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【読書】『へそまがりの魔女』~やさしい物語~

 最近借りてきた本。『へそまがりの魔女』です。

 白と黒と赤を基調とした絵柄。お布団の中で読んでもらうような物語のようです。

 全体的に白と黒と灰色が多いため、冬の季節をイメージさせます。物語にでてくる魔女とむすめ。どちらもねこですが、魔女の方は年をとってあらゆる知識と経験を積んだねこです。

 愛らしい娘と反対に貫録のあるどっしりとした雰囲気です。

 話のはじまりは、むすめが森の中に住む魔女を訪問するところから。むすめの住む国は、世継ぎが生まれないため、各領地の領主たちは戦ってばかりでした。

 不穏な国には、家族も頼る者もおらず帰る家のない子どもたちが増えます。むすめもそのひとりでした。

 働くから家に置いてほしいと頼むむすめ。魔女は、知識と経験が豊富なゆえに、様々なことがありました。誰かを家に置くことに気乗りしません。

 ですが、魔女の心はあたたかです。

 へそまがりなことを言って、むすめを家の中に招き入れました。

 魔女とむすめの生活がはじまります。ひとりでいるときと、ふたりでいるときとでは大きな違いがあります。ひとりでいれば、誰かを気にしたり心配したりすることはありません。

 誰かといえば、何かと気苦労が増えるのです。そして、魔女とむすめは気苦労だけではないものも、共に生活する上で得るんです。

 へそまがりなことばかり言う魔女に寄り添うむすめは、魔女がやさしいのだとわかります。

 ろうそくの炎が灯るような、こころあたたまる物語です。



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