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仮面ライダー未見勢が悪役(大槻ケンヂ)目当てで映画を観た!【仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL】

おはようございます。

皆さんは仮面ライダー好きですか?
私は戦隊ヒーロー派だったので、残念なことに仮面ライダー観てなかったんですよね。
一度映画版(?)を観ようとした記憶がおぼろげにあるのですが、人間が溶けていくような描写が幼い自分には恐ろしすぎて、それ以降視聴できませんでした。我ながらよわっちいね!

そんな私が、今回敢えて仮面ライダー映画を観ました。
2017年公開の「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」という作品です。
平成の色々なTVシリーズで活躍した仮面ライダー達が大集合する、まさにお祭り的作品です!

しかし私の目的はかっこいい仮面ライダーさん達を眺めることではなく、悪役のお姿を拝むことでした。
本作のラスボス役は、な、なななんと我らが大槻ケンヂ様なのです!!!
彼は筋肉少女帯などで活躍する作詞家・ロックボーカリストで、日本の様々なサブカル文化に今なお大きな影響を与え続けるレジェンドです。
お、おぉお、おおつきさまぁ~~~~

結論として、この映画はビルド勢でもフォーゼ勢でも何でもないオーケン勢の私が予習ゼロで観ても普通に楽しめました。
記事の残りではラスボス・最上魁星ことオーケンを主軸に映画の感想を述べていきます
それではよろしくお願いします!

注)ネタバレ全開で書いていくので、フレッシュな気持ちで本編視聴したい方はブラウザバック推奨です。
なお、2023年12月29日現在、プライム会員ならアマプラで無料で観れちまいます!ぜひ!!!
本編が観たくなる予告編↓



映画の感想

カッコ良さと爽快感のオンパレード

映画全体の感想として、とにかく見ていて気持ちが良かったです。
戦闘シーンには武器や爆発、バイクは勿論、プラモデルとかTVゲームとか白衣とかラップ口上とかその他諸々とにかく世の中の様々なカッコいいものがこれでもかと詰め込まれています
仮面ライダー陣営の面々も、若くて美しい美男美女の皆様が大集結です。
ストーリーも分かりやすい
。仮面ライダー何も知らない私でも全然ついていけました。そしてスカッとした勧善懲悪、ヒロイズム、成長物語。
1時間半で長すぎず短すぎない時間なのも良き。

加えて、キャラ同士の掛け合いとかヒーロー大集合ゆえの絵面のダイナミックさとかの見どころが沢山ありまして、仮面ライダーファンの方々ならより楽しめるのではないでしょうか。
私も数年前まではアベンジャーズというヒーロー大集合系のコンテンツ追っていた人なので、「あっこういうの好き」って思いました

オーケンカッコいい!

そして我らがオーケンカッコいいです!!!!!!
まず大前提として、棒読みでも本人そのままでもなくきちんと演技になっていました。彼は普段から色んな楽曲で物語性のあるセリフを朗読してきていますからね、経験値が違うんだ(早口)
加えて、大槻ケンヂというアーティストが元々持つキャラクター性が最上魁星というキャラにビタっっと嵌っている感じがしました。
どなたか製作陣に彼のコアなファンがいらっしゃるんでしょうか

そんなオーケンが演じた役を見ていきましょう
この映画、なんとオーケンが一人二役で二人分出ます。いわばオーケン欲張りハッピーセットです。うれしいね

一人目が最上魁星です。
天才だけど科学を自分のためにしか使おうとしない系の科学者です。良くないですね。良くないから本編開始時点ではどこにも所属せずフリーランスです
性格は基本的に冷静で、RPGで出てくる老獪な大魔王のような凄みがあります。仮面ライダー陣営はみんな若々しいから、いい感じで対比になってるんですよね、別のベクトルのカッコよさというか。
しかし、怒った時はマッドサイエンティスト味が表出しまして、ちゃんと声を荒げます。彼も「モンスター」ではなく感情を持った人間なんだな~ということが伝わる、個人的に好きな描写です。冷静沈着なキャラが予備動作なしにいきなり怒り出すの良いよね……
ビジュアル面では普段ひび割れメイクしてる左半分の顔面がダース・ベイダーみたいな機械の仮面になってまして、これもまた良い。好き。

二人目も最上魁星です(おい)
コチラはいちおう並行世界の同一人物であるらしいのですが、名前と職業以外は衣装も性格も全然違うキャラです。
ナゴム時代のオーケンを彷彿とさせる真っ白な和装束に、近年たまに着用してる白シルクハットが合わさった風貌です。手はアクセサリーがジャラジャラです。あと普段と真逆の右側にひび割れがあるのが特徴です。
性格や喋り方はパンクロックな感じです。オーケンが畏れと憧れを抱いていたパンクな先輩ミュージシャン達はこんな感じだったんですかね。何をしでかすか分からないやべー奴的な雰囲気のカッコよさがあります。
ただ同じく彼も科学者ではあるみたいで、色々な技術を兵器利用して世界的に暗躍する財団Xという組織の科学者です(組織のボスではないっぽい?)。最上たんの居室の内装を見て財団Xは宗教法人なのかと思いましたが、そうでもないのかしら。

