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82.小説ブームのきっかけの本

こんばんは!出口です!

ここ一年間どっぷりと小説の沼にハマっています。
そのきっかけとなった本を今回紹介したいと思います。

その本は以前もチラリと紹介した辻村深月さんの『傲慢と善良』です。

ジャンルは「恋愛×ミステリー」です。
そしてこの恋愛は結婚、いわゆる婚活にフォーカスしています。
辻村さんが思う結婚できない人の原因を「傲慢」と「善良」というワードで表しています。

今日はこの本を読んで感じたことを何点か共有できればと思います。

①無自覚な傲慢さ

まず一つ目のキーワードが「傲慢」です。
辞書で調べるとこんな意味が出てきます。

「傲慢」とは、おごり高ぶって人を見下すことや、その様などである。

Weblio 国語辞典

自分は傲慢だと思っている人なんてほとんどいないと思います。
というか思いたくないですよね(笑)
でも、この小説を読むと自分の傲慢さを自覚させられます。

恋愛で”ピンとこない”と思ったことはありますか?
ここに傲慢さが存在します。

「ピンとこない」=「自分に見合わない」と判断しているということだと言います。
みんなが無意識のうちに自分自身に点数をつけています。
その点数に見合う人、自分の点数よりも高い人を良いと思う。
逆に、自分につけた点数未満の人は「ピンとこない」という判断になる、という意見です。

これってものすごく傲慢な考え方じゃないですか?
実際僕も「ピンとこない」を経験したことがありますが、今思えば自分の点数を高く見積もっていたと思います。

傲慢なこと、自分を高く見積もることは決して悪いことではないと思いますが、実は自分は理想が高いと自己理解をしておくことは大事ですよね。

恋愛が上手くいかない人、結婚が上手くいかない人は、自分の考えている点数と実際につけている点数に乖離があるからじゃないでしょうか。
理想は高くないと言いながら、潜在的に高い理想を求めていることが原因としてあるかもしれませんね。

②善良さの弊害

2つ目のキーワードは「善良」です。
「傲慢」に比べて良い意味で使われる言葉ですが、なぜ善良さが結婚できない理由とされるのでしょうか?
「善良」は下記のような意味になります。

性質のよいこと。性質がおだやかですなおなこと。

Weblio 国語辞典

ここでのメッセージは「善良」であるがゆえの素直さが弊害になるということです。
誰かのアドバイスや言いつけを守る善良な人は自分で決める経験が欠如し、自分がない状態になってしまいます。

自分で決められない。決めた経験がない。
この善良さが「ピンとこない」で判断する「傲慢」な取捨選択に繋がっていきます。

「傲慢」と「善良」という相反すると思われていた言葉が、実は同じ人の中に共存するというのが辻村さんのメッセージであり、結婚できない原因です。


僕はこの見解にすごく納得したし、当てはまる部分もありました。
また、恋愛・結婚に限らず仕事や私生活にも応用できそうです。

今回ストーリーには触れていませんが、めちゃくちゃ面白かったです。
2019年発売の書籍ですが、先日本屋に行くと平積みでたくさん置いてありました。
興味のある方は是非読んでみてください。

ちなみに、僕は独身なので、この本から学んだことを今後の糧にしたいと思います。
では、また。

最後まで読んでいただきありがとうございます! 僕の発信が読んでくれている方の気付きなれば幸いです!