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理念経営する企業で、私は血も涙もない冷徹な人間になる。


理念経営という現実

私はクリアソンという「理念経営」を大切にする組織に所属している。思いを大切にする経営者、役員、メンバーに囲まれ、私は事業責任者という立場で組織を統括している。


「理念」が思いを実現するための行動なら、「経営」は数字を管理して利益を生み出すことだ。理念経営が難しいのは理念を体現することではなく、理念と経営のバランスを整える事です。


理念経営する企業で働く事を決断した社員の入社動機は「ビジョンに共感したから」が99%以上。そしてこのビジョンへの共感が事業責任者である私を悩ませる理由でもある。


能力とは経営の中にあり、
人間力とは理念の中にある。


能力のない人間がビジョンに惹かれ、ビジョンを実現するための働き方を求めている。彼らは経営の重要性を頭の中で理解していたとしても、心の奥底で経営を拒んでいたりする。能力なき人間力はピーターパン症候群という病気になっていく。理想とは現実と戦う事であるにも関わらず、現実逃避をして理想を語り始める。人間力だけは無駄にあるので、能力がなくても人を惹き込むような力はあるので心の弱い人間を集めて「多数決ゲーム」の理論で自分の正当性を主張してくる。


経営(利益を生み出す)と真剣に向き合うことが間違っているかのような空気が組織の中に生まれる。こうなると組織は崩壊していく。顧客満足度・従業員満足度は高まるのに利益が減少していく。そして利益を生み出すトッププレイヤーたちが「この組織は何かが間違っている」と退職する。発言権が「トッププレイヤー」から、「ピーターパン」へ移行し、取り返しのつかない事になる。




組織の改革は矛盾している

理念経営する企業で働く事を決断しているので私にも強い思いはある。しかしどれだけ自分がバランスをとって理念・経営と向き合っても、組織の中にバランスがなければ意味がない。経営へと振り切らなければいけないタイミングが必ずある。

短期的に組織をつくるなら、すぐにでも経営へと振り切ってしまえばいいが、その決断は大きな犠牲を伴う。従業員の疲弊・離職だけでなく、組織の文化を傷つけてしまう。一方で長期的に組織をつくることは困難だ。改革はダラダラとやるものではない。スピードをもって、一気に癌を取り除かなければいけない。改革はいつでも矛盾している。

従業員の疲弊・離職を最低限に留め、文化を傷つけることなく、短い期間で改革を実現するための方法を考えなくてはいけない。



理念経営する企業で、私は血も涙もない冷徹な人間になる。

長年試行錯誤した結果、バランスを生み出すためには一時的に経営へと振り切って「血も涙もない冷徹な決断」をするしかない。ビジネスモデルの構造を理解させ、最大化するためにどうするべきか? どうあるべきか? を組織の中に「数字」を軸として浸透させる。



血も涙もない冷徹な改革を成功させる鍵

この冷徹な改革を成功させるためのカギは「愛」だと思っている。これは小さな組織だからこそできることかもしれないが、私は自分の下で働く人間の分析ノートを作成している。

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社員の強みは何か? 弱みは何か? 才能を活かすために何が足りないか? 才能を活かすために組織は何ができるか? 社員はどんなWILLを持っているか? その社員に対して自分はどんな社会人になってほしいと思っているか? 先月と比較して何か変化がみられるか? 毎週ノートを更新しているので、社員の自己理解以上に社員の分析ができている自信がある。


改革をするためにノートをつくることが大事だと言いたい訳じゃない。組織を改革するために必要なのは「社員への願い」ということを私は皆さんに伝えたい。


一緒に働く仲間を可能な限り理解するための努力をして、彼らが自社で働く事を通じてどんな人間になってほしいのか? 本当にその願いを実現する上で改革が必要なのか? どうしたら彼らに理解してもらえるか? を自分に問い続ける。この問いこそが愛なんだと自分の中で定義しています。


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