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オンライン授業のメリット・デメリットと子どもの発達の関係を改めて考える〜100チャレ24

昨年2月末〜3月の全国的な一斉休校から急激に注目され、整備が進んでいるGIGAスクール構想。

GIGAスクール構想とは?

2019年12月に文部科学省から発表されたプロジェクトで、GIGAは"Global and Innovation Gateway for All"の略。
児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれました。

Society 5.0 時代に生きる子供たちにとって、PC 端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。今や、仕事でも家庭でも、社会のあらゆる場所で ICT の活用が日常のものとなっています。
社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではいられません。
1人1台端末環境は、もはや令和の時代における学校の「スタンダード」であり、特別なことではありません。これまでの我が国の 150 年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端の ICT 教育を取り入れ、これまでの実践と ICT とのベストミックスを図っていくことにより、これからの学校教育は劇的に変わります。
この新たな教育の技術革新は、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるものです。

抜粋:
文部科学大臣からのメッセージ(GIGAスクール構想の実現について)
令和元年(2019 年)12 月 19 日
文部科学大臣 萩生田光一

平たく言うと、ネット環境をよくして一人一台の端末を確保できたら、色んな学び方をする子たちの可能性を広げられるよ〜という話。
まぁ、確かに恩恵はあるんですよね。

例えば学習障害・特に書字の困難さがある子にとって黒板の字を写すのって内容の理解どころじゃない負担さがあるし、今無理して頑張っていることを軽減できたら学びやすくなるということはあります。
そして不登校の子たちも、学校以外での学びの場の選択が増えるので、良い影響を受ける子も出てくるでしょう。
現に岐阜県では、不登校特例校の公立中学校が「生徒が自分で学習の場所を選べる」ということで実施していますしね。

本当に「良い面」だけなの?

しかし、何事も光があれば影がある。
見てみぬふりをしているのか、さほど重要なことではないと思っているのか、単に知らないだけなのかはわからないけれど、便利さの裏にある弊害を無視しているというのが非常に気になります。
学校現場にも伝わっていないだろうし。

ということでいくつか紹介。

非言語(ノンバーバル)のコミュニケーション力はどう育てるか

人のコミュニケーションは言語を使うものとそうでないものの2種類に分かれます。

バーバルコミュニケーション
言語によるコミュニケーション。話す、メール、手紙など。
ノンバーバルコミュニケーション
非言語によるコミュニケーション。表情や声、身振り手振り、動作など。言葉ではない絵文字やイラストもノンバーバルコミュニケーションに含まれます。

また、1971年にアメリカの心理学者・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」という概念があります。話者が聞き手に与える影響は視覚・聴覚・言語の3種類でどのくらいあるのかという割合を数値化したものです。

それによると、視覚情報(見た目でわかる情報)は55%、聴覚情報(声のトーンや言い方など)は38%、言語情報(話の内容など)は7%とほとんどがノンバーバルコミュニケーションであるということがわかります。
よって言葉でのコミュニケーションは、1割にも満たないんですね。

PCやタブレットなどの画面からでは、限られた範囲でしか情報を受け取ることしかできません。胸から上とかしか見えなかったら、身振り手振りもわかりませんしね。
オンライン授業もそうだし、SNSが子どもたちの世界にもどんどん入っている、ということも含めて、言葉ではないコミュニケーションの機会をどのように作っていくのか?ということも大人側が頭に入れておいてほしいなぁ、と思います。

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ストレスがかかると目が動かなくなる。そして目が動かないことがストレスになる

一つ実験にお付き合いください。すぐできるので、やってみてください。

①何も考えない状態で、顔は前を向いたまま目を上下左右に動かします。動かしやすさやどのへんまで見られるかなどを覚えておいてください。それができたら遠くを見た時と近くを見た時もチェックします。

②ストレスな状況(誰かに叱られた、嫌なことを言われたなど)を思い浮かべて、①と同じように上下左右+遠近のチェックをしてみてください。目の動かしやすさや見える範囲はを①と比較します。

さて、いかがだったでしょうか?①に比べて②は動かしにくい、視野が狭まるなど何かしら変化があったという方がいらっしゃったと思います。
ストレスと目の動きは大きく関係しています。
あ、今ストレスかかっている状態だと思うので、楽しいこととかワクワクすること考えてリセットしてくださいね。

ストレスがかかると目が動かしにくくなる。
逆も然りで、目を動かす範囲が少なくなると、どんどん脳にストレスをかけていくことになっているのです。

見た目をはじめ、視覚的な情報が大きな割合を占めることは↑でも書いた通りですね。
本来、人間は上下左右+遠近といったようにあらゆる方向に目を動かしています。自由に目を動かしたり身体を動かしたりすることで、様々な情報を得て、子どもたちは発達していきます。よく乳幼児期については触れられますが、小学生以上も同様です。

しかし限られた画面内でしか目を動かさないという、決して自然でない状態を続けていくと…??本来育ってほしいところが十分育たず、機能面・情緒面などでのアンバランスさにつながることがあるかもしれません。

なお、子どもたちがIT機器を使い続けると起こりうる「IT眼症」については日本眼科医会もこのような形で情報を出しています。

だから、今後IT機器を授業で使っていく時(オンライン・学校問わず)にはケアをどうするのかということを必ずセットにしてほしいのです。
すぐにできそうなことは、「50分以上連続しない」ということですね。できれば20〜30分に1回くらい目を休める時間をつくる。

あとはBrain gym®︎(ブレインジム)がおすすめです。こちらのページに描かれているものは全て良いのですが、特に「レイジー・エイト」や「ダブル・ドゥードゥル」は今回取り上げた目に関係するものです。課題や授業の合間にぜひやってみてください。

便利なものを使うのであれば、メリット・デメリットをよく把握する

不便さは文明の発達のきっかけになっています。
時代が進むとともに、これまでの不便さはますます解消されていくでしょう。
しかし「ある部分が便利になったら別な部分が不便になる」ということは決して忘れないでいたいし、その意識を特に子どもに関わる方たちには持っていてほしいなぁと思います。
少しの意識の変化が、後々の大きな変化になります。

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