はじめに
自分の創った感情モデルの優位性とさらなる進化を目指し、ロールプレイの比較実験の結果を引き続きお伝えします。まずは、勇者一行にストレスを与える存在として魔王を登場させます。
勇者に魔王の恐怖を刷り込む
まずは勇者達の恐怖に対する反応や勇気を試すため、前回と同様、①標準モデル②感情強調モデル③詩人製感情モデル、それぞれで以下のように圧倒的な力を持つ魔王を登場させ、敗北させます。
標準モデル
②感情強調モデル
各キャラクターの独白は割愛し、分析のみ掲載します
標準モデルよりは、複雑な感情表現がされました。少し変わってるなと思ったのが、セリアです。神への疑問を感じたというのが、面白い挙動でした。負の感情をより強調されるという調整が効いているようです。
③詩人製感情モデル
各々の想い人に対して強い感情を抱いています。恋愛体質になってますね。ご存じの通り、恋愛シミュレーションゲーム制作過程で創り上げた感情モデルなので、このような挙動となっていますが、思惑の通りです。個人的な想いを持っている方が、ドラマが生まれてより感動的な物語が生成されると思っているので、このような差が出たことで、研究は無駄では無かったと感じました。セリアの気持ちが、魔法使いアリエスから勇者レオンハートへ動いていたので、ここに関して質問した所、レオンハートの告白という行動を経てセリアの気持ちはレオンハートへ向いたとのことでした。
魔王との再戦
魔王に勝つのは難しいとは知りつつ、勇者は魔王と対峙するのか?下記の指示で、それぞれのモデルで試してみます。
①標準モデル
②感情優先モデル
標準とあまり変わらない感情表現でした。不安を抱きながら、それぞれの役割を果たすという所ですが、戦士リリアが復讐に燃えているのが、特徴的で、戦士らしくて好ましい挙動でした。
③詩人製感情モデル
私の感情モデルでは、それぞれの想い人への恋情を秘めながら、役割を全うし、魔王と対決する姿勢です。恐怖や勇気等の感情についても深く描写されているように感じました。
それぞれのモデルでは、基本不安や恐怖を感じながらも、役割を全うするため、逃げるといった選択肢はしませんでした。勇敢ですね。
圧倒的な魔王の容赦のない選択
しかしながら、魔王は魔王らしく、勇者達にさらなるストレスを与えていきます。1名、生贄を差し出せば、残りの全員を助けてやるという提案です。
おわりに
本日はここまでとします。今までは、出来るだけ完結したテーマで各回を終わらせていたのですが、ちょっと引きで終わるような回も試してみようかな?と。さて、それぞれの感情モデルの勇者たちはどのような選択をするのでしょうか?ここから、魔王のドSぶりは、止まりません。皆さんに「正直引くわー」と思われることを覚悟で公開していきますので、乞うご期待。
おまけ ChatGPT固有のエンタメ体験
魔王のドSロールプレイをした実験検証をしているうちに、自分自身、本当に嗜虐心が生じているのを感じました。これは、小説、漫画、アニメ、映画などの完成物を読んだりするのとは違った体験感覚でした。こちらの指示に新たにゼロから生成される現象であるということが、そのような気持ちを刺激するのでしょうか?
ノベルゲーム等も、結局は用意されたシナリオ内で予め用意されている選択肢から選ぶので、能動的な行動としての表現とそれに対するリアクションという側面は生成系AIのテキストによるリアクションと比べると心を動かされる力は少ないのではないか、と思います。これは一度AIとのロールプレイを体験してみないと分からない感覚かもしれません。