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カエル料理

「カエル」料理と聞いて「えっ!」と思った方はいらっしゃるかもしれない。何を隠そう私も中国に来て、食べるまではその感覚を持っていた一人であることをここで強調しておきたい―残念ながら今はその感覚が失われつつあるのだが。


カエル料理との出会いは、中国に来てからだと信じている(子供の頃の記憶は良く分からない。本当にまずいものを食べたことがあり、その肉が何肉か記憶していないので)。

1.カエル料理との出会い

その記憶を手繰りよせていくと南昌で食べたカエル料理が原点だったように思う。その前に食べたかもしれないがあまり印象に残っていないので南昌からカエル料理との出会いが始まった。


その印象が強烈だった。お店の前にはマク〇ナルドばりの巨大なカエルのモニュメントにお出迎えをうける。お箸からウエットティッシュに至るまでカエルのカエルづくしだった。料理についていえば、今回食べたカエル料理よりもカエル肉が増量で他のものはあまり入っていなかった。南昌らしく辛めに味付けされているので、ご飯のお供としては最高である。クーラーがかかった夏にこの辛いものを食べて、美味しいビールで1杯というのが理想だろう。


2.カエル料理とは

カエル料理を食べたことがない人に説明すると、カエル肉の特徴は「引き締まった肉」である。生前はピョンピョン跳ね回っていたおかげか、余計な肉はついていない。その分、骨格がしっかりしているので骨が多い印象である。味でいえば淡白でそこまで強烈な個性を醸し出すほどではない。そのため、タレでしっかりと味付けし、唐辛子でスパイシーさを出し、パクチーでエスニックさを出すとたまらない料理になる(ハマる人にとっては)。


ただし、注意点は先ほども書いたが「骨が多い」ことである。そのため、骨をしょっちゅう口の中から取り出したり、吐いたりしなければならないので、そういった行為または光景を受け入れられない方にはお勧めできない。また、カエルを想像して…という方もいらっしゃる。これはどうしようもない。私も生物の実験の一つでカエルに電気信号を送るという実験をする際は、どうしてもカエルに触ることができなかった。申し訳ない気がしたのだ。「なぜカエルだけに」と思う方もいらっしゃるかもしれない。これについては、最近読んだ本にそれに近いことが書いてあった。自分が吐いたツバを飲み込めるかと言われれば難しい。それほど自分と他人を分けているのだ。私はその反対に自分の感覚がぬめっと―この表現が結構気に入っているのだが―広がっているようなイメージがある。そのため、触るとその気持ちを代わりに受けているような気持ちになる。それを防ぐためには、自分とそれを切り離す必要があるように思う。


3.カエル肉からの考察

こう考えてみると、犬肉などを食べているところもあるが、それに対して「反対」の気持ちを持っている人なども同じような気持ちなのだろうか、とふと思った。


宗教上の理由は全く異なる。しかし、私たちはその禁忌が分からず容易に破ってしまうことがある。「食べられるだろう」はその人にとっては「ない」選択肢である。「食べられる」「食べられない」だけで考えていたならばたどりつけない答えであろう。そういった例外、その他の答えまで用意しておかなければならないと思った。


こうしたことを書くのは、こうした文章を書くと少なからずいろんな意見が出るからである。ただ、それは「自分の中で」決められた規則に従って考えているということが前提としてある。だからこそ、難しく、その人にとってはそれが「当たり前」になってしまっている。一歩引いて考えることができるのか、それともその枠組みの中に入ってしまっているのか、それは分からない。私もまた、ある範囲の中で生きているとしか言いようがない。その範囲を出るのが好きであり、そうした出会いは最高に楽しい。


4.今回のお店

3のような話をしているとどれだけあっても書き足りない(書きたいことがたくさんある)ので、今回のお店について紹介したい。


今回はカニ・カエルで有名なお店(この組み合わせからして何かおかしいと思うのか、中国では上海ガニを代表する湖で飼っているカニが一般的だから、両方とも湖で飼育されたものかなと思うのかでは大きく異なる)に行った。友人の紹介によると、ここの有名な料理は「葱油餅」だとのこと(これは理解不能)。「葱油餅」は小麦粉で練ったパン生地を薄く伸ばし、焼く際にネギ油を入れて(ネギも入れる)焼き上げたパリパリしたものである。これを鍋に入れておいしくいただく。

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その他、もみじ(鶏の足)、エビ、豚肉が入っていた。それを濃厚なタレで炒めて煮たものである。この量でだいたい3~4人前である。料金はデパートの中のお店ということもあり、「葱油餅」含め値段は少々お高めの200元(約3000円)(カエル鍋単体だと120元(約1800円))だった。これを4人で食べたので一人750円、日本円だと安い気もする。中国天津の給料を見てみると、平均的な給料は1か月5000元(7万5000円)ぐらいなので、


750÷75000=0.01


これをお給料28万円ぐらいで考えたとすると。


280000×0.01=2800円


約2800円/人になる。こう考えるとお酒も飲んでいないのでちょっと高いと(計算しながら)思った。もちろん日中の給料によって金額は異なるのでその場合は、お給料に0.01をかけて調整してみてください。


5.さいごに

そうなってくると、私の考えるべき道は二つ

①より安いものを食べるか

②お給料を上げていくか


きっとそれ以外に答えはあると思うが、今すぐにはこの「枠」から出られないでいる。

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