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人を巻き込む話し方と「共振現象」

ある日、小田さんが主催されている経営塾の受講者でもあり、映画「美味しいごはん」の上映会を主催してくださった男性から、

「経営において意外と見落とさせがちな食事の重要性」

というテーマで話して欲しいと依頼がありましたので、お話しさせていただくことに。

「内容はある程度、固めてはあるけど、当日、来てくださった方々を肌で感じてから最後、内容を決めていく」

と会場入りした小田さんですが、会場についてすぐ目についたのがこちらです。

う~ん、市長さんも来られるんですね。

来賓者席には、熊谷市長の席が用意されてたり、他にも「○○銀行」「××信用金庫」という名がついた席が、ずらーーーりと用意されていました。


普段されているセミナーやコンサルとは違い、ほとんどの方が小田さんのことを知らない状態の中での講演会。

総会では1年間の報告などもしていくようですので、普段の小田さんのセミナーとは空気感が全く違いました。


そこで「食」をテーマに話す予定です。


参加されている方々が、どこまで食に興味があるか分からない、未知数部分が、非常ーーーに多い現場です。

しかし、宣言通り、次々と到着する参加者の皆様の雰囲気・空気を感じながら、私の隣の席で話す内容をどんどん決めていく小田さん。

「昔はよく、色んな企業さんから“研修やって欲しい”って頼まれて、私のことを全く知らない状況の中で話してたから、なんか懐かしいね」

と一切の動揺をみせず、むしろ今の状況を楽しんでいるようにさえ私の目には映りました。

そんなこんなで総会がスタートしたのです。


来賓の皆様が次々と挨拶していきます。

数字が読み上げられて、今後の方針も語られていきます。

この感じ、、、

「学習塾の塾長として働いていた時の会議の空気に似てるなー」

とひとり過去を回想していましたが、
そうこうしているうちに、総会も終わり小田さんの講演がスタートしたのです!


講演会スタート!

「こんな大先輩方の前で、お話しさせていただく機会をいただくことになりましたが、、、」

という挨拶を終えたあと、

「今日は皆さまの経営能力が、一発で分かる“あること”をしたいと思っています。」

という言葉から講演会はスタート♪

「記憶をどう使うか?

本能的な深い記憶が“食”。
おふくろの味、思い出の一杯、食と記憶。
記憶に残っているごはん。

あれは美味しかったなぁー、もう一回食べたいなぁー、というのを思い出して下さい」

というキャッチーな問いかけから話がスタートしました。


小田さんのことを、ほぼ知らない人が多い中、

「人生で一回しか取れない貴重な時間となりますので、やりづらいと思いますが隣同士でペアを作ってくださいませんか?

Aさん、Bさんに分かれて、お互いに思い出のご飯を伝えて下さい。
そして、この短い時間の中でペアを組んだ相手にあなたが、おいしい”と思ったお店に

〝頼むからそのお店に連れて行ってくれ!〟

と言ってもらうのがゴールです。

何万社と見てきた中で、大企業の社長さんなどは、この短い時間の中でスゴイ話をします。

相手の心を掴みます。
ここに企業が繁栄する秘訣が隠されていますので、
はじめていきましょう!」

という、つかみの話から皆さん、小田さんの話に巻き込まれるように自分が美味しいと思ったお店の話を話し始めました。

(こちらのワーク、面白い結果が出ますので、あなたも会場にいるつもりになって、自分だったら相手にどう伝えていくのか、一度考えてからこの先を読み進めてみて下さい。)


『経営力が試される』 


という経営者にとっては、ドキッとする言葉を伝えられた後ですから、当然、経営者の皆さんも相手に伝える熱はこもってしまいますよね。

というわけで、会場はそりゃもうスゴイ盛り上がをみせたんですよ!


1人が話したらもう片方の人が話をする。

話し手と聞き手をチェンジして、語り合います。

経営者の皆さまは、最初は「何だ?」って感じでしたが語り出したら話が止まらず、身振り手振りで自分の体験談を伝えています。

出来る経営者とは?

