していくこと

          「少子化対策」ではケア提供体制が崩壊する未来が現実化する

          筒井淳也『未婚と少子化』。少子化対策を巡る誤解と短絡を正す丁寧な議論。子育て支援、両立支援、若年雇用対策等々は本来の政策目的に集中すべきで、少子化対策の目的は外すべき。出生率等の少子化関連指標はこれらの成果を測る代理指標の一つになり得ても目標にはならない。 筒井氏は少子化対策という問題の立て方は否定せず、未婚化・晩婚化対策含む若年層の雇用・生活の安定を重視しているが、私は疑問。若年雇用・生活安定策もそれ自体の目的として重要だが、その〈結果として〉結婚の増加や早期化が〈伴う〉

          「少子化対策」ではケア提供体制が崩壊する未来が現実化する

          性表現をどの位置から、どの位置について論じるか――一緒くたに「表現の自由」の問題にする前に

          性表現において、 ①見ること-見られること、対象化すること-対象化されること、描写すること-描写されること ②(1)その表現の名宛人でない者が、その表現を見ること、その表現・制作の場面を見ること ②(2)その表現の名宛人でない者が、見られる対象に同一化させられること このどの位置から、どの位置について論じられているのかがしばしばごっちゃにされて「表現の自由」が語られる。 ①において権力関係の非対称性がなく、右項の者に対等性、主体性、自己決定性が確保されているか又は右項の者

          性表現をどの位置から、どの位置について論じるか――一緒くたに「表現の自由」の問題にする前に

          「表現の自由」対「性道徳」という構図で論じることの欺瞞

          刑法175条が守る「善良な性風俗」がフェミニスト否女性にとって「善良」である訳ではない。あくまで、男のため、男目線で「善良」であるのだし、それも本音と建前、二重基準があってのこと。一言で言えば、ジェンダー秩序の具体的な現れでしかない。 「わいせつ」も男性と女性とでは受け止めが違う。男性的には「破廉恥」「行き過ぎ」の意味が強い。一方、女性的には、自分の権利が侵害されている感覚、あるいは女性という存在が侮辱されている感覚がしばしば伴う。 刑法175条、わいせつ規制によって、反

          「表現の自由」対「性道徳」という構図で論じることの欺瞞