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先生は命がけ。生きるも死ぬも、校長次第?

勤務する中学校で生徒から暴力を受け、大怪我をした男性教諭が「安全配慮義務に違反」として四條畷市(しじょうなわてし)・大阪府に損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁が教諭の訴えを退けた。

ABCニュース
産経新聞
読売新聞

によれば、事件発生から裁判までの流れは以下の通り。

2013年12月
大阪府四條畷市の市立中学に勤務する男性教諭が、教室の扉を蹴った中学1年の男子生徒を注意したところ、顔を殴られるなどして鼻の骨を折る重傷を負った

この際、学校側は警察への通報や救急車の要請をせず、直後に教諭が公務災害を申請するよう求めても申請しなかった

教諭は暴行当日から休職し手術を受けたが、手に後遺症が残った


2014年3月 公務員の労災にあたる公務災害申請

2014年4月 公務災害の認定

2015年10月 復職。現在は別の中学校に勤務

2019年2月「安全配慮義務に違反」として四條畷市・大阪府に損害賠償を求めて提訴。訴状によれば


教室の扉を蹴った1年生の男子生徒を注意したところ、顔を殴られた。さらに両手首を強く締め付けられ、膝蹴りを受けた。鼻の骨を折るなどの重傷を負ったが、学校側は警察や消防に通報しなかった。

学校側は「保険で治療しないか」「目撃者がいないので書類が書けない」などと拒否し、約3カ月後まで公務災害の手続きしなかった。

問題行動がある生徒に対し、職員会議で「校内で処理しろ、警察を呼ぶな」と指示されていた。

生徒はそれまでに何度も暴行や器物損壊を繰り返していたにもかかわらず、出席停止などの措置をとらなかった。


この提訴に関する報道後、大阪府四條畷市に寄せられた意見。
四條畷市HPより)


意見・提言(2019年3月1日)


暴力をふるった生徒を制止した際に、この生徒から暴力を受けてけがをした四條畷市の中学教師が訴訟を起こしたとの報道を見ました。

詳細はわかりませんが、とにかく生徒が教師に暴力をふるった場合には、謹慎処分や退学など厳しく対処すべき。

学校側の対応が甘かったのではないでしょうか。

市長の適切な対処を期待します。

他の生徒への見せしめのためにも、この暴力をふるった生徒には、過去にさかのぼってでも制裁措置をとるべきです。


回答内容(2019年3月19日)


ご意見いただきました学校に関する事項については、教育委員会の専決事項でありますので、教育委員会から、お答えさせていただきます。

四條畷市長 東 修平

 


現状は、提訴されたとのことですが、訴状が届いておりませんので、詳細なご回答は控えさせていただきます。

本事案の対応のなか、当該教員には、不安を与えたかもしれませんが、当時、学校及び市教育委員会としましては、最善策を探りながら対応したものと認識しております。

今後は、訴状の内容を確認したうえで、適正な対応にあたってまいりますので、ご理解していただきますようお願いいたします。

四條畷市教育委員会 教育長 森田 政巳



2021年11月24日 大阪地裁の判断


判決
「学校側の対応に違法性はない」として教諭側の請求を棄却。

理由

学校側は生徒の対処について、警察を交えた会議の開催を予定しており、必要な対策を講じていたと認定。市教委の指導に不足があったとは言えない。

生徒は一部の教師に反発を強めていたが、直接的な暴力事件には発展しておらず、男性との関係が取り立てて悪かったという事情もなく、生徒が男性に暴力行為に及ぶことを予想することは不可能。
生徒の暴力行為は男性の指導をきっかけとして突発的に発生したもので、対策をしていても未然に防ぐことはできない。


原告側は控訴する方針らしいが、この裁判、勝っても負けてもこの男性教諭には地獄しか待っていないような気がする。にもかかわらずなぜ提訴に踏み切ったのか?この男性教諭は、提訴後に大阪市内で開いた記者会見でこう訴えている。

