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アメリカの切手に、金額が書かれていない理由(Forever Stampsとは?)

コロナの影響で、海外旅行に行くことができなくなってしまったかわりに、海外の友人からエアメールをもらう機会が増えた。

金額のない切手

先日もニューヨークに住む友人からエアメールが届いて読んでいたのだけど、奥さんが突然その封筒を見ながら「この切手、金額書かれていないねんけど、なんでやろう」と言い出した。

確かに、封筒に貼られた切手のどれにも金額が書かれておらず

「Forever USA」

というなぞのフレーズだけ、記されていた。

横に数字があったけど、どうやらこれは切手の絵柄に関する西暦で関係なさそうである。これまで何回もエアメールをもらっていたけど、中身の文章に集中していて、切手に気付かなかった。

価値が変わる切手

気になったので調べてみると、これはアメリカの郵便局の「Forever Stamps」と言うものらしい。

ハガキや1オンスの重さの荷物まで送れる切手で、今の金額は55セント。

「今の」と書いたのがポイントである。この切手のおもしろいところは、将来郵便料金が値上げされても、そのままこの切手が使えること。60セントになっても5セント買い足す必要はない。今55セントの価値の切手は、その時60セントの価値があるとみなされるのだ。

値上げ後に1オンスを超える荷物を送るときでも、60セント分の切手として、何枚か貼って送ったりすることもできるようだ。

つまりは、その時の「ハガキや1オンスの重さの荷物まで送れる価格の切手」として扱われるのだ。

郵便局のメリット

この切手、利用者の利便性だけではなく、郵便局側にもメリットがあるようである。と言うのも、値上げを見越してたくさん購入してくれることで、オフィスや家庭に使用していない切手がこれまで以上に保管されることになる。

これら一定数の切手がずっとオフィスなどに保管されていれば、その切手分は、実際には郵便の手間が生じていない売上であり、その分郵便局の利益となるのだ。記念切手をたくさん買ってもらうのと似ている。

そして、アメリカらしく、値上げを見越して、投資として購入する人もいるようである。これまで値下げされたことはほとんどないし、数セントであっても、ダイレクトメールを大量に送ることなんかを考えると、結構な価格になるからだ。

ぜひ日本でも

しかし、郵便局のメリット以上に、利用者にとって本当に便利だと思う。実際、ぼくも昔の50円切手をたくさん持っているけど、今ハガキを送ろうと思うと、13円分の切手を買ってきて足さないといけないので、結構な手間である。

何かのキャンペーンへの応募なんかだと、面倒くさいので、もう送るのをやめておこうと思うこともある。

そして、こう言う一つ一つの対応が面倒くさくて、だんだん日本人はハガキや手紙を送らなくなっているのではないかと思う。

だから、新しい1円切手もいいけど、日本版フォーエバースタンプ、日本郵政でもぜひ検討してもらいたいものである。

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