見出し画像

ピクサーの秘密展


5歳の息子とピクサーのひみつ展に行った。
私は元々展示が好きで、絵画や博物館が好きだった。

今まで行って良かった展示は「海のエジプト展」だった。
東京で暮らしていた時に行って感動したのを覚えている。
コナン展も良かった。
展示の解説をじっくり観たり読んだりするので1人で行くのが好きだった。

子供が産まれてから展示系は「プラレール展」とか自分が全く興味がないものに行くはめになった。
地獄だった。

2歳くらいのときのプラレール展


プラレールなんて全く興味が無い。
子供の好きな物を好きになろうと努力したけれど
プラレールだけは好きになれなかった(プラレールファンの方すみません)

毎日プラレールの音が部屋中に鳴り響く。
仕事から帰ってきたら常に「カンカン」だとか「発車します」だとか鳴っている。
うるさ過ぎる。
プラレールの電池が切れればギャン泣きである。
テレビの音も聞こえない。
プラレール恐怖症になって展示系に二度と行きたくなかった。

それから人混みが苦手になった。

息子と出かけるのが嫌いになった。

育児ノイローゼだった。
産後うつってぶり返すのかよ!と当時の私は思った。

離婚の話しも進んでいた当時完璧にキャパオーバーだった。

そんな息子と産まれてから初めて2人で行ったピクサー展だった。

「2人で行く」なんてプラレール展の時から考えると想像も出来なかった。

正直怖かった。ピクサーは私は好きだけどパニック発作みたいなのがおきたりしないか、やっぱり息子と出かけるのが嫌いになったりしないか。

息子は
「ママ、人混み大丈夫?嫌になったらすぐ〇〇君に言うんだよ!」
と並んでいる時に言った。
その一言がすごく嬉しかった。

たくましく思いやりのある子に育ったなぁと泣きそうになった。
「大丈夫だよ!ありがとう」とピクサー展に2人で行った。


ピクサーの映画で1番好きなWALL・E


息子とは1日1本映画を観ることにしていた時期があったので、WALL・Eやカールじいさんの空飛ぶ家、レミーの美味しいレストランなど息子と共通に喜べる物があった。


化学や物理、映画を作る上で必要な技術などがメインの触るタイプの展示だった。


ある程度展示を見たけれどゆっくり説明を読むことは出来なかった。

それでも特にパニックになる事もなく
2人とも満足して展示を見終えたことに私は嬉しかった。

滞在時間は30分くらいだった。

そして息子の感想は
「思ったより面白くなかったね」だった。

感想を言い合えるようになった事がどれだけ嬉しかったか。
プラレール展の時にプラレールを買って欲しいと駄々をこねた息子はもうそこには居なかった。
抱っこして人混みの中回った息子はもう1人で歩いて居た。

レミーのレストランの話題で盛り上がった。
美味しいご飯をレミーみたいに作りたいよね!と息子と話しをした。

帰り道の芸術の森を2人でスキップして歩いた。

病院ばかりで寂しい思いをさせていたよなぁと思った。
どこにも連れて行けない時期を申し訳なく思っていたけれどこれから色んなところに連れていこうと思った。


シングルマザーになった時、まだ2歳だった息子を守ろうと思っていた。
経済的にも気持ち的にも自信がなかった。

息子はこんな母親で良いのだろうか、幸せなのだろうか、ずっと自問自答していた。

「育てるというより一緒に生きていくって感覚でいいんじゃないかな」
と友人に言われた一言を実感した。


いつの間にか息子は成長していた。

子供は親以外にも保育園の友達や先生から色々学んでいるんだなぁと思った。
これからも一緒に生きていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?