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【読書】真実を知りたくもあり知らないままでもいたい

ショッピングセンターの自動ドアを通るとき、視界のすみに黒くうずくまるものが見えました。思わず視線をそらします。跳びはねる心臓が静まってから、ゆっくり黒いうずくまるものを見ました。

『幽霊の正体見たり枯れ尾花』

という言葉があります。

怖いと思っていると、なんでもないものまで恐ろしいものに見える。

恐ろしいと思ってはいても、正体を確かめればなんてことなかった。

こういった意味合いがあることわざですが、怖いものは怖いし、正体を確かめるのも怖い場合がありますね。また、正体を確かめれば、なおいっそう恐ろしさが増すということもあります。

現在、『昭和史 1926-1945』半藤 一利(著)を読んでいます。終戦までの日本の軌跡です。半藤さんが、ときおりご自身の意見を挟んでおられますが、胸にずしんと響くようです。



幼いころから学生にかけて、社会人になってからも戦争に関する本は苦手でした。映画もマンガも小説も好んで触れることはなく、なんとなく目をそらしていました。

現在を知る上で、日本が関わった戦争は知らぬ存ぜぬは通用しないと思いつつも、切なく胸苦しい気持ちの方が勝ちます。

それでも何か読んでみようと、今年の春から夏にかけては、加藤陽子さんの著書を読みました。学生を相手に講義をしたものをまとめたとありましたので、読みやすいかなと思ったんです。

勉強不足を痛感して読み終えました(汗)


テレビやマスコミを通じ、中国や韓国など海外との関係が気になるようになりました。歴史を現代史や戦争史を頭に入れておきたいと思い挑戦しています。

池上彰さんや佐藤優さんの著書を読んだ影響も大きいです。

もう二度と戦争はしたくないと思っていても、渦に巻き込まれていくようなこともあるでしょう。歴史は繰り返すと言いますが、歴史から学び、大きな渦ができても巻き込まれないようにしたいです。


自動ドアを通った後、視界の隅に見えた黒いものは、ゴミ箱のようでした。はっきり確認してはいませんが、どこにでもある大きなボックスです。

安心しました。

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