安藤優子『自民党の女性認識――「イエ中心主義」の政治思考』
本書前半の自民党の女性認識の形成過程の鍵が大平元総理=香山健一氏らブレーンの「日本型福祉社会」。「日本型福祉社会」は鈴木政権を挟んで中曽根政権にそのまま引き継がれ、新自由主義政策と対になり、3号被保険者などいわゆる主婦優遇政策が進んだ。妥協を余儀なくされ「小さく生まれた」均等法も、派遣法もこの時期だし、日本社会論、日本型〇〇、日本的〇〇の氾濫を思い出してもいい。
安藤氏が焦点を当てる「日本型福祉社会」は、私も何度も言及してきたが、未だ制度・政策にも議論や意識にも大きく影響し