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哲学的あるいは社会学的

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他のマガジンに収まりきらないものを含め、哲学的な、または社会学的な考察をまとめました。
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記事一覧

暇空らによるセーフティネット攻撃をケアの視点で考える

このセーフティネットの機能はまずはケアなんだよね。世話・援助ということだけでなく、それ以…

Masanobu Usami
1か月前
17

歴史のポリフォニーと和解

この光景からふと考えた。知ることへの、相互理解への、和解への開け。そのための痕跡としての…

Masanobu Usami
1か月前
4

「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズムを問う

以下は私の修士論文「「性の商品化」批判と法的介入の根拠について――性的主体構築のメカニズ…

Masanobu Usami
1か月前
6

「表現の自由」主張とモノ化

素朴な疑問。「表現規制反対派」の連中って「公共の福祉」と「公の秩序」(自民党改憲草案)の…

Masanobu Usami
1か月前
4

エコチェンに抗して、支持的な空間、議論・対話が成り立つ空間を広げ厚みを増していく…

ジェンダー関連のイシューではしばしばあることだが、意見を表明したり誰かへの支持を表明した…

Masanobu Usami
1か月前
13

性表現をどの位置から、どの位置について論じるか――一緒くたに「表現の自由」の問題…

性表現において、 ①見ること-見られること、対象化すること-対象化されること、描写するこ…

Masanobu Usami
1か月前
4

「表現の自由」対「性道徳」という構図で論じることの欺瞞

刑法175条が守る「善良な性風俗」がフェミニスト否女性にとって「善良」である訳ではない。あくまで、男のため、男目線で「善良」であるのだし、それも本音と建前、二重基準があってのこと。一言で言えば、ジェンダー秩序の具体的な現れでしかない。 「わいせつ」も男性と女性とでは受け止めが違う。男性的には「破廉恥」「行き過ぎ」の意味が強い。一方、女性的には、自分の権利が侵害されている感覚、あるいは女性という存在が侮辱されている感覚がしばしば伴う。 刑法175条、わいせつ規制によって、反

「性の商品化」とケア(試論的に)

岡野八代『ケアの倫理』を読んでいるところだが、AV・ポルノ、性風俗、売春など性の商品化で考…

Masanobu Usami
2か月前
3

能登半島地震:被災自治体の調整機能がボトルネックになっていないか?/ジェンダー/志…

被災自治体のキャパ、調整機能 能登半島地震への対応に関して、市町村合併、広域化、職員数…

Masanobu Usami
4か月前
3

森岡正博、蔵田伸雄編『人生の意味の哲学入門』

森岡正博、蔵田伸雄編『人生の意味の哲学入門』。「人生の意味」「意味」の意味がまず容易に特…

Masanobu Usami
4か月前
2

分配、ケア、欲望/欲望の主体、ミソジニー

大谷翔平選手の巨額契約から分配を考える 大谷翔平選手の巨額契約は史上最高額だがサッカー…

Masanobu Usami
4か月前
10

アイデンティティ構築と差別意識(追記あり)

アイデンティティは第一義的には区別、異化として否定の束、「~でない」の束として構築される…

Masanobu Usami
5か月前
20

言語表現の問題からポルノの問題へ――「規制」の前の批判的視点

以下、6年前、2017年11月に別アカで数日にわたって連投していたものであるけど、ここでかなり…

Masanobu Usami
7か月前
6

ケアと身体性

たまたま図書館で借り出せた順番なのだが、中真生『生殖する人間の哲学』、村上靖彦『ケアとは何か』と読み継いだ。 ケアの身体性、ケアの身体化された次元というものがあるしそれは本質的。ケアされる人の身体の動き、反応、感触にケアする人の身体も相即して反応し動く。 その身体の動き、反応の後に感情や言語化が伴うこともあれば、そのまま互いの身体の動き、反応の連鎖で進んでいくこともある。個々の場面だけでなく、家事、育児、介護といったプロセスのひとまとまりでも、まず身体に馴染んでいて滑らか