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【詩】駆けていく

駆けていく

風を顔に喜びを胸に

目の前にひかる小さな輝きを

まっすぐめざして駆けていく

届いたと思った

でも届かない

駆けていく

やわらかな土

かたいコンクリート

どこまでのびていく道を駆けていく

いつまで駆ければいいんだろう

そう思ったら抱き上げられた

聞かん気のおさなごをなだめるように

大きな手が頭をよしよしなでる

下をみたら道はまだまだまっすぐのびていた

目を細めて遠くをみてもはてしない

空と道がどこまでもあって

気が遠くなった

今度は後ろをむいた

自分が通ってきた道に花が咲いているのがみえた

鹿が道を横切ってうさぎが茂みの中にはねていく

上をみあげればやさしいひとが笑ってる

青空に白い雲がぷかぷか浮いて

ちょっと遊んでみたいような気がした

たかいたかい空の上では太陽がかがやいて

やっぱり笑っているような気がした

足をぷらぷらさせていると

もう一度駆けたくなった

今度は誰かと一緒にゆっくりと

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