「生徒からの暴力に苦しむ先生は他にもいる。誰かが声を上げなければいけない」

事件発生から5年近くたってからの提訴に、「他意があるのでは?」という外野の声もあるが、この男性教諭は立派だと思う。一審では負けたが、せめて裁判官がひとこと、


「学校内だから、未成年者だからといってためらうことなく、警察に通報していれば・・・」


と判決文に付け足していれば原告も少しは救われたと思うのだが、裁判所は教育現場の方針にまで踏み込むことが許されないのだろう。



それにしても、どうして学校はここまで警察の介入を嫌うのか。令和の時代に日教組の影響でもあるまい・・・と思っていたら、こちらのサイトで「生徒による教師への暴力」に関して、興味深い記事を見つけた。


  事件のあらまし

福岡の私立高校で、生徒が新任教師に暴行した。当初は被害にあった教師の意向もあり警察に被害届を出さない方針であったが、医師により全治1日という診断が下され、校内での再検討及び警察との話し合いの結果、被害届を提出し、加害者生徒は傷害容疑で逮捕された。た。

  ある教師の意見

教師の力量が足りない。生徒との人間関係がつくれていない教師が悪い。自分だったら暴力沙汰にはならない。



 「NHKのクローズアップ現代+」で紹介された元校長の意見

私の基本的な考え方は、もちろん先生方のケガの内容だとかケースによっていろいろ違う部分はあると思うんですけれど、やはり、学校で起こったことは、学校が解決する責任を負っていると思っております。我々は、警察の力を借りるということは、きれい事かもしれませんけれど、やはり学校の負けであり、教師の負けであるというふうに感じます。


なるほど。
「生徒のために、できることなら穏便に済ませたい」
と我慢する新米教師がいて、

「いじめられる側に問題がある。自分だったらいじめられない」
と考えるベテラン教師がいて、

「自分たちで起こした問題は自分たちで解決する」
と考える校長経験者が存在するわけか。

元校長の話は「警察沙汰にする/しない」を決めるのは被害者の意向 + 学校側(上司・校長)の判断という風に聞こえるけど・・・暴行や傷害罪っていつから親告罪になったんだろう。

「生徒が街中で他人を傷つければ警察に任せるが、同じ行為であっても学校内なら自分たちが、自分たちのルールで裁く」

が許されると思っているのだろうか。世間ではそれを私刑(リンチ)と呼びます。たとえそれが法定刑罰より軽いものであっても、リンチはリンチです。

だからブラック校則がなくならない?

それに「学校の負け」「教師の負け」とか言っているが、警察沙汰になるような事象が起きた時点であなたの「負け」だと思うのは筆者だけ?


それにしても四條畷の男性教諭。どうしてその場で警察に通報しなかったのだろう。上司や校長に報告するのは当たり前として、

「警察には通報しない。救急車も要請しない。学校内で解決する」

と言われたしても、上司や校長だって「通報したら懲戒処分」とは出来ないはず。にもかかわらず通報しなかった・出来なかったということは・・・・おや?
  ・・・どこからか   
      ・・風に乗って 
   ・・・ヒソヒソ・・・
          ・・・話が・・・・

・・指示に・・・逆らっ・・・て・・無断で警・・察に通報・・・したら・・・・なんらかの・・・・処分が・・・ある・・・ん・・・だよ・・・ねえ・・・知って・・・る?・・職務命・・・令違反・・・という・・・・何にでも・・・・・使える・・・魔法の・・・六文字・・が・・学校には・・・言い換え・・・れば・・・・暗黙の・・・脅迫(笑)・・・・教委や・・校長に・・逆らったら・・・教師として・・・将来は・・終わ・・・ ・・・・なるほ・・・ど・・だか・・ら・・・四條畷・・・の・・・・・暴行事・・・件で大怪我・・・をした・・・・・男性教・・師が警察に・・・・通報しなかっ・・・た・・・・警察・・沙汰・・・イジメ・・・校長の評・・・・価・・・下がると・・・・・



