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チームが自然に生まれ変わる 「らしさ」を極めるリーダーシップ 【読書記録#09】

2024年は30冊本を読みたいと目標を立てていて、3月末で9冊目。
結構いいペースなんじゃないだろうか。

今回手に取ったのは、コーチング文脈のリーダーシップの本。
仕事で私がリーダーシップを発揮するとしたら、カリスマ的な存在でグイグイチームを引っ張るのではなく、個々の能力を最大限に引き出して、チームメンバーにわいわいやってもらいたいと思っていて、そのヒントになればと手に取った本だ。
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人の心の中にある「認知」が人を動かす

この本では、リーダーとしてメンバーのアウトプットの質を高めるためには、彼らの「行動」を変えるのではなく、「認知」を変えよう、と説く。

むしろ、大切なのは、ものの見方です。認知科学的にいうなら「内部モデル」です。その人の認知が変わりさえすれば、行動はおのずと変化します。

成果報告などを求めって、メンバーの行動を変えてもそれは上部だけのことなのだ。そのメンバーが心の底から感じる「絶対にこれを実現したい」という想いを伴わないと、行動を継続的に、そして、チームのアウトプットに効果のある形で変え続けることはできない。この、メンバーに取ってのありたい姿を「ゴール」という。そしてもう一つ大切なのが「エフィカシー」という、根拠がないけれどなぜかできる気がするというゴールに対する自己評価だ。「ゴール」と「エフィカシー」、この二つが伴うと人は内なるエネルギーで爆発的な行動ができるようになる。

チームメンバーにこの「ゴール」を脳内に描かせることが、冒頭の「認知を変える」ということにつながる。
では、こんな魔法のような「ゴール」は、なんでも良いのかというとそうではない。

内部モデルの更新を引き起こし得るゴールは、次の2つを満たしていなければならない。
条件① 「真のWant to」に基づいていること
条件② 「現状の外側」に設定されていること

もちろん、自分が本当にやりたいことでないと力が発揮できないし、現状の延長線にあるようなゴールだと火事場のバカぢからのようなエネルギーが生まれないのだ。そして、チームとして動くときは、リーダーが一番、自分のゴールに没頭できているかが重要である。その熱量はメンバーに伝染するからだ。

Want toに基づいて生きるには、Have toを捨てることを「決断」する

もう一つ、リーダーに重要な仕事がある。
それは、「Have to」を捨てることだ。これがなかなか難しい。

ほとんどのリーダーにおいては、本来持っている真の価値観(Want to)が見えなくなっているのが常態である。Have toが周囲に分厚くまとわりついて、中核の
Want toが覆い隠されてしまっているのをイメージして貰えば良いだろう。

では、具体的にどうすれば良いのか。それは、日々「やっていること」をリスト化して、やめてみたらどうなるかを考えてみることだそうだ。辞めてみて失うもの、代わりに手に入るものを冷静に考えていくと、それが自分に取ってHave toなのかどうかがわかるということだ。そうすることで、真のWanto to が浮き彫りになってくる。

では、真のWant toに出会えたとして、それで人が変われるのかというと、実はまだそうではない。「心理的ホメオスタシス」といって、人にはできるだけ現状に留まろうとする力が働くからだ。
だから、人は、Have to を捨てることをまず「決断」する必要がある。それも、Have toの捨て方を考える前にだ。先に捨て方を考えてしまうと、結局現状へと引き戻されてしまう。だからこそ、捨てることを「決断」し、捨てた未来の自分があたかも当たり前のようにする必要があるのだ。また、本当に「決断」できていれば、捨て方は自ずと見えてくるらしい。

「決断が先、プロセスは後がHave toを捨てるときの大原則なのには、こうした理由がある。

もう一つ、心理的ホメオスタシスに抵抗する方法として、本で紹介されていたのは、「アフォメーション」という方法だ。

アフォメーションとは、ゴール世界への没入を一発で呼び起こす言葉である。
それを唱えることでゴール世界への没入が高まるなら、どんなフレーズでもかまわない。

例えば、プロマーケターになりたい場合、PCのパスワードを「iamamarketinggenius」にする、など、日常にその言葉を埋め込むのが良いらしい。

個々の力を引き出し組織の力を高めていく

ここまでは、どちらかというと、個人に注目して、その能力を存分に引き出すには、という文脈だったが、組織で考えたときには、組織のゴール設定が重要になる。

会社は本来、「現状の外側のゴール」を持っている。…リーダーの役割は、組織内の人的資源を動かすことで、パーパス実現に寄与することである。

リーダーは、メンバーのWant toと組織のWant toを重ねることが役割なのだ。そのときにも、まずはリーダー自身が、組織のパーパスを自分ごと化し、エフィカシーを存分に高めて力を発揮している姿を見せることがまず第一に重要である。

何度も繰り返すようだが、まず大切なのは、リーダーであるあなた自身が「パーパス」実現の規範となることだ。自分自身の「真の Want to」を「組織のパーパス」と結びつけるとはどのようなことなのかをみずから体現し、個人のゴールに向かって動くことの魅力を、メンバーに示していく必要がある。

そして、メンバー内に広げていくには、1on1を繰り返したり、組織の中でも先にエフィカシーが高まっているメンバーを「エバンジェリスト」として、他のメンバーへの影響力を高めたりしていって、組織全体を底上げしていく。

まとめ

こんなリーダーシップを実現したい!と思えた本だった。成人発達理論とかアドラーとかとも親和性がありそう。まずは、徹底的に自己適用できるようになってから読み直したら、また学びがありそうだな。

良い本でした!

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