「これまで色んな方にやりましたが、仕事がどれだけできるか分かります。 20代の時に、ある社長から私も試されました。その時、きみは全然仕事ができないなーって言われました。」

と小田さんも自分体験談をしたあとで、

経営塾に参加してくださっている女性の経営者に、ワークでペアになった男性に、何を伝えたかと話を振りながら講演会は進んでいきます。


(会場はザワザワ、ガヤガヤ、時折、笑い声も聞こえます)

そんな感じでどんどん盛り上がっていきますしたが、頃合いをみて小田さんから

「一通り、話はできましたかー?

食べたいって思ってもらにはゴールから考えること。
もしかしたら、勧めた料理が嫌いかもしれないから、この料理は好きですか?嫌いですか?

って聞くだけで、もし嫌いだったら変更することもできます。

過去同じワークをしましたが、採れたての卵かけご飯を進めた人がいましたが、相手は卵アレルギーだった…という人もいました。

できる営業マンは、和洋中どれが好きですか?
と初めから話を絞らず、相手の状況をわずかな数秒間で調べて話す。
ちなみにどなたか、そう聞かれた方はいますか?」

という小田さんからの問いに、誰も手が上がらず、、、


「1万人以上ワークをしてもらいましたが、10人も手が上がりませんでした。

きみは人の気持ちが全然分かってないな。
と、当時、私はその社長さんに言われました。」

小田さんのことを、ほとんど知らない方々の前での講演でしたが、はじまって30分で小田さんの話を全員が聞きいっていました。

ノートもすごいとってました。

中には、こんなにメモが必要になるとは思ってなかったらしく、総会の資料の空いてるところに必死にメモしてる人も結構いましたね。


話が凄すぎたのか、最前列にいた新しい会長さんが

「18:20まで話せますので、お願いします」

と持ち時間が伸びたくらいです♪

完全に空気が出来上がって、小田さんのペースで話が進んできます。

食は本能が出る、食はどういう人間関係を築くかが出る

「食は本能が出る。
食はどういう人間関係を築くかが出る。

どういう生産者さんが作ったのか?
と考える人は、人との付き合いも背景を感じて話すし、食にコストだけ考える人は人間関係も損得で付き合ってしまう。

仕事の価値観、スタンスがこの数分で全て出てしまいます。」

と伝えた後で、小田さんは埼玉にあるコンサルに入っていた会社さんを例に、食との向き合い方、食べ方について話していきました。

「家庭で冷めた食事を摂ってる人は、人間関係も冷めてしまします。

従業員がコンビニのご飯食べて、暗く、ブツブツ言いながら食べていた。
やめろーと言ったがやめなかった。
だから、その社長さんは社内で土鍋作るようになりました。

最初は従業員に“社長の土鍋ご飯なんか食べたくない”
と言われていましたが、前向きな話をしながら食べるのか普通になった。
衰退産業だった川口の会社さんが食べ方を変えただけで会社が本当に良くなりまいた。」


実際に小田さんがコンサルして、激変していった会社さんの事例ですので説得力があります。

経営者さんも、「うんうん」とうなずきながら聞いていました。



一つ星は地域にあっていきたいなって思う店。
二つ星は、、、三つ星はその店に行くためにわざわざ遠くから来るお店、、、

と、ミシュランの定義を伝えた上で、

「埼玉のその会社さんは三つ星のお店です。
ゆにわ(小田さんの仲間のお店)は、わざわざ遠くからゆにわのお店に来るだけでなくて、ゆにわのご飯が食べたいから引っ越して来ています。
それも1人や2人ではなく、100人以上です。」

とゆにわの話をしながら、

綾部での田植えや収穫前にイノシシに食べられ全滅してしまった体験から、
先人たちの苦労を感じたこと、一杯のご飯にすごい繋がりを感じたこと、命の繋がりを感じたことを伝えました。

(↑綾部ゆにわ)

「命との向き合い方、ありがたいなーと思ってご飯を食べる、前向きで楽しくて明るくなるように食べて欲しい。

共に食べた人も同じようになったら、会社と繁栄していく。
食事から繋がりを大事にする人は、人との繋がりも大事にします。

食で繋がりを感じながら、人との繋がりを大事にしてもらえたらと思います。」

という締めて大盛況のうちに小田さんのお話が終わりました!

