進化の擬人化
はじめに
進化、究極進化、進化合体、なんとかエボリューション
僕たちは進化が大好きだ。
「読まなくていい本の読書案内」を参考に進化論の本を読んでみた。
時間があれば読んでいただきたい。
今回参考にしたのは「残酷な進化論」という本だ。
「進化ってなんだろう?」 という疑問をもって本書を読んでみたけど、結局分からないままだ。
よく考えたら当たり前だ。
チャールズ・ダーウィン以降、世界中で膨大な研究がされてきたわけで、一般向けの本を読んだくらいでわかるわけがない。
じゃあつまらなかったかというとそうではない。
各章の随所で新しい知識を得ることができる。
ただ分かりませんでした。
では終われないので、僕なりに「進化」について紹介させてほしい。
進化くんの性格
イメージしやすいように擬人化してみよう。
「進化くん」の性格は以下の通りだ。
・問題を根本的に解決しない。
・将来の計画を立てない。
・生物の生死に興味がない。
だいたいこんな様子だ。
どうだろう。 友達には欲しくないタイプである。
・問題を根本的に解決しない。
のどの筋肉を動かすための神経(=迷走神経)を例にとろう。この神経のうち1本は脳から胸のあたりまで下りてきて、またのどに上っていく。
ヒトならそんなに問題にはならないけど、この構造はキリンにも当てはまる。キリンの脳とのどは30センチメートルほどしか離れていないのに、迷走神経は約6メートルも遠回りすることになる。
切ってつなぎなおせばいいじゃんと思うけど、進化にはそんなことできないんだ。これと同様に設計ミスなんじゃないの?と思えることが多くの生物の身体に残っている。
・将来の計画を立てない。
進化は将来を予想して頑張ることができない。僕たち生物は環境に適用するように進化するけど、それはあくまでも“現在の”環境だけしか見ていない。明日のことなんて考えていないんだ。
・生物の生死に興味がない
上2つの性格から、なんでこんなに効率が悪いんだろうと感じないだろうか。
それは進化が生物の生死に興味がないからだ。
進化の最終的な目標は子孫を多く残すこと以外にない。
設計ミスがあったとしても、子孫を残せる程度のミスならどうだっていい。
もっと言うと子孫を残した後の個体については死んだってかまわないんだ。
進化への誤解
かなり簡単にまとめてみたがどうだろう。
進化のイメージがちょっと変わっていると思う。
ここで進化に対する大きな誤解を解いておきたい。
僕たちの進化のイメージにはどうしても進歩がついて回る。
実生活で使われるときはほぼ同じ意味だけど、進化は進歩じゃない。
ただ目の前の状況に合わせてふらふらと変化するだけだ。
このように進化の意外な面を知ることができる本である。
少しでも興味を持てたらぜひ手に取っていただきたい。
おまけ:死なない生物は進化しない。
生物は環境に合わせて進化する。
進化するには環境に合った個体が増える必要がある。
環境に合った個体が増えるには、環境に合わない個体が死ぬ必要がある。
つまり永遠に生きる生物は進化しないということだ。
そんな生物がいたとしたら、環境に適応できなくて絶滅してしまうだろう。
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