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【詩】クリスマスのお人形

 私はクリスマスのお人形
 クリスマスが近づくと箱の中から出される
 ほこりをはらわれ軽く布でふかれる
 タンスの上のすみに仲間入り
 
 他にも小さなクリスマスツリー
 今年もよろしくお願いしますね
 クリスマスが終わるまで
 一緒にここにいましょう

 クリスマスの前日には花瓶とお花
 クリスマスにぴったりな
 赤と緑と白を使ったブーケ
 クリスマスが終わるまで一緒にいましょうね

 クリスマスイブはおおにぎわい
 お料理、お菓子、飲み物、プレゼント
 歌と笑顔があふれて踊る 
 楽しい楽しいクリスマス

 夜が更ければパーティーはおひらき
 後片付けもそこそこに
 家に帰ったり寝室に行ったり
 楽しかったパーティーの余韻だけ残る
 
 静かな室内が冷えてくる
 聖夜にふさわしい厳かな空気
 誰も外を出歩いていないのに
 遠くから鈴の音が聞こえてくる

 クリスマスおめでとう
 誰もいないのに堂々と入ってくる
 赤い服に白いひげのおじいさん
 これもいつものこと

 やあやあ、今年も会えたね
 お互いお疲れさまだ
 陽気なおじいさんは
 私たちにプレゼントをくれる

 おじいさんの手のひらから
 星の明かりを集めたような光
 私たちの体の中にとけて消える
 ほんのりあたたかい光

 みんながみんなもらったら
 おじいさんは、また来年と去っていく
 来た時と同じようにベルを鳴らして
 暗い夜空へ去っていく

 クリスマスが過ぎれば私たちは箱の中
 人形もクリスマスツリーもまた来年
 お花はもうしばらくはいるみたい
 さようならを言ってお別れだ

 また来年また来年
 一緒にクリスマスを祝いましょう
 それまではおやすみなさい
 おじいさからもらった星の明かりを抱えて
 
 
 

 
 
 

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