なぜ自由民主党は日本で長期政権を実現できたのか?

端的に言えば、野党(日本社会党~民主党~立憲民主党)の外交・安全保障政策が糞すぎるからでしょう。

よく、「外交・安保は票にならない」と言われますが、それはプラスにならないというだけの話であって、マイナスには十分なりえると思うのです。

日本社会党は、信じられないことに、1990年半ばまで「非武装中立」を党是としていたのです。そんな政党に政権を委ねるのは、国民から見れば恐怖でしかありません。

民主党の鳩山政権が物凄く高い期待を集めながら、あっという間に支持率を降下させて退陣に追い込まれた理由も、外交・安全保障政策が国民に不安を与えたからでした。なんと彼は、同盟国であるアメリカと、仮想敵国である中国を天秤にかけて「等距離外交」をしようとしました。もちろんアメリカ依存、アメリカ一辺倒が危険であることは言うまでもないですが、だからといって、日本に対する挑発を繰り返している国を、日本唯一の同盟国と同列に置くとか、ありえないっしょ。また彼は「日本列島は日本人だけのものじゃない」とも発言していました。

菅直人政権の支持率が急落したのも安全保障問題でした。中国の漁船を装った船が日本の海上保安庁の船に意図的に衝突してきたのです。その時の政見の対応の不味さから、支持率は急降下しました。

現在の立憲民主党の支持率が一向に上向かないのも、ここがボトルネックになっているからというのが大きいと思います。なんせ「自衛隊は違憲」と言っている共産党と一緒になって自民党を叩いているわけですから。

また憲法改正議論に後ろ向きな態度を取り続けていることも、一部の頑迷なノイジーマイノリティ(=護憲派)以外にとってはマイナスだと思います。賛否はともかく議論すらしないという態度は「民主」という政党名に反しているように映ってしまいます。

また、彼らの政党名のもう1つの看板である「立憲」についても、憲法における自衛隊の位置づけを明確にしない態度とは相反しているように思えます。

安全保障や憲法改正議論に対する国民の関心は必ずしも高いというわけではないですが、経済や福祉といった表面的な国民の関心事とは別に、立憲民主党のこうした態度は国民の潜在的な不安・恐怖を誘発しているように見えます。それが、プラスにはならないがマイナスにはなるということなのだと思います。

自民党が長期政権を実現できたのは、こうした「敵失」によるものが非常に大きいと思います。

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