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インド 路地裏の冒険 ~チェンナイ~

今思えば、かなり危険な事をしていたんだと思います。

その時の僕はインドのリアルを撮影したいが為に、何処かれ構わず撮り歩きに行っていました。

今回は、僕の大好きな「路地裏」シリーズ。

ここインドの路地裏は、今まで足を踏み入れた中で最も汚く、臭く、荒れた空間だったのではないかと思います。かなり危険な雰囲気も漂っていましたが、この時僕はいわゆるシューティング・ハイになっていたので、どんどん奥へ奥へと突き進んでいきました。

その時の写真を下の動画にまとめています。

スナップを撮るときのカメラはたいてい小型カメラ(RICOHのGR2)を用いるのですが、この時何を血迷ったのか、一眼レフカメラ(CANONの6D Mark2)を持参していました。(気合が入っていたのか、、)

路地裏のインド人達の目線が、僕のカメラに集中している事は、鈍感な僕でも流石に感じました。

路地裏の中でも人通りが多めな八百屋通り?を歩いていると、1人の青年がカメラを欲しそうになにかごにょごにょ(タミル語?)言いながら僕の横を歩いてきたり、もう一人の青年は何も喋らないまま僕の背後を歩いてきたりと、客観的に見たらちょっとやばいなと思いながら、「No, No」と言い続けてスタスタ歩き続けるとなんとか諦めてくれたようでした。

危険な場所でのスナップ撮影では常に、「自分が一番危険だから大丈夫」と言い聞かせながら平常心を保っていた(←意味不明)のですが、後ろから刺されたり、ひったくりされても不思議ではない雰囲気であると感じとったので、路地裏から出ることにしました。

あまりじっくり撮れなかったから残念だなと思いながら出口に向かって歩いていると、なにやら焚火をしている青年たちに「カモン、カモン」と呼ばれました。最初はスルーしようとしましたが、直観的に危険度は低いと察知し、撮り歩きで不完全燃焼だった僕は、異文化交流の為、彼らの元に歩み寄りました。

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すると彼らも本当に来ると思わなかったのか、少し興奮気味で僕のことを迎え入れてくれました。「ここに座りなよ!」的なタミル語で椅子を差し出され座ると、「お茶を飲みなよ」的な感じでチャイを頂き、言葉は通じないながらもほっこりし始めました。

「フォト、フォト」と言いながら不思議な決めポーズをする青年↓↓↓

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この青いシャツの青年(おじさん?)が話すタミル語を僕が真似して話すと皆が爆笑するので、しばらくそんなやりとりで賑わっていました。

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どこの国も子供はみんな可愛いですね。

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気づいたら向かいの家からゾロゾロとインド人が僕を見にやってきて、物珍しそうに僕を囲っていました。(・・・大丈夫?)

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一人だけ英語が話せるインド人がいたので、話を聞くと、彼らは皆家族・親族であり、この周辺のアパートを管理している大家さんや、お店の経営者であるとの事。「こんな場所で日本人を見るのは初めてだよ」と言っていました。

「僕らの家を案内するよ」とのことなので、中に入ってみたら笑顔のチャーミングなお婆ちゃん↓↓↓ だいぶご高齢ながらも、青年達に大事に介護されてる様子に少しじんときました。

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屋上に連れていかれ、とりあえず写真を撮る僕。

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カメラを向ける度に謎のポーズをとる青年↓↓↓ 終始「カメラくれよ」的なヒンドゥー語を喋ってました。

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写真データが欲しいとのことなので、SDカードを渡し、彼らのPCにデータを保存するとかなり喜んでいる様子でした。

そんなこんなで少しグダグダしてきた時に、ここの長だと思われるお爺ちゃんが登場。↓↓↓

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なにやら喋っているようなので、通訳してもらうと、

「ここは君みたいな外国人にとっては危険な場所だ。もう夜も遅いから今すぐ家に帰りなさい。みんな彼を家まで安全に送り届けてやりなさい。」と、

かなり迫力ある形相で喋っていたので、あ、やっぱりここ危険なんだなと目を覚まし、その場を離れることに。

ホテルまでの道中は青いシャツの青年含め3人が同行してくれて、身の安全を配慮してくれました。

ホテルの玄関で彼らとFacebook友達になり、「See you!」とお互い別れを告げ、部屋でシャワーを浴びた後はしばらくボーっとしていました。。

日常とはかけ離れた場所で繰り広げられる予想できない展開に対する興奮が徐々に落ち着いてくる感じ、未知の空間で触れることができた人間味にじんわり安堵感を感じつつ、特殊な異文化交流を楽しめた満足感とともに眠りに落ちました。

僕は仕事上やプライベートで様々なインド人と関わってきましたが、やはり人間は千差万別、日本人と一緒ですね。一概にインド人はああだこうだなんて言えません。夜の路地裏で焚火をしている一見怪しそうなお兄ちゃん達も人間味溢れるナイスガイでした。

が、さすがに夜の路地裏をうろうろしていると危険だそうなので、皆さんはマネをしないように。。

以上、インド路地裏の冒険でした。


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