なぜ、小田さんのことを全く知らない人ばかりの講演会で
こうも盛り上がったのか?
おこがましいですが、それを今から解説していきたいと思います。


空気を作るとは?

先日、小田さんの講座NEXT DIMENSIONの講座の中で自己紹介の仕方についての話がありました。

1.「えっ!」と未来のビジョンを描かせて、
2.「おぉ!」と闇だった自分の過去の出来事が光へと変わった体験談を語り
3.「へぇー」だから、今これをやってますと現在の活動を伝える

・・・これが鉄板の自己紹介の作り方だそうです。

これは自己紹介だけでなく、サイトの記事の書き方やセミナーや講演会でのスピーチの時なの、人に何かを伝えたい時に大活躍する黄金のテンプレートでもあります。

百戦錬磨の小田さんの場合は、意識しなくても経験値が半端ないので、普通に話すだけで自然とこの要素が組み込まれています。


今回の講演会での小田さんの話す順番も、この要素が入っていましたね。

1.「えっ!」と未来のビジョンを描かせる

「今日は皆さまの経営能力が一発で分かるあることをしたいと思っています。」

2.「おぉ!」と闇だった自分の過去の出来事が光へと変わった体験談を語る

「綾部での田植えや収穫前にイノシシに食べられ全滅してしまった話、
先人たちの苦労を感じた話から
一杯のご飯にすごい繋がりを感じた 」

3.「へぇー」だから、今これをやってますと現在の活動を伝える

「命との向き合い方、ありがたいなーと思ってご飯を食べる、前向きで楽しくて明るくなるように食べて欲しい。

共に食べた人も同じようになったら、会社と繁栄していく。
食事から繋がりを大事にする人は、人との繋がりも大事にします。」

こんな具合ですべての要素が、ガッチガチで当てはめてるわけではないですが、より人が惹きつけられるように話しているのが見てとれますね。

話し方・話す順番といった角度から見ても、小田さんのことを全く知らない人でも、どんどん話に引き込まれていった理由が分かると思います。
(もちろん、小田さんのスゴさはこれだけではありませんが^_^)

でも、まったく違った角度から説明ができるのです。


セミナーが盛り上がり一体感を感じるとき、人の脳波の波は一致してる

ある講座で小田さんは、参加者さんからこんな質問を受けました。

「小田さんって、シリウススピーカーをどう使ってるんですか?」

シリウススピーカーとは、ボンジョビやXジャパンなど、世界を舞台に活躍されているアーティストの大規模イベントをプロデュースしてきた世界最高峰の音響技術者が開発したスピーカーです。


その質問に小田さんは、こう答えました。

「個人的にも、家とか書斎のリビングでも使っていますが、私の場合は経営指導もしていますので、会社さんを訪問すると、

『あれっ、私が来る前に荒れてたな』とか
『ここで誰か怒ってたな』って分かるんです。
空間に感情が残ってる感じです。

だから、イメージとしては、コンサルする前に空間の掃除から始めます。
場合によっては空間の掃除をするだけで、1,2時間かかる場合もあります。

本来伝えたいことを伝える準備をするだけで、エネルギーを使う場合が多いのです。

でも、長年、経営指導している企業さんにはシリウススピーカーをつけてもらっています。かけるだけで会社の雰囲気があかるくなり、不思議なことに話が調和するようになるのです。

シリウススピーカーの、音の粒が小さいから心に染み込んでいく感じです。」


なぜ、シリウススピーカーをかけるだけで話が調和するのか?

