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23歳、勾玉をつくる。

私の少ねぇ少ねぇ友人の中の1人とお泊まりした。

本当はその日男とお祭りに行く予定だったのだけど性格がタイプじゃなかったからやめた。

ここで少し、友人について。
仮に友人Hとしよう。
友人Hは本当に本当に変なやつである。
どこがどう変かというと、協調と頑固の配合が絶妙なのである。
どういうことかというと。
私より確実に上手に女社会を生き抜くだけの技術を持っているのに、稀にとんでもない変態ちっくなことをしでかすのである。
私は彼女のそういうところが本当に大好きだ。
本人には言わないけど。
あとモテそうなのに彼氏できないとこも好き。

その友人Hといつものように何か楽しいことがしたいね、楽しいことってなんね、彼氏欲しーーーなどと話してるうちにいつの間にかバーベキューすることになった。
海鮮バーベキュー。
絶対にBBQとは書かんぞ。
女2人でバーベキュー。
さぁいこうじゃないですかぁ。

夏の日差しと、岩牡蠣の入った重いビニールと、お祭りに浮かれてる人にあてられ無口になりながらなんとか友人宅に着いた。

2人で無印のフライパンで作れるナンを手つきがやらしいなどと言いながら作り、適当に冷蔵庫にある食べ物と食べて昼ご飯をすます。
私はナンを作るのが上手らしい。
タップルに書いたらモテるかな。

午後はダラダラとコクリコ坂、耳をすませばを見て純愛だねぇとか、きぇぇぇぇとか言いながらうるさく過ごした。もう楽しかった。

バーベキューは滞りなく終わり、どこに向かってるのかも分からない恋愛話に花を咲かせ、いい時間になったので2人で寝た。とっても気楽だった。

翌日何もすることがなくて散歩に行った。
「正気じゃないね」
「本当にね」
あまりにも暑かった。
山を登り切ると歴史館みたいなとこがあった。
立派な建物。
入ってみると案内板に勾玉が作れると書いてある。
勾玉。
懐かしい。
よく作ってたわ。小学生の頃。
2人で作ることにした。

学芸員さんの独特なテンポの説明を聞いていざ。

勾玉作り本当に楽しい。
久しぶりに無心で石を削った。
気持ちがいい。
尖ってボコボコとした滑石がだんだんと美しいカーブを描き勾玉になっていく。
私はどうやら勾玉作りが上手なようだった。
タップルに書いたらモテるかな。

100分で完成する予定のところを凝りすぎて2時間近くかけて作り上げ、歴史館的なところを出た。
「真剣でかわいかった笑」
どうでもいいことを真剣にやっても、茶化さず一緒になってくれるところも、この友人のいいところである。

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