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19.休みと休む前

休む前の方が不健康

休職から半年がすぎた頃、
休職前、まだ病名がつく前の自分を思い出すとき、そのころが健康だったとは思えなくなった

むしろあの時は今よりも健康ではなかったなと感じる

風邪や骨折なら発生時期があって完治する病だけど
うつ病は、発生時期は曖昧で
完治という区切りもなかなかない

休みはキャリアに大きな傷をつけるように思えていたけど
途切れずに仕事をすればキャリアは継続できていたかもしれないけど

辛い状態の自分の足に鞭を打ってまで「仕事を続ける」意味

長い人生、家族や大切な人との時間を大事にしていく意味を感じられないということを休んでやっと落ち着いた頭で認識できるようになった


今思い返せば休職前の1ヶ月は
ハイになったり、どしんと落ちたりというはっきりした傾向以外に
ずーーーっと不安や悲しみが胸元にあって
胸につっかえて喉を塞ぐような感情が常にあった

朝起きても昼ごはん食べても夜飲んでも
疲れたなぁって思ってたし
何か新しいこと始めようと思ったり
誰かに声かけて何かを企画しようとしても
虚しい気持ちがつっかえているから
事がうまく進んでも気持ちは進んでいない

そんな感じだった

あるときZOOMで
誰かのセミナーを聞いているときに涙が止まらなくて
そのセミナーの内容は全く耳に入らないし
今ではそれが何のセミナーだったのか覚えてもいないのだけど
とにかく自分の感情を自分で把握できない状況であることは間違いなかった

その人が羨ましかったわけでもないし
その人に何かされたわけでもないけど
自信を持って自分の伝えたいことを伝えられて
人の役に立っていこうという姿をセミナーで見て何だか
自分と比較して辛かった

休んでからの気楽さ


日々楽しく仕事をしたり休憩して過ごしていた毎日とは
かけ離れて不安定な立ち回りになってしまっていたあの頃は
業務はあったし、やるべきことはやっていたけど

自分は仕事を新卒から長く続けただけで
結局立場も期待もない状態でしがみつく
ダサい社会人だとレッテルを貼っていたのだと思う

でもとにかく今休みを更新し続けて
仕事のことはほとんど関わらない状態になって次の日の仕事のスケジュールを思い浮かべる憂鬱や
やる気のない返事しかくれない眠そうな上司や
会社が決めるのまって愚痴る同僚との接触がなくなったおかげで
明日が月曜だろうが、土曜だろうが、日曜だろうが
気持ちは全然変わらなくなった。

ただ唯一変わらないのは金曜日の場合
平日終わりの疲れとやはり明日は休みだー!という気楽さを感じる

それは仕事をしていた時も、休職の時も変わらない

変わらないことも変わることをあったけど
大きく変わったのはやはり不安の大きさだと思う

休み中の不安より休む前の嫌悪感しかない
周りと自分ぐっちゃぐちゃのぐるぐる自己否定感覚よりも
復職や将来という明確な不安の方が対策がわかるから
自分なりに細切れにでも抜け出す答えを見つけることができる


健康と不健康
病院に行ったことで、病名をもらったけど
私にとってはその病名がついたことで
病気を治す一歩が踏み出せたんだと
病気になった時のことを思い返せるようになった

休職してなかったら

ゾッとするほど不安の渦に巻き込まれて
飲み込まれたせいで心も体ももっと
ボロボロになっていたかもしれない

体調どう?って聞かれたら
だいぶいいですって既定演技の質問に
答えるのは気が引けたけど
休む前よりは確実にいい状態であることはどんな休み方をしてても
間違ってないかもしれないなと思う

むしろ休む前がどれだけ辛かったのか
覚えている体の感覚は忘れずに
事前にケアができるように
これから生きていこうと思う




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