これだけ聞くと、意味が分からないかもしれませんが脳波は波です。
波は「共振現象」を起こします。

パンクロックや工事現場のように激しい音の中にずーーといると、脳波も荒くなり、川のせせらぎや、波の音、小鳥のさえずりなど自然音に触れていると脳波は緩やかになりますが、

これは全部、「共振現象」によるものです。


メトロノームの共振実験をご存知でしょうか?

宙に浮いた台に、メトロノームを複数個置き、1つずつ揺らしていく。
すると、当たり前ですが1つ1つのメトロノームはこんな感じにバラバラに動くと思います。

しかし、ものの数分のうちに動きが一致してしまうのです。

これは宙に浮いている台に「振動」が伝わることで起こる「共振現象」によるものです。

人は振動(波)の影響を受けます。
音も振動(波)ですし、脳波も振動(波)です。

人は機械音がいたるところで鳴り響いている環境で生活していますので、知らず知らずのうちに、周りの音によって脳波が荒くなっているのです。
荒くなった脳波では、エネルギーの高い情報は受け取れません。

抽象度の高い話を受け取るには、会場全体の脳波が緩やかになる必要があるのです。

声も振動です。

小田さんはよく「言葉は乗り物」と言います。

「セミナー中、声(言葉)によって参加者のみなさんの心の波を合わせること、参加者さんの心が静まると、会場自体の空気感が変わり、話しやすくなる、スーと受け取ってもらえる」
と、よくおっしゃっています。

今回の講演会では、さすがにシリウススピーカーは持っていきませんでしたが、『経営力が試される』 などの言葉を使い、経営者の皆様の興味がありそうな話題から入ったり、

ペアになって語り合ってもらったり、参加者さんに感想を聞いたり

1.「えっ!」
2.「おぉ!」
3.「へぇー」

という要素を入れながら声によって、会場全体の脳波を合わせていった。
こうして、この日は会場の空気がどんどんでき上っていったのです。

この後、懇親会にも参加させていただきました。
座席が決まっていて、目の前の席がちょうど空いていたことから、入れ代わり立ち代わり小田さんと話がしたいと人が殺到していました。


ものを伝える名人は空気作りの名人

ものを伝えるのが上手な人は、話をするための「空気作り」が上手です。
空気作りという言葉では、ピンと来なければ脳波を合わせると表現してもいいです。

しかし、空気作りは講師1人がやるものではありません。
受け取る側がどんな状態でセミナーを受けるのか?

もし最初から空気が出来上がっていたなら?
(皆の脳波が一致していたら?)
セミナー講師は、空気を作るのにエネルギーを使う必要はなくなります。

その分、もっと深い話にエネルギーを注ぐことができるのではないでしょうか?


日本にはお茶の世界に「一座建立」という言葉もあるくらいです。

「たった一回のお茶会であっても、
そのためにできる限りの準備をして、参加する側も客という立場ではなく、
お互い尊重しあい、その時間を最高のものにしようと尊重しあう」 

それが「一座建立」です。


今回は、小田さんのことを全く知らないという状態だからこそ、小田さんがどう空気を作っているのか?
それを、非常ーーーに、分かりやすく感じることができました。

私も人前で話をさせていただく機会もあります。
また、セミナーを受けさせていただく機会もありますが、

「言葉は乗り物」です。

自分の状態が場に影響を与え、場も自分に影響を与える。

あなたは場に、どんな影響を与えていると思いますか?
また、どんな影響を与えたいと思いますか?
そのために、どんな自分でありたいと思いましたか?

このページが考えるヒントになれば幸いです。
では、また気づいたことなどありましたら、書いていきたいと思います。

ありがとうございました。


ちなみに、今年も田植えします!

草ボーボーだったところが、、、

こんな感じになって、、、

そして、とうとう苗を植えましたーー!

今年はイノシシ対策に電柵をつけました。

イノシシさんが入ろうとしたら、

ビリビリビリーーー!

と電気が流れる仕組みになってます。

田植えに進展がありましたら、こちらに追記していきますね。

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