最上魁星とは何だったのか

我らがオーケンの演じたキャラ「最上魁星」について、少しだけ掘り下げていきます。
前述のとおり最上魁星は二人いますが、今回の事件の首謀者のほう(ビルド世界の最上)をメインに書いていきます。
(というかもう一人は説明が少なすぎてよく分からないんじゃあ……)

研究にのめりこみ過ぎた研究者

まずは経歴のまとめです。
映画本編の28分頃に一瞬出た、40歳時点での彼の履歴書はこんな感じでした。出来れば年号とかも書いてて欲しかったな~

40歳 男 178cm A型
新泉高等学校卒業
紅帝大学理工学部卒業
紅帝大学理工学研究科修士課程修了
紅帝大学理工学研究科博士課程修了
紅帝大学博士研究員
東都先端物質学研究所 客員研究員
東都先端物質学研究所 多世界解釈研究 ユニットリーダー就任

映画本編に映った資料より、経歴部分のみ抜粋し引用

博士研究員や客員研究員などの有期雇用と思われる仕事で長らく頑張った後、ようやく無期雇用と思われるユニットリーダーになったようです。
(ただ、某理研とかだとユニットリーダー職ですら期間契約の場合もあるみたいで、ようわからんですね。参考文献

しかし彼は無期雇用のアカポス(アカデミックポスト)という人間としての喜びと安定を捨ててまで、研究にのめりこんでしまいます
なんでも自分が開発したい「並行世界への移動装置」の研究予算が下りなかったからという理由で研究所を去り、その後難波重工(民間企業?)に招聘されます。
そして移転先の難波重工で助手とたった二人で研究を行い、先述の並行世界間移動装置と「仮面ライダーのコンパチみたいな生物兵器システム」の2つの開発に成功します。
天才かよ(そうだよ)

助手に裏切られる

しかしその後唯一の助手に裏切られたことをきっかけに、難波重工から上記二つの設計図を持ち逃げして行方不明になります。
「裏切った」というのは、たぶん並行世界移動装置を発展させた平行世界融合装置(地球同士を衝突させるヤバい技術)の開発から助手が下りたことと、後述の「最上の野望」の障壁となる仮面ライダーエグゼイドの力を助手が保護したことの2つを指しています。

このあたりの「助手・葛城巧がなぜ裏切ったのか」という理由が映画本編で2通りの解釈が語られており、助手本人も登場しないので真相がよくわかりません。(てか葛城巧って回想でしか出てこなかったけど何者なんすかね)
主人公ビルド側の解釈では「最上魁星の真の野望に気付いて止めようとしたから」らしいです。
最上側の解釈では「葛城が自力で開発したライダーシステム(仮面ライダーのこと?)を難波重工に売り込みたくて、最上が開発したコンパチを潰したかったから」だそうです。
うーん、わざわざエグゼイドを盗みに行ってるし、前者がより有力ですかね。

どちらにせよ信頼している人間に裏切られるのって辛いですよね。最上魁星はただでさえ交友関係狭そうだし(偏見)、ショックは大きかったんだろうな。
実際ブチキレてましたし

なぜ事件を起こしたのか

最上の野望は「二つの並行世界同士を合体させること」でした。
それによって二つの世界の最上魁星同士が合体すると不老不死になるそうで、その力を利用して彼は全ての並行世界を統率する帝王になりたかったそうです。

結果的に、並行世界の合体と二人の最上の合体までは上手く行きました。しかし理系な仮面ライダーたちが装置を弄って予定時刻より早めに装置を起動させたせいで宇宙パワー(?)が満ちる前に合体が行われてしまい、最上は不老不死になれないまま仮面ライダーズに爆殺されてしまいました。かなしい。
敗因は装置のセキュリティ対策不足でした。物理的な障壁(雑魚敵どもの肉壁)だけでなく有能なハッカーとかが味方にいれば、時間まで装置を護りきれたかもしれない。惜しいね。

ただ、いまいちわからないのが、パッと見根っからの研究者気質っぽい最上がどうして全世界の帝王になんかなりたかったんでしょうかね?不老不死のほうは分からんでもないけども。
彼くらい才能とこだわりがあるタイプの人は、モノを産み出すことそのものに喜びを感じてそうな印象が個人的にあります。
そういう人は帝王とかいうめんどくさい政治の仕事やるよりも、ずーっと研究続けてた方が楽しいんじゃないかな。
実際のアカポスの人々も学生のお世話や研究費獲得なんかの雑務より研究がやりたい!って嘆く人多いらしいし(ネット情報)