ふう。噂話は聞いていて疲れる。ちょっと休憩。

      ~ブラックジョークの時間~    

  その1

「教頭!理科室で不良グループが暴れています。すぐに110番通報を」
「待て、まずは校長の許可を」
「もたもたしていたら備品が全部壊されて・・・
「校長の許可なく110番通報して、保護者やマスコミに知れて大事になったらどうするんだね。君の責任ではなく、校長の責任になって・・・
「校長のケータイ、つながりません!110番通報します!」
「待て。だったら教委に連絡を。ボーナスカットになってもいいのか?」
「すぐに教委にTELします!理科室守ってボーナス減なんてお断りです!」


  その2

「校長!体育の授業中に女子生徒が倒れました!いますぐAEDを・・・
「待て。君ではなく、誰か女の先生を・・・
「今日はお休みで、男性教員しかおりません!」
「ならばまず、保護者に連絡して女子生徒の体操服を脱がせる許可を・・・おい、電話音声の録音を忘れるな」
「そんなことをしている時間は・・・
「後から保護者に痴漢行為で訴えられたらどうするつもりだ。医者でもないのに、間違いなくAEDが必要だと言い切れるのか?」
「そ、そうですね。AEDは必要ないかもしれませんね。単なる睡眠不足や疲労、脱水症状かもしれませんし、我々は救急隊ではありませんから・・・
「一応救急車呼んでおくから、とりあえず君は保護者に連絡を・・・


  その3


「校長先生。実は相談が・・・
「?」
「うちのクラスでイジメに合っている生徒がいるみたいなんですが・・・
「そ、それは大変だ。で、証拠はあるのかね?」
「いや、本人がそう言っているだけで、証拠はどこにも・・・
「あ、そう。だったら証拠が揃ったら正式な報告をお願いします。そんなあやふやな情報を教委に報告する訳にはいきませんし、憶測だけで動いて加害者の人権を侵害でもしたらそれこそ一大事。我々は警察ではなく、教育者です。犯人探しも大切ですが、まずは生徒のことを第一に考えるように。加害者だからといって人権を無視してはいけません。いいですか、確実な証拠をつかんでから、報告をお願いします。現時点において、わが校にはイジメは存在しません。私はイジメのことなんか一切聞いていませんから・・・




愛知県弥富市でおきた傷害致死事件。

元校長先生。学校で起こったことは、(ケガの内容とかケースによって)学校が解決する責任を負うんですよね。警察の力を借りるということは、学校の負けなんですよね。

今回の事件は心肺停止の重体でしたが・・・

もしこの被害者が生徒ではなく、教師だったら。刺された場所が致命傷となる腹部ではなく、脚や腕だったら。

想像するだけで恐ろしい。

校長判断で「救急車を呼ばずに自分たちで病院に連れていく」のですか?
校長判断で「警察に通報しない。事件化しない」のですか?

思い出してほしい。前述の四条畷のケースでは

「顔を殴られた。さらに両手首を強く締め付けられ、膝蹴りを受けた。鼻の骨を折るなどの重傷を負った」

といった後遺症が残る程の暴行傷害・重症被害にもかかわらず、110番・119番通報しなかった事についてなんら問題視されていない。被告が「学校側は警察や消防に通報しなかった」と主張しているのに、大阪地裁は「学校側の対応に違法性はない」とお墨付きを与えている。

さらに恐ろしい話だが、今回の弥富市の事件が傷害致死ではなく、傷害未遂であったら・・・事件そのものが報道されなかったかもしれない。いや、日本各地ですでに同様の未遂事件が多発していて、「学校が解決する」という判断のもとに生徒・教員にかん口令が敷かれていて、世間一般が知らないだけなのかもしれない。

・学校で起こったことは、学校が解決する責任を負っている
・警察の力を借りるということは学校の負けであり、教師の負けである

この2つに少しでも共感を覚える教師がいる限り、学校でのいじめ問題教師への暴力問題はなくならないような気がする。バカげている?教育者を馬鹿にするな?ならば訂正します。


・犯罪で捕まった場合、犯罪者(又は被害者)の身内が調べ、身内が有罪/無罪を決める
・第三者(法律)の力を借りることは負け。よって私刑(リンチ)で


これでもまだ、賛同できますか?


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