創造性を育む「家」とは

今日は昨日の記事(創造性を育む「ゆるい空間」とは)の続きです。

前回は、物が自由に動かせて、動かすことに不安がなくて、そこに関わる人も文句を言わないような「ゆるい空間」にこそ創造性が宿ります。創造性を育むのは、個人のスキルトレーニングではなく「空間」なのだ!という話でした。今日は「模様替えをよくする家に子どもが住むと、創造性が高まりやすい」という話をします。

内容は以下の通りです。

1. 模様替えの多い家は創造性が高い
2. 子育て家庭はクリエイティブ
3. 「空間は変えられる」という希望

模様替えの多い家は創造性が高い

それで考えたのは、家のレイアウトと創造性の関係です。例えば、必要なものをしっかりつめこんで家具のレイアウトを「これが一番!」という状態でかたまっちゃった「固い家」には余白がないので、模様替えを楽しむ習慣が育まれにくいです(うちがまさにそう)。

それに対して、面積的にも余裕があり、レイアウトを変えられる余白がある「ゆるい家」は、模様替えの頻度が高くなります。模様替えは、物が自由に動かせて、ダメなら戻せばよくて、一緒に住む人とともに楽しめるものです。そう考えると、模様替えの頻度が高い人は、創造性が高いのではないか?またそうした家に住むことは創造性を育みやすいのではないか?と、思えてきます。

模様替えをすることは、未知の状況に対する「予測と確認」をすることです。模様替えは、現状の生活に対するオペレーション面や美的な面での課題を感じることから始まります。模様替えの計画を立て、「こういうレイアウトにしたらどうなるかな」と「予測」をします。そして実行します。その後「このレイアウトにしたらこんな風に暮らしが良くなった/やりにくくなった」といった「確認」をします。このような生活を改善することへのコストをむしろ楽しむ人は創造性が高いと言えます。

子育て家庭はクリエイティブ

最近ぼくは、赤ちゃんを育てている家庭のリサーチをちょこちょこしています。お宅に訪問して、間取りを見せてもらい、暮らし方についてインタビューをしています。そのなかで「空間のゆるさ」が高く、子どもの発達段階に応じて柔軟にレイアウトを変えていく家庭があります。こうした家庭は夫か妻の独断ではなく、ディスカッションを経て模様替えをしています。

現状の生活の課題を共有し、計画を共有し、実行において協力し合い、生活をしてみてフィードバックをする。PDCA(Plan Do Check Action)を楽しくまわしてて、創造性たけえ!と思います。具体的なエピソードはまたどこかでご紹介できたらと思うのですが、いやぁ、その模様替えにいたる物語が面白いんですよ、どこの家も。

「空間は変えられる」という希望

そんな家の模様替えについてのPDCAに子どもも参加するようになればどうでしょう。子ども達の中には、空間に対する「変えられない」という絶望ではなく、「空間って変えられるものだ」という希望が育ちます。希望やチャレンジへの勇気になり、チャレンジは自信になります。

そうして創造性への自信を育てた子どもは家の隅っこや公園で「ひみつきち」をつくって空間を変えていく力を持つでしょうし、それはさまざまな力に変わっていきそうです。

そんなわけで、明日は「子育て家庭がリノベーション住宅を買うこと」について考えます。住みたい、リノベ物件。

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3月16日 #noteを書きたくなるワークショップ 開催です!
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アート/ワークショップコラム

臼井隆志のコラムをまとめています。アート、ワークショップ、ファシリテーションについて書いています。
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コメント3件

はじめまして。こどものからだラボという乳幼児からのフィジカルサポートをしております。とても興味深い記事なので、過去記事読み始めております。我が家には7歳の娘が居ますが、乳児期から引っ越しが3回と海外の⇔を多く経験させています。きっと、模様替えだけではなく、引っ越しも模様替えの一つかな?と。空間が変えられる、という認識を運動神経のシナプスと連動させて考えると、納得です。
引き続き、過去記事拝読させて頂きます。
コメントありがとうございます!そして過去記事も読んでいただき、嬉しいです。たしかに神経科学との関連はありそうですね。自分の周囲の空間の高さ・広さを認知するだけでなく、素材性や操作可能性も含めて瞬時に判断している建築家の頭のなかを覗いてみたいです。
運動をみると空間認知力がわかりますが、素材感も身体感覚じゃないかな?と。持っている身体感覚以上の物は実現できない、という体験を多くしてきました。
いつも感じていることに、繋がっていく文章が沢山あり、ワクワクして読んでおります^_^
ありがとうございます。
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