それとも本編で語っていないだけで、何か実現したい理想の世界があったのでしょうか?
もしそうだとしても、計画上どうしても並行世界の自分と合体せざるを得ないから、性格が正反対のもう一人の自分と意見の食い違いが起こりそうですよね。世知辛い。
ああ、人間は何処まで行っても独りにはなれないんだなあ……

最上魁星を救うにはどうすれば良かったか

最後はおまけです。
最上魁星激推しの私としては、最上たんが話し合いや説得もなしに仮面ライダーズにむざむざと殺害されてしまったのが残念でなりません。
ただでさえ人口が減りゆくのにこんな才能の塊をみすみす殺してしまうような国だから、だから日本は衰退してしまうんです(←現実と創作物の区別がつかない人)
とにかく、彼を救う方法を探っていきたい

①和解ルート

結論からいうと、本編での和解は難しいような気がします。

最終決戦時は既に仮面ライダーズにとって「最上を殺らないと私達の世界が消える」という自分の命が掛かったトロッコ問題状態だったので、ちょっと厳しそう。
「最上を改心させて、仏の心で残りの世界を統治してもらう(なお我々はみんな消える)」なんていう自己犠牲展開は流石に私でもやだよ、まだ死にたくないし

決戦前のカウントダウン期間も、基本的に最上魁星は他人の話を聞かずに自分の言いたいことだけ言って姿を消す人なので、話し合いもなにもない。うーんこの

②若いうちに人としての幸せを与えておく

最上たんを幸せなおじさんに育てる
これが登場人物全員にとって一番ハッピーなのではないでしょうか。

あんな凄い研究を助手とたった2人で成し遂げてしまう人なんだから、確実に最上たんは卓越した研究の才能を有した人物です。
そんな才能溢れる人間ですし、博士号取得直後に助教などの無期雇用アカデミックポストをいきなり与えたって全然問題なかったはずです。(こればっかりはコネや運など絡むので難しいところですが)
そして一般的には若いうちから地位や安定的な仕事があった方が結婚もしやすいですし、もしかしたら最上たんは妻子を持つことになったかもしれません。
こうして地位と安定した収入、愛しの家族を得て、幸せになった最上たん。こんな人が世界の破壊を目論む様になると思いますか?
むしろ世界を平和にするための研究にまい進するのではないでしょうか!

……あっ、碇ゲンドウのケースがあったか、、、

③難波重工のガバナンスを強化する

最上たんが難波重工から設計図を持ち出せないように、会社のセキュリティをしっかりする。
もしくは、そもそも最上たんに独断で怪しげな研究をやらせないよう、普段から会社がしっかりと手綱を取る。
これが一番現実的かもしれません。

とにかくこういう創作物の企業はガバナンスがガバガバすぎる
ガバガバガバナンス!(これが言いたかっただけ)

どんなに天才な最上たんだって、お金が無ければ研究はできません。
研究が継続できなければ、彼はもしかしたら別の道に進んで、新たな人生の喜びを発見したかもしれないですよね。
個人的には最上たんにはパティシエになって欲しかったです。
東京のイケオジケーキ職人として雑誌に載ったりなんかして、持ち前の才能を生かしてケーキの道を静かに極めていってほしい。

おわりに

めちゃめちゃ楽しめました!
下ネタもグロ描写も無かった気がするので、お子さんと一緒に観ても大丈夫ですよ!
これを読んでるお父さんお母さんの皆さん!ぜひこの映画をお子様に見せて頂いて、その若い脳髄に大槻ケンヂの存在感を刷り込んでいきましょうぜ…!

関係ないので記事には書きませんでしたが、本作の重要アイテム「エニグマ」と同じタイトルの楽曲が筋肉少女帯にあります。
サポートメンバー含めメンバー全員に見せ場があって大好きな曲です。オーケンも奇怪な歌を歌っています。さあさあヒーロー大集合ですよ皆さん!!!!!
この映画と同時期に製作されたアルバムの曲なんでどちらが先かよくわかりませんが、とにかくカッコいい曲なのでぜひ聴いてみて下さい。
公式のPVです↓

次はこのままの勢いで、オタクの最上位形態こと庵野秀明氏が総監督を務めた「シン・仮面ライダー」を観ようと思ってます。
記事にするかは今のところ未定です。
なお、こちらの作品もアマプラで視聴できるのでぜひ!!!!

それでは、お読みいただきありがとうございました。

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