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美しいだけではなかったクレオパトラ

「クレオパトラの鼻がもう1センチ低かったら歴史は変わっただろう」哲学者パスカルの言葉。

絶世の美女と言われてきたクレオパトラ。

確かに美しい人だったようですが、それは単に外見だけのことではなかったようです。

3000年続いた古代エジプト最後の王朝になるプトレマイオス王朝。

そのプトレマイオス王朝最後の女王がクレオパトラ。

父親が亡くなると、遺言で弟と共同統治者という形で王位につきます。

実はクレオパトラには姉が二人いましたが、姉たちはエジプト人の母親から生まれた女性。

クレオパトラは三女でしたが、ギリシア人の母親から生まれた王女。

プトレマイオス王朝では、歴代王は全て純粋なギリシア人で、クレオパトラはエジプト人ではなくギリシア人。

ギリシアの血筋を重要視したため、クレオパトラが第一王女と見なされることに。

これに不満を持った姉たちや家臣たちにそそのかされ、共同統治者の弟はクレオパトラを迫害。

彼女は現在のシリアに逃れます。

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同じ頃 ローマ帝国はエジプトを属国にしようと計画。

プトレマイオス王朝に起きた内紛はローマには絶好のチャンス。

ローマの武将カエサルがエジプトを狙ってやって来ます。

このピンチを最大のチャンスにしたのがクレオパトラ。

なんとかカエサルと会いたかった彼女は奇策にでます。

カエサルのもとに贈り物として届けられた絨毯。

その絨毯の中から転がり出るクレオパトラ。

度肝を抜かれたカエサル。一瞬でその美しさと頭の良さの虜に。

直ぐに意気投合する二人。クレオパトラはローマの援軍を受け、弟から王位を奪還。

カエサルとクレオパトラが出会ったとき、カエサルは50代半ば、クレオパトラは二十歳前後。

クレオパトラはただ単に美人というだけでなく、ずっと年上の武将をも魅了する才覚の持ち主。

ユーモアのセンスは抜群。

語学にも長けていて、当時の地中海周辺全ての国の言語を理解。

二人はローマとエジプトで地中海支配を目指すことに。

二人の間には息子カエサリオンも誕生。

しかし、まもなく悲劇が訪れることに。

ローマで最高権力者になったカエサルはクレオパトラと息子カエサリオンをローマに招きます。

クレオパトラは、もう少しで夢がかなうと思ったことでしょう。

でも、カエサルは独裁者になるおそれがあると、元老院では危機感が高まります。

遂にカエサルはブルータスらに暗殺されてしまいます。

「ブルータス、お前もか」という言葉を残したのは有名ですね。

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クレオパトラは直ぐにエジプトに戻り 国の建て直しを試みます。

そして、新たなローマの実力者アントニウスに接近。

強大なローマからエジプトを守るためには、ローマ人の味方が必要とクレオパトラは理解してたのでしょう。

クレオパトラとアントニウスの連合軍はオクタビアヌスの軍と戦うも、結局敗戦。アントニウスは自殺。

捕虜になって生きるのを良しとしなかったクレオパトラ。

女王としての誇りを保ち、自らを毒蛇に噛ませ命を絶ちました。

その後、カエサルとの息子カエサリオンも殺されてしまいます。

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外見だけでなく内面からの美しさでも輝いていた、誇り高き女王クレオパトラ。

彼女の死でプトレマイオス王朝は幕を閉じることに。

そして、それは3000年続いた古代エジプト王朝の終わりを告げるものでした。







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