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【読書】「アフガニスタンのひみつの学校~ほんとうにあったおはなし~」~学ぶ喜びは誰のもの?~

 日本では学校で教育を受ける権利があります。学校に行かないという選択肢を取る、学校に行けない事情がある場合を除いて、子どもはどこかの学校で他の子どもたちと一緒に勉強をします。地域には図書館や図書室が、たいていあります。本屋や古本屋さん、褒められた行いではありませんが、立ち読みができてしまいます。

 アフガニスタン、タリバン政権下では、女性が自由に教育を受けるのは、難しい状況です。兵士に見張られながら、学び続けるって、当たり前のように教育を受けている側から見れば、信じられないかもしれませんね。

 絵本の内容は、20年前に、本当にあったお話です。

 ある日、ナスリーンの父親は兵士に連れて行かれてしまいました。それっきり戻ってきません。心配した母親が父親を捜し行きましたが、それきり戻ってきません。ナスリーンは祖母と二人きりで家にいます。すっかり元気をなくして、声を出すこともなくなったナスリーンを心配した祖母は、女子が集まる「ひみつの学校」へ通わせることにしました。

 タリバン政権下では、女性は出歩くこともままならず、学校に行くこともできません。この状況で、学校へ通うというのは大変なことです。

 ですが、祖母は“学ぶ喜び”を知っていました。

 ナスリーンと同じくらいの年頃の少女もいる小さな学校です。

 兵士の目をくらましながら、学び続けたナスリーンは次第に心を開くようになりました。同じ学校に通う少女と話すようになり、学ぶ意欲を見せるようになります。

 学ぼうと思えば学ぶ環境がある。水道の栓をひねれば水が出る。もちろん、なんでもかんでも自由にというわけにはいきませんが、すごいことなのかもしれません。

 そして、一度、学ぶことを知ってしまえば、そう簡単には手放すことなどできません。



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