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8.フリーランス日本語教師のメリットとデメリット

フリーランス日本語教師のメリットとデメリットを考えてみます。
飽くまで私の場合です。

メリット① 時間に余裕ができた。
フリーランスで仕事をするようになって、何が一番良かったかと言えば、時間に余裕ができたことだと思います。
現在、1週間に90分クラスを8コマ、60分クラスを5コマ持っています。
自分では、週22.5時間をレッスン時間の上限と定めています。
ボーナスなどは無いですが、贅沢をしなければ十分です。

レッスンの殆どはオンラインです。そのため移動時間がありません。
普段、朝6時に起きているのですが、寒くて布団からなかなか出られない…などということでもない限り、1汁3菜の朝食を作り、きっちり掃除・洗濯をし、風呂にゆっくり入って、身なりをきちんと整えて、大きなマグカップにコーヒーをたっぷり用意して、朝8時からのクラスに余裕で間に合います。
極端な話、レッスン開始1分前まで雑用に時間を割くことができます。
対面のクラスも持っていますが、私はクライエントに自宅まで来てもらっています。
そのため重いPCや教材を担いで移動する必要もありません。

また、レッスン時間以外の仕事時間も常識的な範囲に収まります。
学校等では、たとえクラス数が1コマでも、そのクラスに複数の生徒がいれば、労力は人数分増えます。
教師は、どの科目でもそうですが、授業をすることだけが仕事ではありません。教材の作成、宿題やクイズ等の課題のチェック、テスト作成、テストの採点・フィードバック、イベントのアテンド…。
特にテスト作成においては、信頼性、妥当性、実用性、テスト目標、客観性、テストを受けたことによる教育効果、本物らしさ(reliability, validity, practicality, targetting, subjective⇔objective, washback, authenticity)という点に留意し、テストを受けた学生たちがその結果に納得し、特に大学の場合はGPA評価にもきちんと合うものを作らなければなりません。
これらにどれほど時間を取られてきたことか。

ですが今はマンツーマンです。1つの課題のフィードバックは1人分。課題で見えてきた問題点全てにじっくりと取り組むことができます。教材の作成、宿題やクイズ等の課題のチェックなどは今もしていますが、テストの作成・採点はありません。
お陰で平日でもレッスンの合間に買い物やジムに行ったり、美術館などを見て回ったりすることができます。

メリット② 生徒のモチベーションの高さ
大学の場合、その学生が自分の履修プログラムの関係上、受けたくもないのに日本語のクラスを取らなければならないからクラスにいる…という場合があります。他のやる気のある学生に悪影響を及ぼさないよう、早い段階で彼らのやる気スイッチを入れる必要がありますが、それには余計な労力がかかります。

プライベートレッスンは、日本語を学びたいからこそお金を支払って受講しているので、クライエントのモチベーションが初めから非常に高く、レッスン内での集中力も長く続きます。

デメリット① レッスン時間の変更が頻繁にある
レッスン時間の変更はレッスン開始1時間前まで可能としているため、突然「職場の会議が急に入ってクラスに出られそうにない…」等々、スケジュールの変更がよくあります。
クラスのキャンセルというのはまずなく、別日に振替となるので収入減とはなりませんが、予定していたことが大きくずれてしまうこともあるのは難点です。

デメリット② クライエントの獲得は自力で
クライエントが減った場合、新しいクライエントを自力で探さなければなりません。
大学や日本語学校なら、自分で学生を揃える必要はありません。
クライエントが減るのはあまりうれしくないですね。
ただ、既存のクライエントがよくお知り合いを紹介してくださるので、今のところ、クライエント数も週当たりのレッスン数もずっと安定しています。

デメリット③下手を打つと、次がない。
私のレッスンは、月払いやまとめ払いの方もいますが、都度払いのクライエントも半数います。レッスンが終わった後、次のレッスンを予約し、レッスン料を前払いしてもらうのです。
クラスで下手を打てば、「しばらくお休みします~」なんて言われて、そのままナシのつぶてになってしまうこともあり得ます。

まとめ
前職では最大で週12コマ、18時間担当していました。ご存じの方も多いと思いますが、非常勤で、大学で週12コマ担当はかなり地獄です。
私は研究を放棄していましたが、研究を両立させている方は一体いつ寝ているのでしょう?そんな私でも学期中は授業準備とフィードバックに追われ、毎晩5時間寝られれば御の字でした。
そんなに働いても、非常勤講師には福利厚生は一切ありません。
自分で国民健康保険に入って、自分で年金払います。
労災も…あったのかしら?

フリーランスになった今も当然、国民健康保険や年金を自分で払っています。
ですが時給は前職とかわりません。また、やらされるのではなく、自分がやりたい方法で物事を進められるので、負担感が全く違います。

贅沢は出来なくても、心にゆとりを持って生活ができるのが一番ですね。

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