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働くことは神様のお手伝いをすること

 「働き方改革法案」で残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間に決められました。今までは、基本給はそれほど高くないけれど、残業代がつくから生活費をやりくりできるという人が圧倒的に多かったはずです。残業時間が規制されると、残業代が減りますから、手取りの給料が減ります。手取りの給料が減れば、暮していけなくなる世帯も多いので、転職をして、所得が維持できる方法を選ぶ人が多く出てきます。

 経営者は、社員が流出しないように、残業代が減った分基本給や各種手当を増やすことになります。投入労働時間が減るのに、人件費は増えていきます。

 「働き方改革」以降、赤字に転落する企業が増えています。特に中堅企業に顕著です。

 私は、「働き方改革」は働くことに対するペナルティだと思います。働いた分だけ、豊かになって、ゆとりが生まれる、いい家に住める、いい車に乗れる、子供をいい学校に入れられる、物質面ではそういう面があると思います。

 ちょっと前だったら、親の借金を返済するため、他人の倍働いた経営者も多かったと思います。倍働いたらどんな借金でも返済できたのです。寝る間を惜しんでひたすら働いて「アメリカンドリーム」を実現した経営者もいます。「アメリカンドリーム」を実現することは、労働時間を忘れて働くこと、これは真理です。

 汗水たらして働く姿を見ると、お客が信用してくれます。一緒にやりたいという仲間も増えます。そして協力者が現れるのです。

 ところが、欧米では、働くことが罪だと考えられています。「アメリカンドリーム」を実現するのは、実は日本人や中国人などアジア人が多いそうです。

 日本では、周りの人のために働くことは、神様のお手伝いをしていると考えます。私もその一人です。相手が喜ぶ姿を見ることが何よりの幸せなのです。

 スーパーマーケットで働いている人も同じ考えを持っている人が多いと思います。「こないだ薦めてくれたぶどう、美味しかったわ~感動しちゃった!」「いつも安く売ってくれてありがとう。安く売りすぎて潰れるのを心配しちゃうくらい。少しは儲けてね」と声をかけてくれると嬉しさのあまり舞い上がってしまいます。

スーパーマーケットは「喜客業」

 動物の中で、神様から「喜ばれると嬉しいという本能」を与えられているのは人間だけです。喜ばれると、神様が与えてくれた本能のスイッチが入り、「もっと喜んでもらおう」「これが自分の生まれてきた意味なんだ」と生きている幸せを噛みしめることができるのです。

 私は特定の宗教団体に所属しているわけではありませんが、人間が生まれてくる目的は、神様に喜ばれる存在になることだと思います。

 福澤諭吉翁が残したという、人が生きていくうえでの7つの教訓、「福澤心訓七則(ふくざわしんくんななそく)」というものがあります。

「福澤心訓七則」

世の中で一番楽しく立派な事は 一生涯を貫く仕事を持つという事です

世の中で一番みじめな事は 人間として教養のない事です

世の中で一番さびしい事は する仕事のない事です

世の中で一番みにくい事は 他人の生活をうらやむ事です

世の中で一番尊い事は 人の為に奉仕して決して恩にきせない事です

世の中で一番美しい事は すべてのものに愛情をもつ事です

世の中で一番悲しい事は うそをつく事です

 私は子供のころ、祖父から何度も何度もこの教えを聞かされました。10年ほど前、過労で倒れて、目が見えない、喋れない、歩けない状態が数ヶ月続きましたが、仕事に復帰できた喜びは例えようもありません。

 なぜ、政府は、国民が働くことにペナルティを課すのでしょうか。国民を人間ではなく、奴隷か家畜と思っているのでしょうか。政治家は声を上げて欲しいです。

 ペナルティと言えば、「消費税」は「消費」に対するペナルティです。生産者、流通業者、小売業者は、消費者が「消費」してくれるから、事業が回るのです。「消費」が「配給」に変わったら、一部の生産者が生産を独占し、消費者が選択する自由がなくなります。

 流通流通業者、小売業者も不要になります。一部の利権業者が、集荷と配送を担当し、配給所には長蛇の行列ができます。そして国民の「自由」は剥奪され、豊かな生活とは程遠い未来が待っているのです。そして、ペナルティがきつくなればなるほど、「消費」は廃ります。

 「消費」に対する概念が「投資」です。「消費」はリアル(現物)、「投資」はバーチャル(仮想)です。政府はリアルを否定し、バーチャル化を進めているように思えます。バブルではありませんが、バーチャルは一瞬にして消える可能性があります。お金だけでなく、人間もです。

 私はリアルに生きる道を選びます。先輩が言っていた言葉が忘れられません。「『商い』はね、平和だからできる稼業なんだよ。戦争になったら真っ先になくなるのが『商い』なんだ」そうならないよう、他人に頼らず、自分から、できることから行動を起こそうと思います。

 

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